都心のマンションは価格が上がり続けているというだけで、良い投資先だと考えてしまう人は少なくない。人気があるから値上がりする、値上がりしているから今のうちに買っておくべきだという発想は、一見自然に思えるが、実際に利益を生むかどうかとは別の話だ。不動産投資アドバイザーの木村洸士氏は自身の動画で、この思い込みこそが多くの投資家を苦しめる落とし穴だと指摘する。
 
木村氏によれば、建物の資産価値は本来、年数の経過とともに下がっていく設計だという。にもかかわらず都心の物件が値上がりを続けてきたのは、需要と期待が積み重なった結果に過ぎず、いつ相場が反転してもおかしくない状態だという。高値で購入したまま下落局面に巻き込まれれば、資産価値だけでなく収益面でも赤字を抱えかねない。
 
一方で木村氏が注目するのが、地方や郊外に多く残る古い戸建てだ。建物の価値がほぼゼロとみなされ、土地の評価額に近い価格で取引されるため、そこから大きく値下がりする余地は小さいという。さらに近隣に小学校や駐車場があるかどうかといった、暮らす家族の視点に立った条件を満たせば、賃貸としての需要も安定して見込めると木村氏は語る。都心の値上がりが運任せの側面を持つのに対し、こうした戸建ては安く仕入れて手を加え、収益を積み上げていく事業として設計できる点を木村氏は強調した。
 
木村氏は具体的な収支例も示している。高額な都心物件は家賃収入があっても税金や修繕費で支出がかさみ、年間の収支が赤字に陥るケースがあるという。対照的に、価格を抑えた戸建てを複数所有する方法では一件あたりの利益は小さくとも積み重ねて収益効率が上回る場合があり、資産規模の大きさと稼ぐ力は必ずしも一致しないと木村氏は説明する。
 
動画の終盤では、実際に木村氏が手がけた事例にも話が及んだ。京都で380万円で購入した戸建ては、路線価による評価額が500万円を超え、利回りは19%ほどにのぼるという。しかもほぼフルローンで購入できたといい、木村氏は日頃の信用がないと京都でそんなことはできないと、地元金融機関との関係づくりの重要性にも触れている。都心か郊外かの二択で足踏みしていた人には、投資の物差しそのものが変わってくるはずだ。

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