レーバーカップで引退セレモニーを行ったロジャー・フェデラー【写真:ロイター】

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レーバーカップ出場をナダルに直談判、その際にすぐに返された予想外の言葉

 テニスロジャー・フェデラー(スイス)は23日(日本時間24日)のレーバーカップで引退セレモニーを行った。ラファエル・ナダル(スペイン)とダブルスを組み、セレモニーの最中には涙ながらに手を握る2人の様子が話題に。当時の心境などを語った米紙「ニューヨーク・タイムズ」のインタビューでは、ナダルに引退を伝えたエピソードについても明かしている。直接電話で伝えたといい、「お互いにどれほど尊敬し合っているか」と改めて盟友に敬意を示した。

 同紙のコラムニスト、クリストファー・クラリー氏の質問に答えたフェデラーは、引退セレモニーの最中に涙ながらにナダルの手を握った写真がファンの間で話題になっていることについて言及した。一方で、引退に至るまでの舞台裏も告白。「全米オープンの後、彼(ナダル)が大会を終えるのを待って電話し、引退を伝えたんだ」と9月に伝えたことを告白した。

 記事では「彼がレーバーカップ後の計画を立て始める前に知らせたかったんだ」と説明し、ナダルに配慮したというフェデラー。「電話でダブルスができる可能性は50〜60%だと伝えた。『現状は伝える。家庭のことは教えてよ。また連絡しよう』とね」と妻が妊娠中だったナダルを思いやり、すぐには返事を求めなかったという。しかし、ナダルは電話口ですぐに返したという。

「ラファはすぐに『君と出場できるようにあらゆる努力を尽くすよ』と。信じられないような気持ちだった。我々がお互いにとってどれほど意味深い存在なのか、どれほど尊敬し合っているかを示すものだった。それに我々にとっても、テニスにとっても、それを超越したものにとっても美しく驚くべき物語だとも思ったよ」

 フェデラーのために一肌脱いだナダル。長年にわたって男子テニス界を牽引し、2人合わせてグランドスラムを42度制覇している。ダブルス実現の裏には、友を思うナダルの姿があったようだ。

(THE ANSWER編集部)