日本取引所グループ公式サイトより

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東京証券取引所などを傘下に持つ日本取引所グループが、東証スタンダード市場における上場廃止企業の発表を、3日に行った。

上場企業が上場を廃止するのは、TOBやMBOといった買収によるもの、売上の水増しをはじめとしたガバナンス不全などが主な理由として挙げられる。だが、上場廃止が決まった株式会社エフティグループ、株式会社テクノマセマティカルの2社には、上場維持基準に適合しないためとの説明が行われている。

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2022年に行われた市場の再編により、東証1部、東証2部などの市場区分が廃止され、プライム、スタンダード、グロースと名付けられた3つの区分が誕生した。同時に、株主数や流通株式数など、上場の維持に必要な基準も追加され、基準の厳格化も実施。東証1部の看板が欲しいだけの上場、創業者など特定の株主にだけ有利になる上場を減らすための措置をとった。

突然基準が生まれたことで、上場を廃止する企業が一気に増えることを阻止するため、日本取引所グループは経過措置の猶予期間を設け、上場している各社に基準を満たすよう促した。その期限が2026年3月31日で切れたことで、今後は「上場維持基準に適合しない」との理由で市場から退場をする企業が増加すると思われる。

この通告を受け、最初に上場廃止することが決まったのが、ITインフラの構築などを手がけるビーマップだ。同社は時価総額基準に適合しないとの理由で上場を廃止する。このほか、カワセコンピュータサプライ、植松商会、桜井製作所、山大などが、上場維持基準に適合しないとの理由で上場を廃止する。

ここで挙げた企業の中には、いわゆる仕手株として投資家界隈(かいわい)で知名度を上げた企業もある。特に山大は、2024年最初の取引で1株1051円だったのに対し、3月には6000円を突破する場面があった。同社は木材の加工などを主な事業に定めている企業であり、2カ月で株価が6倍になるような情報が出てきたわけでもない。山大は被害者とも言えるポジションなのだが、このような現象を抑えるためにも、日本取引所グループは新たなルールを設けたとみられる。

猶予期間が切れたことにより、上場維持基準に適合しないと判断された企業は、今後東証から順次追い出されていくことになる。しかし、それを好機と捉えて活発に動くとみられるのが、他の証券取引所だろう。

他の証券取引所に「チャンス」か

国内には東証以外にも、札幌証券取引所、名古屋証券取引所、福岡証券取引所が存在する。かつて東証に上場していたRIZAPグループ、ジュエリー販売を手がけるケイウノなど、知名度や実力を有する企業が上場している。

これらの証券取引所では東証のような厳格な審査を行っていない。それどころか、株取引の参加者、上場企業の少なさが悩みの種になっており、長らく薄商いに苦しみ続けている。

札証、名証、福証へ上場するために必要な費用は、東証の各市場への上場よりもリーズナブルだ。誤解を恐れずに言えば、資金調達の手段を増やしたい企業側、上場企業を増やしたい取引所側からすると、東証からの「強制退場」は新たな経営戦略の発見につながる可能性を秘めている。

文/池田聖人 内外タイムス