中居正広もフジテレビも…4月改編期のCM営業できず、取り返しがつかない「初期消火の失敗」

世間からは反感を買った“中居コメント”の真意
中居正広(52)の“解決金9000万円”女性トラブルは収束するどころか、ますます拡大している。
昨年12月に『女性セブン』が報じた時点では、中居が解決金を支払って示談が成立しているということだったので、業界内には大きな騒動にはならないだろうと見ていた人が多かったのだが……。
当初、テレビがこの件を報じることはなかったが、中居が声明を出し、事実関係を認めたので民放はもちろんNHKも一般ニュースで扱うように。しかも、中居の声明にあった
《示談が成立したことにより、今後の芸能活動についても支障なく続けられることになりました》
という一文が、物議を醸し、ネットでは、
《恥知らず。何を考えているんだ》
《まともなブレーンがいないのではないか》
と非難の声が集中したのは言うまでもない。
これについてワイドショー関係者によれば、
「こんな状態になっているときに、謝罪声明にわざわざあんな一文を入れたのは、中居さんなりの思惑があったからでしょう。週刊誌に記事が出ることは当然、事前に自分が出演している各テレビ局に報告しています。
局によっては“示談で解決済み”ということでしたから、大きな騒動になるとは考えず“だったら問題ないでしょう”と考えていたところもあったと聞きました。中居さんにしてみれば、次々と番組が打ち切られたりしたことに、“話が違う”という気持ちなんでしょう。と同時に、その裏には“違約金を請求しないように”という牽制があるのではないでしょうか」
非難の矛先は中居だけでなく、このトラブルに関与したと報じられたフジテレビ編成部長A氏と同局にも向き始めた。しかしフジテレビは、社員の関わりを否定し続けたために、騒動はさらに拡大していき、ついに株主やスポンサーも動いた。
会社存続の危機感が欠如していたフジ上層部
“モノ言う株主”として知られているアメリカの投資ファンド『ダルトン・インベストメンツ』とその関連会社が、フジ・メディア・ホールディングスに対し
《コーポレートガバナンスの深刻な欠陥を露呈している》
との見解を示した。そして「外部の専門家による第三者委員会の設置」「事実関係の解明」「再発防止策の提示」を求めているという。
そんな中、ようやく1月17日に、フジテレビは緊急記者会見を開いた。しかしこの会見にはこれまで以上に非難の声が集まっている。
「あくまで2月に予定していた定例会見の前倒しということで、会見に参加できるのは記者クラブに加盟した一部の社に限られ、質問もテレビ各局はできない状況でした。記者クラブに加盟していないNHKや民放各社は会見の模様を動画で撮影したいと要望しましたが、認められず、許されたのは冒頭5分の写真撮影のみ。
週刊誌やネットメディア、フリーの記者は参加することができず、各メディアから非難の声が上がっています。しかも、記者の質問に対しほぼ無回答で、第三者の弁護士などが参加する委員会を設置して調査することだけを強調していました。もちろん中居のトラブルに関しても詳細は語りませんでした。会社存続の危機だということを認識しているのかどうか疑問ですね」(全国紙記者)
実際にスポンサーは動いた。
日本生命とトヨタ自動車は早々にフジテレビで放送しているCMを公益社団法人ACジャパン(旧公共広告機構)のCMに差し替えた。そしていまや約75社のスポンサーがCMの差し止めやACジャパンのCMへの差し替えを表明している。
キー局の社員によると、
「4月の改編期へ向けて、各局の営業担当者はCMスポンサーの獲得に動かねばなりませんが、この状態では難しい。というか、不可能に近い。となると番組制作費を捻出することができず、最悪番組を作れなくなります。とはいえ、何も放送しないわけにはいかないので、フジが身銭を切るしかないでしょうね」
“崩壊”はあながち冗談とはいえなくなってきた。
“初期消火”に失敗した典型的な例だが、女性週刊誌の報道があった時点で、いや’23年6月にトラブルを把握したときにシッカリと調査して、中居を含めた当事者を処分していたらこんな事態にはならなかったのではないか。遅きに失したということだ。
1月16日発売の『週刊文春』は続報として、かつて港社長自身も疑惑の編成部長A氏と同様に、女子アナを接待要員として駆り出していたという元フジテレビ幹部の証言が掲載された。またフジの女子アナがA氏の差配で開かれた“飲み会”に参加させられたときの様子を述べている。
その“飲み会”には、中居と一緒に、《フジのバラエティー番組を担う》タレントが参加していたと女子アナが証言している。意味深な証言だが、察しのいい読者は、このタレントが誰であるか容易に想像がつくだろう。どうやら、“点と線”が繋がった。
ジャニーズ事務所の消滅、“ドン”の引退で“芸能界が変わる”といわれているが、長らく叫ばれてきた芸能界の浄化は、中居のトラブルをきっかけに加速するのではないだろうかーー。
取材・文:佐々木 博之(芸能ジャーナリスト)