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「ホットハッチ」とする狙いとは

ルノーは来年、EVの『メガーヌEテック』の最上位グレードとなる高性能バージョンを新たに投入する見込みだ。ビッグ・マイナーチェンジを実施し、「ホットハッチ」として位置づけようとしている。

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これにはメガーヌEテックの魅力を高め、過去1年半の販売減少を逆転させる意図がある。


ルノー・メガーヌEテック

今月上旬、ミュンヘン・モーターショーで記者会見に応じたルノーブランドのCEO、ファブリス・カンボリーヴ氏は、メガーヌEテックを「ホットハッチ、あるいはホットカー」として再定義する方針を明らかにし、「それがわたし達の目指す方向性です」と述べた。

また、カンボリーヴ氏は記者団に対し、別の高性能モデルの導入を検討中であり、1年以内に「最初の提案」を公開すると述べた。

詳細は明かされなかったが、この2つの計画は関連するものと見られる。

アリア・ニスモのパワートレイン移植か

ルノーブランド最後の本格的なスポーツモデルは、2023年に生産終了したメガーヌR.S.だった。

最近、再びスポーティなモデルに着目し、限定生産のEV『5ターボ3E』を市場に投入した。最高出力540psの小型ハッチバックで、ルノーの高性能EVの開発力を示す意図があった。


14万ポンド(約2800万円)の限定生産車、5ターボ3E    ルノー

しかし、メガーヌEテックの最上位グレードに、これほどの高出力を持たせることは期待できないだろう。同じAmprミディアム・プラットフォームを共有する兄弟車からパワートレインを移植するという選択が現実的だ。

そのうち、新型アルピーヌA390向けに専用開発された470psのトリプルモーター・パワートレインがメガーヌEテックに採用される可能性は低い。しかし、日産アリア・ニスモの435psのデュアルモーターは採用候補として考えることができる。現行メガーヌEテックはシングルモーター仕様のみで、最高出力は218psに留まっている。

メガーヌEテックの最上位グレードが、『ルノー・スポール』の名称を採用するかどうかは現時点では不明だ。

カンボリーヴ氏は、ルノー・グループ内では今後もアルピーヌをスポーツカー専用ブランドとして位置づける方針を示唆した。

2月、当時のグループCEOであるルカ・デ・メオ氏はAUTOCARに対し、ルノー・スポールは「凍結状態」にあると説明した。「スポーティなものはすべてアルピーヌを基盤とします」としたものの、「だからといって、このブランド(ルノー・スポール)が復活しないとは限りません」と述べていた。

高性能車シリーズの復活の可能性について、カンボリーヴ氏はコストと需要の「適切なバランスを見出す必要がある」としている。

バッテリー大型化、デザインも大幅刷新へ

メガーヌEテックのモデルチェンジは、ルノーにとって重要な焦点となっていると幹部らは言う。同車は2022年、ルノーの次世代EVの1つとして発売された。

デビュー当初は一定の成功を収めたものの、増え続ける新型のライバル車に脅かされている状態だ。現在のメガーヌEテックの英国価格は3万2495ポンド(約650万円)からで、ライバルの一部はこれを下回る価格でより多くの装備や機能を提供している。その結果、販売は急落し、2025年上半期の欧州での販売台数は前年同期比67%減(1万82台)となった。


ルノー・メガーヌEテック

メガーヌEテックのモデルチェンジについて、カンボリーヴ氏はバッテリー容量を拡大すると述べた。アリア・ニスモやセニックに搭載されている91kWhバッテリーが採用される見込みで、アリア・ニスモではこのバッテリーで最大500kmの航続距離を実現している。

AUTOCARが取材で得た情報によれば、モデルチェンジでは新しいフロントグリルやデイタイムランニングライト、より低くワイドなスタンスが採用されるようだが、ルノー・グループのデザイン責任者ローレンス・ヴァン・デン・アッカー氏は詳細については言及を避けた。

モデルチェンジの必要性について、ヴァン・デン・アッカー氏は「販売台数を増やす必要がある」と認めた。「高価な新型バッテリーを搭載しても、クルマ自体を変えなければ、人々にお金を払ってもらうのは極めて難しいでしょう」

「そのため、外観上の変更を通じて、内部の改良を示す必要がありました。そしてわたし達は、世の中に『ホットな見た目のEV』が不足していると考えました。失うものは何もないと判断し、その方向で突き進むことにしたのです」