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OBSラジオ番組「加藤秀樹が語る、日本の未来構想」にて、構想日本の加藤秀樹代表が、熊本市内の自衛隊基地に配備された新型ミサイルについて言及した。メディアでは大きく報道されていないが、世界中で「国防」が生活の中に押し寄せている中で、日本でも国防と私たちの生活の関係を真剣に考えないといけない時代になったと語った。

【写真を見る】「射程1000km」新型ミサイルを熊本に配備…専守防衛の転換点 防衛費10兆円突破のしわ寄せはどこへ?

自衛隊創設以来の「敵基地攻撃能力」

熊本は大分の隣県だ。熊本市内の健軍地区にある自衛隊基地に今年3月、新しいタイプのミサイルが配備された。

このミサイルの最大の特徴は、その射程にある。従来のミサイルの射程が約200kmだったのに対し、新型は約1000kmと、一気に拡大した。これにより、中国の沿海部や北朝鮮の一部もカバーすることが可能になる。

政府は、この能力を「敵の基地を攻撃する能力」と説明している。専門用語では「スタンド・オフ・ミサイル」と呼ばれ、相手の脅威の圏外から攻撃を行うことを意味する。

自衛隊が創設されて以来、このような能力を持つ兵器を保有するのは初めてのことであり、画期的な出来事だとされる。

これまでの専守防衛、つまり来たものを撃ち落とすという基本方針からの大きな転換点ともいえる。

基地問題を「自分ごと」として捉える必要性

基地問題というと沖縄の米軍基地が話題にのぼることが多いが、実際には自衛隊の基地は全国に多く存在する。特に九州は基地が多い地域だ。

加藤氏は、基地というとメディアなどで賛成・反対という取り上げ方がされることが多いが、本当に大事なことは、その基地がどういう役割を持っているかなど事実を知り、自分たちの生活にどんな影響があるか考えることだと強調する。

防衛予算は今や10兆円近くに達するが、私たちの税金で賄われている。その分どこかにしわ寄せがこないだろうか。また、基地が近くにあることは、有事の際に危険を伴うことはないのだろうか。その点では原子力発電所と似た性格を持つ。こうしたことを「自分ごと」として考えたいと指摘する。

近年の紛争を見ても、アメリカ、イスラエルのイラン攻撃やロシアのウクライナ侵攻、ガザ地区の状況など、学校や病院を含む一般の住民が大きな被害を受けている。

戦争は必ずエスカレートする。こちらが射程1000kmのミサイルを持てば、相手はそれを上回る能力で対応しようとする。

健軍地区は住宅地で、学校や病院もある。その安全性や有事の際の住民の避難路など、国は具体的な安全対策を講じ、説明しないといけないと加藤氏は語る。

防衛の最前線・九州と大分県の役割

現在、九州には自衛隊全体の兵力の約4分の1が集まっていると言われている。かつては、対ソ連を念頭に北海道に重点が置かれていたが、近年は九州にシフトしており、陸上自衛隊では全14万人のうち2万5000人から3万人が配備されるなど、九州は今や「日本防衛の最前線」となっている。熊本のミサイル配備もその一環だ。

大分県にも、陸上自衛隊の別府駐屯地、大分分屯地、湯布院駐屯地、玖珠駐屯地、そして海上自衛隊の佐伯基地と、5つの拠点が存在する。

特に大分市にある分屯地は、弾薬の保管・補給を担う「九州補給処」としての役割と、通信インフラの拠点という2つの重要な機能を持つ。ミサイルの発射台はないものの、後方支援の拠点として、有事の際には攻撃対象となる可能性は十分ある。

軍備増強の流れ、忘れてはならない視点

2022年の安全保障三文書の改定、毎年のように増額される防衛予算、アメリカ製ミサイル「トマホーク」の配備計画など、ここ数年、日本の軍備増強は着実に進んでいる。

今回の熊本への長距離ミサイル配備も、こうした大きな流れの中に位置づけられる。自分の生活防衛という観点から、そういう流れを我々も知っておく必要がある。

加藤氏は最後に、田中角栄元首相の言葉を引用する。「戦争を知らない世代がこの国の中核になったら怖い。戦争をやって大地に叩きつけられて、戦争っていうものがどんなにつらいものかっていうことを骨の髄まで知った日本人じゃないですか」と、戦争を避けるための外交努力の重要性を、戦争を経験した世代の言葉として重く受け止めるべき。軍備を使わずに済ませることが軍備の最大の目的だと締めくくった。

国防は国の根幹に関わる重要な課題だ。だからこそ、国民一人ひとりがその実情を知り、議論していくことが求められている。