治安戦略アナリストの小比類巻文隆氏が自身のYouTubeチャンネルで「これは人災か!?「イオンモール熊本」で爆死の2名、会社指示で現場に戻って被災。元警視庁刑事が解説」を公開した。動画では、熊本県で発生した大地震の直後に起きたイオンモール熊本での爆発事故を取り上げ、従業員に危険な館内へ戻るよう指示した会社側の責任と危機管理の欠如について厳しく非難している。

動画内で小比類巻氏はまず、2026年7月28日に発生した最大震度7の地震とその直後の状況を説明した。イオンモール熊本では発生直後、客や従業員を安全な屋外へ避難させた。しかし、専門店「株式会社ハビタ」の店長から、同店で働く大竹くるみさんら2名の女性従業員に対し、売上金を金庫に移すよう指示があったと指摘。2人は指示に従い館内へ戻ったが、その約5分後に2階後方で大規模な爆発が発生し、命を落とす結果となった。

大竹さんは3年前に父親を亡くし、弟や妹の面倒を見ながら母親を支えていたという。責任感が強く、周囲を笑顔にする人物であったと親族は語っている。そんな彼女らの命が、売上金回収という会社からの指示によって奪われた事実に、小比類巻氏は強い憤りを見せた。

小比類巻氏は、会社側が「もし入れるのであれば」という条件付きで指示を出した点に言及し、「会社の責任を軽くすることはなく、むしろ責任逃れのアリバイ作りに過ぎない」と一刀両断。「絶対に中に入るなと命じるのが会社としての責任だ」と、経営陣の危機管理意識の欠如を強く批判した。さらに、事故後の会社側の説明が「従業員が荷物を取りに戻りたいと申し出た」などと二転三転している矛盾を突き、会社が従業員側に責任を転嫁しようとしている姿勢を厳しく追及している。

最後に小比類巻氏は、今回の事案における業務上過失致死罪の成立可能性や、安全配慮義務違反に伴う民事上の損害賠償責任について言及。「最初の段階で守るべきはそこで働く人の命である」と結論づけ、企業が最優先すべき安全への意識改革を強く訴えかけて動画を締めくくった。

チャンネル情報

元警視庁刑事・国際捜査官。1993~2023年警視庁。爆弾処理班配属後、警視庁中国語通訳を経て国際捜査官に。以降、国内外の銃器・薬物犯罪の情報収集、秘匿捜査に従事する。ほか殺人、強盗、誘拐事件などあらゆる捜査に参加。退官後、30年に及ぶ警察人生の知見を世の中へ貢献すべく治安戦略アナリストとして活動中。