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コンビニエンスストアに設置されているマルチコピー機は、書類の印刷やチケットの発券など、人々の生活に深く根ざした便利なインフラだ。

しかし、この身近な機械を悪用し、被害者自身に偽の逮捕状や供述調書をプリントアウトさせて信用させるという、悪質な特殊詐欺が全国各地で相次いで確認され、現在その警戒レベルが高まりを見せている。

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北海道警察本部が早くから注意喚起を行っていたこの新手の詐欺だが、現在では全国各地の警察や防犯情報アカウントが同様の警告を発する事態へと発展。特定の地域にとどまらず、被害相談の報告が各地で相次いでいる。

これは、近年深刻な状況が続く「ニセ警察詐欺」の派生形だ。警察庁の犯罪統計資料によると、2025年の全国における特殊詐欺の認知件数は2万7832件。そのうち39.6%を警察官をかたる手口が占めた。

従来は電話での脅しや、偽の逮捕状を自宅の郵便受けに直接投かんする行為が主だったが、本人のスマホに予約番号を送り、店舗へ直接誘導する「セルフ印刷型」へと犯行プロセスが移行。ネット操作に抵抗のない現役世代や若年層までが、新たなターゲットとして巻き込まれる事態となっている。

コンビニのコピー機から偽の「逮捕状」

実際の手口は強引極まりない。ある日突然、被害者の元に警察官を名乗る人物から不審な電話が入る。電話口の男は威圧的な口調で「あなたに犯罪の容疑がかかっている」と告げ、まずは徹底的に動揺を誘う。

さらに、「犯人である証拠を見せる。今すぐコンビニに行って証拠の書類を印刷して」と言葉巧みにマルチコピー機へと誘導。指定された予約番号を被害者がタッチパネルに入力すると、出てくるのは警察のロゴやそれらしい文言が並んだ偽の「逮捕状」や「供述調書」だ。

まさかコンビニのコピー機から自分に対する逮捕状が出てくるとは夢にも思わない。だからこそ、「逮捕状」の文字を直接確認した被害者は、警察に追われているという強迫観念に支配され、相手の指示をそのまま信じ込んでしまう。

詐欺グループは被害者が抱くこの心理的な隙を突き、「あなたが犯人ではないことを証明するために、口座のお金を調べる必要があります」「国に口座のお金を一度預けなければなりません。指定する『国家安全口座(または調査用口座)』に今すぐ全額を振り込んでください」「調査が終われば、お金はすぐにあなたの口座に戻します」などと迫り、指定の口座へ多額の現金を振り込ませるやり方で現金をだまし取る。

不安から正常な判断力を失うケースも

にわかに横行し始めた「マルチコピー機詐欺」だが、警察や司法機関が被疑者に対して電話で事前に容疑を伝えることは絶対にあり得ない。

過去には、パソコン画面に偽の警告を表示させて不安をあおり、コンビニのマルチコピー機を操作させて電子マネーを支払わせたり、詐欺グループの“受け子”が偽の警察官職員証や名刺をコピー機で印刷して「本物らしい身分証を偽造」する使われ方は存在していた。今回の「逮捕状印刷」は、その新たな発展形に位置づけられるだろう。

冷静であればおかしな点に気づくことも可能だろうが、当事者となって不安をあおられた場合、正常な判断力を失ってしまうケースも少なくない。

もし「あなたに容疑がかかっている」といった不審な電話を受け、マルチコピー機での書類印刷を促された場合は速やかに電話を切り、警察の相談専用窓口や、最寄りの警察署、周囲の信頼できる人に相談することが、被害を未然に防ぐための確実な防衛策となるはずだ。