大統領府のミュージアムに飾られているフェルディナンド・マルコス現大統領一家の肖像画(写真・柴田直治)フィリピンで現代史の書き換えが始まっている。20年余にわたり強権を奮った故フェルディナンド・マルコス(シニア)大統領時代の負の側面を打ち消し、その体制を覆した政変の意義を過小評価する動きだ。米中対立の激化にともないフィリピンを取り巻く安全保障環境に注目が集まる陰で、独裁者の長男ボンボン・マルコス氏の政