スマホのケーブルや充電器は消耗品!スマホの充電での発火事故を未然に防ぐ対策と正しい知識

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日常普通におこなっているスマートフォンの充電。もしソレに発火の恐れがあるとしたら?今まで「正しい」「当たり前」と思っていた充電の方法と意識を見直したほうがよいのかもしれない。

最近、スマートフォンの充電時におけるトラブルが問題となることが多くなっている。NITE(製品評価技術基盤機構)は7月24日、スマートフォンやタブレットなどの充電用コネクターによる発火事故が、平成21年度から平成25年度までの5年間で合計48件発生したと発表した。NITEでは、「ほこりや水分の多い場所で保管しない」、「無理に力を入れて挿入しない」といった注意を呼びかけている。被害の内容は、軽傷10件、拡大被害25件、製品破損13件。本体の破損だけでなく、火災などの重大事故に繋がるおそれもあると警告している。

一般にスマートフォンの充電には、専用ケーブルや汎用のmicroUSBケーブルを本体コネクターに接続して行うが、発火などのトラブルや事故を防ぐには、どのような使い方が必要なのだろうか。

●ケーブルの問題 抜き差しの方法に注意
トラブルの原因の一つがケーブル破損だ。充電用ケーブルの抜き差しの方法が原因となるケースも多い。
意外と多いのが、充電完了後にケーブルを引っぱって抜く行為だ。こうした方法は、ケーブルの断線やコネクター部分の破損を引き起こす危険な抜き方だ。ケーブルの抜き差しは、必ず接続部分を持って行うようにしよう。
破損したケーブルや端子で充電を行えば、本体の回路を痛めたり、発熱や発火したりという危険も高まる。特にケーブル内部や端子は、外見からは破損がわからないケースも多いので注意が必要だ。


ケーブルは接続部を持って抜き差ししよう


●端子部分は素手では触らない 腐食や汚れを避ける
トラブルのもう一つの原因がケーブルの先の端子や本体のコネクター部分だ。
発火事故は、その多くが水分や異物、ケーブル、本体の不具合による炉婦電や発熱が原因と考えられている。
特に端子部分は。直接データや電流が流れるため、汚れや腐食などがあると、トラブルに結びつきやすい。直接素手で端子部を触ると、手などの汗や皮脂、汚れなどが付着し、腐食に原因にもなる。特に端子部が外部に露出しているiPhone/iPad用Lightningケーブルなどは注意が必要だろう。特に子どものいる家庭では、小さな子どもの手が届くところにケーブルを置かないなどの配慮も大切だ。

●充電器は、正規品・対応品を使っているか
最近多いのが、「純正品以外の充電器」を利用した際の事故やトラブルだ。現在、充電用のケーブルや充電器は、メーカー純正品ではない安価な製品が多く市場で販売されている。
「純正製品」、「保証品」を使えば、トラブルや事故が絶対に起きないとは言えないが、発火などの事故やトラブルを少しでも未然に防ぐためには、スマートフォンの充電ケーブルや充電器はメーカーやキャリアの「純正製品」、「保証品」を使うようにしよう。

もし、純正品以外のケーブルや充電器を利用する場合、かならず目の届く場所、人がいる状態で利用するようにしよう。また就寝時や外出時などは、かならずケーブルを外しておく必要があるだろう。

●ケーブルや充電器は消耗品 古い製品は使わないようにしよう
スマートフォンのケーブルや充電器は消耗品と考えよう。一定期間利用していれば、痛みもするし、劣化もしてくる。いつまでも、新品同様に使い続けられるとは思わないことが大切だ。

ケーブルや充電器は、外観が折れていたり、切れていたり、破損していたりすれば、トラブルの危険があることは誰にでもわかる。しかし、大抵の断線や破損は、外観からはわからないケースが多い。また、個体差により、使い続けている間の劣化により不具合がでるケースもある。

ケーブルや充電器に触って、「発熱が大きい」、「ケーブルの表面が硬化した」、「抜き差しが緩い、または逆に硬くなっている」などの症状がみられたときは、使用を中止して新しい製品に交換をしたほうが良いだろう。

●ケーブルや端子を掃除しよう
充電時のトラブルを避ける方法としては、ケーブル端子と本体コネクターの掃除は意外に効果がある。端子部分の掃除は、スマートフォンの電源を落としてから、エアダスターやクリーニングクロス、クリーニングペーパーなどで汚れを取りのぞこう。
クリーニングで注意して欲しいのは、必ず本体の電源を切ってから行うことだ。クリーニング時は静電気が発生しやすいので、電源が入っていると故障の原因となる。特に市販の綿棒などを使う際は、電源を必ず切ってから使用しよう。

●定期交換は必要
毎日使うケーブルや充電器は消耗品と考え、使用していて違和感があれば、使用を中止して交換しよう。特に違和感がない場合でも、半年から1年に1回くらいは、使用時の「発熱」「表面の硬化」「充電速度」など、点検をしたほうが良いだろう。

たかが「充電」と思われるかもしれないが、万が一、条件が揃えば危険なトラブルが発生する可能性があることを認識しておいたほうが良い。


甲斐寿憲