日産自動車の中国合弁会社、東風日産乗用車は21日と23日に声明を発表し、中国のサッカークラブ「広州恒大」が、スポンサー契約を守らなかったとして、法的措置に着手したことを明らかにした。新華社は同問題について、広州恒大を批判する見解を紹介した。(イメージ写真提供:CNSPHOTO広州恒大の10月31日の試合。同時点では「東風日産」の社名入りのユニフォームを着用)

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 日産自動車の中国合弁会社、東風日産乗用車は21日と23日に声明を発表し、中国のサッカークラブ「広州恒大」が、スポンサー契約を守らなかったとして、法的措置に着手したことを明らかにした。新華社は同問題について、広州恒大を批判する見解を紹介した。

 東風日産によると、広州恒大はスポンサー契約にもとづき、試合では胸部分に東風日産の広告を表示したユニフォームを着用せねばならないのにかかわらず、21日に行われたアジア最強のサッカークラブチームを決めるAFCチャンピオンズリーグの決勝戦で、同義務を履行しなかった。

 広州恒大の正式名称は「広州恒大淘宝足球倶楽部」。恒大地産集団が2010年に既存クラブを買収し、2014年には阿里巴巴(アリババ)集団が追加出資した。広州恒大は2014年のシーズンから、東風日産が指定した、同社社名などが入ったユニフォームを着用していたが、21日の試合では「恒大人寿」の社名を表示したユニフォームを着用した。「恒大人寿」は恒大地産集団が傘下企業として24日に成立させた生命保険会社。

 東風日産は、契約期間(2014、15年のシーズン)には、中国国内・国際試合のいずれにおいても、広州恒大のユニフォームの胸部分の広告の権利はすべて同社に帰属すると説明。広州恒大は11月11日に、ユニフォームの胸部分広告の変更を申し出てきたが、東風日産ははその場で明確に拒絶。翌日には書面でも拒絶したという。

 東風日産によれば、広州恒大はその後も同問題についてきちんとした意思表明をしなかった。東風日産は21日の試合開始1分前になり、ユニフォームの変更を要求する書面を受け取ったという。

 新華社によると、広州恒大は「東風日産とは事前に会い、さらに書面でも、契約内容について友好的に協議したいと表明した。しかし東風日産は(スポンサー契約に)違約条項が存在することを無視し、いかなる形式の協議も拒否した」との声明文を用意したという。

 新華社は続けて専門家の意見を紹介。中南財経大学法学院の麻昌華副院長は、広州恒大の行為は疑いなく契約違反と指摘。契約内容の変更が相手側に拒否されても、相手側を「違約条項を無視」、「協議を拒絶」と批判することはできないと指摘。東風日産の主張は正当との考えを示した。

 スポーツ関連法の専門家で、「中華人民共和国体育法」の起草者の1人でもある張士忠弁護士も広州恒大を批判。「違約条項がある」との言い分については、「契約の目的は違約金(の取得)ではない」、「違約条項の目的は違約の防止と罰則を設けることで、違約行為を許すものではない」などと指摘した。

 中国メディアの論調は25日現在も、「東風日産に同情的、広州恒大に批判的」だ。日系企業ということで「特殊扱い」する論調は見当たらない。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:CNSPHOTO広州恒大の10月31日の試合。同時点では「東風日産」の社名入りのユニフォームを着用)