国際災害レスキューナースが教える「避難所生活」の備え。防災リュックに加えたい“お助けグッズ”2つ
大地震や大雨などの災害時、避難所生活を余儀なくされることも。「避難所生活は事前の備えがあると安心」と語るのは、国際災害レスキューナースの辻直美さん。今回、自身も平成28年(2016年)の熊本地震で被災した経験を持つ辻さんに、避難所生活をする際に備えておくべきことや防災リュックに入れたいアイテムを教えてもらいました。
※ この記事は『最強版プチプラ防災』に掲載された内容を抜粋・再編集しています

知っておきたい「避難所生活」
自宅にとどまることが危険な場合などは、避難所生活を選ぶことになります。
しかし、「避難所に快適さやプライバシーは期待できません」と、防災の専門家の辻さんはいいます。
「与えられるのは1人1畳程度のスペースで、知らない人のすぐ隣で寝泊まりです。お風呂やシャワーは使えませんから人々の体臭が充満。冷暖房のない避難所もあります。また、生活音一つをとっても不快に思うレベルは人それぞれ。イライラは伝染し、一触即発という状態にもなります」(辻直美さん、以下同)
避難所へ持っていく防災リュックは、3日間の衣食住を支えるため、水や食料、常備薬など命をつなぐものを最優先に準備することが基本です。そのうえで、避難所生活を少しでも快適に過ごすためのアイテムも加えておくと安心です。
避難所生活での「ものの備え」基本3か条
知恵と工夫で、避難所暮らしをできるだけ快適にすることができます。
●1:自分のものは自分で用意する
「避難所が提供してくれるのは、基本、屋根と床だけ、と思っていてください。水や食料は全員分ありません。毛布や寝袋もあるとは限りません。支援物資が届くのに時間がかかる場合もあり、必要なものは自分で用意するのが、避難所生活の基本なのです」
●2:自分にとって必要なものの優先順位をつける
「持っていけるものには限界がありますが、自分が根源的に大切にしているものがないと力が出ません。そのため、自分にとって大切なものを手厚く用意しましょう。食にこだわりがある人は元気が出る食料を、汗臭い自分がイヤという人は汗ふきシートを多めに」
●3:家に取りに戻れるとは限らないと心得て
「2016年の熊本地震では最大震度7の揺れが2回起こり、1回目の揺れのあと、自宅に帰った人の多くが犠牲になりました。着の身着のままで避難所にやってきて、必要なものはあとで家に取りに帰るという人がいますが、この考え方はやめましょう」
防災リュックに加えたい「心を支えるアイテム」2つ

また、辻さんによると、「避難生活には心を救うアイテムも必要」とのこと。防災リュックに入れておくと安心なものも教えてもらいました。
●心を落ち着かせるグッズ
「香水など好きな香りを嗅ぐと、わずか3秒で心が静まります。やわらかいボールやもふもふのぬいぐるみに触れていると、3分ほど気持ちがリラックスします。そして、家族写真や推しのアクリルスタンドなどを眺めていると、30分ほどで気持ちを立て直すことができます」
これが、辻さんが考えた心を落ち着かせる「3・3・3の法則」。この法則に当てはまる「嗅ぐ」「触れる」「見る」について、それぞれ自分にはなにが効果的かを考え、用意しておくことがおすすめだそう。
●気分転換アイテム
「また、気分転換や周囲とのコミュニケーションに役立つアイテムも、防災リュックに入れておくとよいでしょう。Wi-Fiや電気を使わないものであることが大前提。自分1人で楽しめるものもよいですが、みんなで盛り上がれるものなら、なおすてきです」
トランプなどのカードゲームがあれば、避難所のお隣さんに「ご一緒にいかがですか?」と声をかけるきっかけに。
「絵本もおすすめです。私は被災地で、絵本の読み聞かせをよく行います。ただ読むだけではありません。「宝塚風」「アナウンサー風」など、お題を出しながら順番に読んでもらうのです」
