菅野愛を語ったライシュマン投手コーチ(カメラ・村山 みち)

写真拡大

◆米大リーグ ロッキーズ―レイズ(4日、米コロラド州デンバー=クアーズフィールド)

 トレード期限日から一夜明けた4日(日本時間5日)、ロッキーズの残留が決まった菅野智之投手(36)に対し、アロン・ライシュマン投手コーチがその高い貢献度と信頼感を明かした。

 チームがナ・リーグ西地区最下位と苦しむ中、菅野はすでに今季11勝を挙げ、昨季の10勝を上回る“自分超え”の活躍を見せている。優勝争いをするチームへのトレード移籍が噂されたものの、結局はロッキーズに残留。打球の質や三振などのデータから算出される期待防御率を筆頭に、期待被打率、打球速度、空振り率、三振率など、トラッキングデータから算出された各種成績がメジャー下位10%に沈んでいることで、評価を疑問視する声も上がっていた。そんな中、同コーチはその見方を一蹴した。

 「数字がすべてを語っているわけではない。詳しく分析すれば、内容が悪かったのは1〜2試合程度。(6月14日に菅野が5回8安打8失点したアスレチックスとの試合で投げた敵地の)ラスベガスの球場のように風や日差しの影響でフライが本塁打になるような特殊なケースもあった。シーズン全体を通せば、ほとんどがQS(クオリティ・スタート=6回以上を投げて、自責点3点以内に抑える)だ。私自身、彼の防御率を知らないくらい気にしていないよ」

 チームが評価しているのは、菅野の数値以上の真の価値とその存在感だという。「彼は非常に賢く、準備を怠らない。ベンチでの存在感も抜群で、登板するたびにチームに勝利のチャンスを与えてくれる素晴らしい投手だ。トレード期限前、彼と話した際にもお互いにチームに残ることを望んでいた。残留してくれて最高だよ。I Love it!」と同コーチは続けた。

 コミュニケーションも心配はなさそうだ。通訳を介した詳細な意思疎通に加えて、コーチ自身も努力している。「私の日本語も少しずつ良くなっているからね(笑)。ウチ、ソト、ヒクメ、タカメ、ほら、どうだい? 日々、勉強中だ」と笑った。日本語を交えて歩み寄るなど、良好な関係を築いてきている。また、ロッキーズが開幕から続けるベンチからのピッチ・サジェスチョン(配球の提案)は運用方法に調整を加えたが、「最初から言っているように、最終的に投げる球を決めるのは菅野自身だ」と、ベテラン右腕への全面的な信頼は揺らがない。

 周囲の喧騒をよそに、菅野は「万が一トレードされたとしてもマウンドで投げることは変わらない。どこのマウンドでもやることは一緒」と泰然自若の姿勢を崩さない。首脳陣やナインからの絶大な信頼を背に、ベテラン右腕は後半戦もチームを勝利へ導く投球を続けていく。