8月5日に開幕する第108回全国高校野球選手権の代表校を決める各地方大会で波乱が続出している。

【画像】某スカウトが「やっぱり勝ったか」と漏らした“超高校級”と評価される横浜のエース、織田翔希投手

強豪校の敗退に「むしろ敗退してくれてよかった」

 今秋ドラフトの目玉で、投打二刀流の逸材とされる菰田陽生投手(3年)を擁する山梨学院や最速153キロ右腕吉岡貫介投手(3年)らを抱える大阪桐蔭が敗退。また北照(南北海道)、八戸学院光星(青森)、智弁学園(奈良)、神戸国際大附(兵庫)、東洋大姫路(兵庫)といった今春のセンバツ大会に出場した強豪校も続々と敗退している。だが、

「これに一安心しているのが、各プロ球団のアマチュアスカウトたちです」

 とは、スポーツ紙野球担当デスクの言。

「菰田らプロ注目の選手が最後の大舞台に進めなかったが、あるスカウトは『この酷暑の中で日程の厳しい甲子園で無理しても何もいいことはない。肩肘を故障しようものなら評価を下げざるを得ない。むしろ敗退してくれてよかった』と胸をなでおろしていました」


二刀流で注目される山梨学院の菰田

 過去には早実・斎藤佑樹投手の例もある。2006年の甲子園で田中将大投手擁する駒大苫小牧との決勝再試合を含む全7試合に登板し、2週間で948球を投げ抜いた。進学した早大での故障もあり、プロに進んでからも思うような活躍はできなかった。

「斎藤は甲子園での無理が祟ったという指摘もあります。短期間での酷使は後々までダメージが残る」(同前)

「この夏は甲子園後の方が忙しくなる」スカウトたちの戦い

 そんな中、「やっぱり勝ったか」と某スカウトが漏らしたのが、菰田とともに“超高校級”と評価される横浜のエース、織田翔希投手(3年)だ。神奈川大会で自己最速157キロをマークし、優勝に貢献した一方、準決勝と決勝では足を攣りながら投げ、故障の不安も指摘されている。

「村田浩明監督は『織田が行きたいと言ったので行かせました』と続投の理由を説明。甲子園でも無理したがる選手を止めない雰囲気です。優秀な二番手投手もいるのですが、たとえ肩が痛そうな素振りを見せても交代はないのでは」(同前)

 スカウトの中にはこの夏は甲子園後の方が忙しくなるという者もいる。

「注目選手が全国の舞台に立たないことで、スカウトはより自分たちの選手を見る目が試される年になった。注目は甲子園終了後、高校日本代表を編成して臨む、第14回BFA U18アジア選手権です。同大会は木製バットを使用するため、野手の実力を測りやすい。二刀流の菰田の打撃もここで試される。代表には地方大会敗退組も選ばれるため、今年は甲子園組よりも、敗退校の選手が多く選ばれる事態も予想される」(同前)

 夏の甲子園の裏で、スカウトたちの戦いも熱を帯びてきている。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2026年8月6日号)