キオクシアの本社がある田町ステーションタワーS(東京都港区)

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大手半導体メーカーのキオクシアホールディングスが31日、第1四半期(4月~6月)の決算、および第2四半期決算(7月~9月)の見通しを発表した。第1四半期では純利益が前年同期に比べて46倍になったが、第2四半期の見通しでは純利益が前年同期比の31倍になると予想した。成長ペースの鈍化が、投資家らの間で懸念材料になっている。

数千万円単位の損切り報告が続々 キオクシア「一旦下げ止まりの兆候」を振り返る

国内において、AIへの投資の恩恵を最も受けたキオクシア。同社が製造・販売する「NAND型フラッシュメモリー」は、AI向けのサーバーで情報を保存するために、大切な役目を果たす。AIを取り扱う企業にとって、フラッシュメモリーは必要不可欠な製品。そのため、AI関連企業はキオクシアに複数年契約を提示し、製品の安定供給を求めている。

この動きを見た投資家らは、キオクシアの業績に期待し、相次いで株を購入した。6月22日、23日には1株11万円超まで高騰。トヨタ自動車を抜いて、国内で上場する企業の中で最も時価総額の高い企業になった。しかし、市場の過熱感や利益確定売りなどにより、連日下落。7月30日には1株3万6020円にまで落ち込んだ。

急激な株価の下落を受け、X(旧Twitter)では資産を失った報告が次々投稿された。自分の資金以上の株式を売買できる「信用取引」を行う人の中には、証券会社への借金(追証)を背負う人も続出した。

今年の5月から6月に、総資産を1億円から2億円に増やした人物は、30日に信用取引で持っていたキオクシアの株を売却。キオクシアだけで1600万円の損失を出した。この人物は、国内外の他の半導体株も保有していたため、一時総資産が1億円を下回ったと報告している。

夫婦でFIRE(早期リタイア)を目指すという人物は、キオクシアの株価下落による損失で一時200万円以上の借金を背負った。消費者金融などから資金をかき集めて即座に返済したようだが、今後は値動きが少なく、落ち着いて資産運用を行える投資信託にしか手を出さないとも宣言している。

一方、キオクシアへの資金援助や経営の助言などを続けてきた投資ファンドのベインキャピタルは、7月9日に全ての株を売却。キオクシアに8年続けた投資は、2.5兆円の利益をもたらした。短期的な利益を求めた人が痛い目に遭い、時代を見据えて長期的に会社を評価してきた人に恩恵を与える形になった。

今回の四半期決算で、3カ月で1兆円以上の利益を出したと発表したキオクシア。だが、1カ月で約7万円下落したキオクシアの株を保有する投資家は、不安な週末を過ごすことになりそうだ。