17分野に総額370兆円超!高市政権「初の骨太の方針」で知名度は低いが成長間違いなしの期待銘柄を公開する
「骨太の方針2026」関連の中小型株
高市政権で初となる経済財政運営と改革の基本方針「骨太の方針」では、戦略17分野を対象に2040年度までに官民で総額370兆円超の資金が投じられる見込みだ。日本の名目GDPの5割強に相当する大胆な投資戦略を掲げることで、これまでの過度な緊縮や未来への投資不足からの脱却を目指す構えだ。
国家的投資ロードマップとも言える「骨太の方針」には、株式市場からも「国策に売りなし」の観点から熱い視線が早くも向けられている。代表的な関連銘柄に対する注目度はすでに高まっている状況にある。一方、業績インパクトが表れやすいのが時価総額の小さい中小型の関連銘柄だ。政策の具体化が進むたびに、受注残や業績予想の修正という形で数字に跳ね返りやすく、株価の反応も機敏になりやすい。
裏を返せば、事業規模がまだ小さいからこそ、370兆円という国家的な投資の一部が流れ込むだけでも成長率を押し上げやすい。これまでは大型株の上昇に後塵を拝すことの多かった中小型株だが、戦略17分野と事業が密接に絡む関連銘柄については、投資マネーの受け皿として無視できない存在となりそうだ。
日本アビオニクス<6946>
・6月26日終値5430円 配当利回り(予)0.28%
防衛用システム製品や宇宙用電子部品を扱う「情報システム」事業と、赤外線サーモグラフィなどの「電子機器」事業を2本柱とする日本アビオニクスは、防衛・宇宙エレクトロニクスの領域に強みを持つ。「防衛産業」「航空・宇宙」分野の投資拡大は、強力な追い風となるだろう。
成長牽引役の情報システム事業は、2026年3月期末時点の受注残高は311億円(前期比43%増)にまで積み上がっている。防衛関連事業における艦船や潜水艦向けの指揮管制システム(戦闘を指揮統制する電子システム)の情報表示装置や、上空の飛翔体をレーダーで感知して指揮統制を行う自動警戒管制システムなど、高度技術が必要とされる製品群を豊富に抱え、防衛省などの官公庁を主要顧客とする強固な参入障壁を築いている点が強みだ。
2027年3月期の会社計画は営業利益61億円(同11%増益)の二桁増益見込みだが、これでも研究開発費などの経費を極めて保守的に算出していると推測される。ちなみに前期の営業利益も二度の上方修正を経て、なおも上振れて着地した。情報システム事業の売上高営業利益率は20%超水準まで向上しているとみられ、今期の会社計画も上振れ余地が大きいとみている。
フィックスターズ<3687>
・6月26日終値2380円 配当利回り(予)0.80%
高速化ソフトウェア開発で国内トップ級の実績を誇る存在だ。量子コンピューティングクラウド「Fixstars Amplify」を通じて、幅広い分野の最適化計算(生産計画や配送ルートなど、特定条件下で最も効率の良い計算)を支援している。骨太の方針の戦略17分野のうち「量子」は投資額の全容がまだ見えにくい分野だが、上場企業で直接的に量子ビジネスを展開するレアな存在という点に価値があろう。
独自開発したAI(人工知能)を社内で活用し、ソフトウェア開発の生産性を劇的に向上させている点が最大の特徴だ。ハードウェアの性能を最大限に引き出すパフォーマンスエンジニアリング(ソフトウェアの処理速度を高速化する技術)は、AIの社会実装を進めるうえで必要不可欠な技術であり、専門家集団としての地位を確立している。
大口取引先であったソニー・ホンダモビリティのEV(電気自動車)開発中止という不測の事態が収益悪化リスクとして懸念されているが、引き合いが旺盛な他の代替プロジェクトへエンジニアを迅速に再配置することで影響は軽妙と考える。自己資本比率は83.7%と財務基盤も厚く、直近の株価調整により割安感が台頭しつつあるとみている。
PKSHA(パークシャ)<3993>
・ 6月26日終値2780円 配当利回り(予)0.00%
