小泉進次郎氏のインスタグラムより

 9月3日、ウェットスーツを着込んだ自民党の小泉進次郎元環境相(42)が、福島県南相馬市の坂下海岸を訪れ、地元の子供たちと一緒にサーフィンを楽しんだ。

「小泉さんは、『パフォーマンスだと言われてもかまいません』と言って、福島入りしています。福島第1原発の処理水の海洋放出で、さまざまな風評被害が起きていますし、震災直後はもちろん、環境相だったときに何度も福島を訪れていることから、思い入れも強いのでしょう。

 8月30日、岸田首相や西村経産大臣らが首相官邸で福島産の刺身を食べて『コリコリしていて美味しい』などとアピールしていましたが、地元からは『サーフィンのほうが何倍もPRになる』との声も聞こえてきます」(政治担当記者)

「自民党サーフィン議連」の幹事長とはいえ、国会議員で実際にサーフィンをするのは珍しい。しかも、ボードにしっかり立っており、サーファー経験者によれば「上手とは言えないが、そこそこ乗りこなしていた。付け焼き刃ではない」ほどの実力があるという。

 小泉議員は、自身のインスタに、

《処理水放出後、多くのサーファーは変わらずに地元の福島の海でサーフィンを楽しんでいます。今日のこどもたちの楽しそうな姿をみてください!

 福島県外・海外の一部の心ない、科学的根拠のない批判などとは別に、変わらぬ日常を貫くことで、言葉ではなく行動で「なにくそ!」「俺たちはこれからも福島の海とともに生きるんだ!」という強い想いを福島の方々から感じます》

 とコメントしている。

 この件を報じたニュースサイトにも、

《パフォーマンスとして何もしないよりは行動した方がいいです》

《カレイやタイなどの高級魚を総理官邸で食べるよりは全然いいと思う。政治はパフォーマンスや言葉が大事です》

《刺身を食べるだけの人たちや、官僚の人が作った紙を覚えもせず読んでる考えないおじいさん達よりかよほどいいと思う》

《中身はないかもしれないけれど、彼らしい行動でいいじゃない!》

 など、好意的な意見が目立っていた。

「これまでも小泉さんは、正月に地元・神奈川県の少年サッカーチームに飛び入りしてボールを蹴ったりしています。そうするとマスコミに取り上げられ、広く拡散することを知っているのです。そのあたりの勘所は、父親の小泉純一郎元首相ゆずりですね」と前出・政治担当記者が指摘する。

 とはいえ、政治アナリストの伊藤惇夫氏の見方は厳しい。

「小泉氏が頻繁に福島入りしていたことも、思い入れもよく知っています。しかし、いま小泉氏は『政治家』としての存在感がありません。自民党内では政治能力に疑問符すらついています。だから、サーフィンのパフォーマンスをしているときではないんです。

 私は『彼は天才子役だ』と言ってきました。チヤホヤしては才能を開花できずに終わってしまう。しかし、小泉氏は『元首相の息子』としてチヤホヤされてしまった。いまは地道に政務や党務に励むべきです」

 小泉氏は、9月中旬に再び福島を訪問してサーフィンをするという。その発信力を活かすのは重要だが、まずは政策で勝負してほしいところだ。