AIやアルゴリズムの実装において国内トップクラスの実績を持ち、企業の業務効率化やDX(デジタルトランスフォーメーション)を牽引している。骨太の方針の「AI・半導体」分野が重視するバーティカルAI(特定業界・業務に特化したAI)の普及と、政府調達を通じた需要創出が期待できる企業だ。
あらゆる業界でAIを用いた業務プロセスの刷新が課題となる中、2026年9月期の第2四半期(25年9月〜26年3月)の事業利益(営業利益に相当)の進捗率は68.0%に達した。多様なアルゴリズムを組み合わせたAI Research & Solution事業において、生成AIを中心とした開発案件等が増加しており、通期計画である事業利益50億円を超過達成する期待は大きく高まっている。
骨太の方針で政府調達を通じたAI導入支援策が具体化すれば、顧客接点を自動化するAI SaaS(必要機能をクラウド上で提供するソフトウェア・サービス)の開拓余地が拡大する期待も高まろう。AIの台頭でソフトウェア業界の再編機運も活性化しつつあるなか、積極的なM&A(買収)戦略による相乗効果の発揮も期待される。
JRC<6224>
・6月26日終値1350円 配当利回り(予)2.52%
屋外用ベルトコンベヤ部品で国内シェア5割超を誇る同社は、セメント工場や鉱山向けの大型搬送設備を手掛けるコンベヤ事業に加え、ごみ処理・バイオマス・水処理施設向けの環境プラント事業、さらには人手不足解消を狙うロボットSI(ロボットによる工場自動化システムの構築)事業の3本柱を持つ。
足元ではロボットSI事業が第二の柱として急成長しつつある。「AI・半導体」分野のフィジカルAI普及の裾野を支える存在とも位置づけられる同社は、国内の深刻な労働力不足への対応や製造業の国内回帰という国策テーマの追い風をダイレクトに受けるだろう。骨太の方針の「港湾ロジスティクス」分野が掲げる港湾荷役機械や次世代型倉庫と、大型搬送インフラとの技術基盤も近い。
2026年2月期の連結営業利益は19.64億円(前期比42.8%増)と6期連続で過去最高益を更新し、2027年2月期も僅かながらだが増益を計画している。省力化投資への需要が一段と強まるなか、今後の四半期決算においてロボット関連事業の受注残高の順調な積み上がりが確認される。さらには柏崎刈羽原発の再稼働に伴うメンテナンス需要の増加も追い風となれば、収益性に比して低水準のPER(株価収益率)評価にも見直し余地が高まろう。
ジャパンエンジンコーポ<6016>
・6月26日終値8290円 配当利回り(予)1.21%
大型の船舶用ディーゼルエンジン(船を動かす巨大な内燃機関)の製造において、国内で唯一、設計から製造までを一貫して手がける独立系メーカーとしての地位を確立している。特に、世界の海運業界で義務化が進む環境規制に対応した次世代クリーン燃料(水素やアンモニアなど環境負荷の低い燃料)に対応するエンジンの開発力では、世界3大ブランドの一角を占める存在だ。
「造船」が骨太の方針の戦略17分野に名を連ねたことで、造船の受注ピークが2035年になるとの見方も出ており、息の長い追い風が期待できる。次世代燃料エンジンの量産化と受注比率の高まりが進めば、骨太の方針が掲げる「資源・エネルギー安全保障・GX」分野との重なりも一段と強まろう。
2026年3月期は、環境対応船への買い替え需要が世界中で爆発的に増加したことで、売上高・営業利益ともに過去最高水準を記録した。2027年3月期以降も、数年先まで工場がフル稼働するほどの豊富な手持ち工事量を確保しており、高収益な状態が持続する見込みだ。鋼材価格の高騰や為替変動などのコスト上昇は気がかりだが、世界的な供給引き締まりを背景に、製品価格への円滑な転嫁が見込まれる。
投資総額370兆円という数字の内訳は、なお閣議決定後の詳細を待つ調整段階にある。とはいえ、技術的な障壁の高さと確固たる収益基盤を兼ね備えた中小型銘柄にとっては、政策の具体化が進むにつれ、独自の成長ストーリーを描く解像度が高まってくる公算は大きいだろう。仮にマクロ環境に不透明感が漂う場面が訪れたとしても、独自の株価展開を切り拓くことも期待できそうだ。
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