スポニチ

写真拡大

 ラグビー元日本代表CTBのラファエレ・ティモシー(34=神戸)が30日、東京都千代田区の日本外国特派員協会で会見を開き、リーグワンが26〜27年シーズンから導入する新たな選手登録区分制度の見直しを訴えた。東京地裁に差し止めの仮処分を求めている24選手の一部が、新制度の影響で引退に追い込まれたと主張。一方のリーグワンは和解に向けて制度の見直しを協議していると発表した。

 新制度が適用されるシーズン開幕まで5カ月弱。4月20日に独占禁止法違反だとして、公正取引委員会への申告と東京地裁への差し止めの仮処分を申し立てたものの何ら動かぬ状況に、ついに選手側が動いた。19年W杯は主力として史上初の8強入りに貢献したラファエレが、沈痛な面持ちで会見場に現れた。

 「日本のラグビーコミュニティーに献身的に尽くしてきた身としては悲しい。リーグの措置を聞いた時は屈辱を味わった思いだった」

 新制度はリーグワン側が日本国内の競技人口増加やラグビーの普及・発展を目的とし、昨年5月に26〜27年シーズンからの適用を発表。ところが不利益を受ける外国出生選手が十分な説明がなかったとして、4月に申し立てを行ったことが判明し、問題が顕在化した。リーグ側は「国籍に関連して選手を差別する意図はない」と主張したものの、ファンからは大きな批判を浴びている。

 新シーズンの開幕は5カ月先だが、すでに影響も出ている。カテゴリーA2に区分される選手の出場機会が減るとの試算がある中、ラファエレ自身も「契約条件の詳細は差し控えるが、影響がある」と告白。さらに一部の選手について「引退を余儀なくされた」と明かした。現状で同じく19年W杯戦士で神戸を退団したPR中島イシレリ(37)は移籍先が決まっておらず、去就に注目が集まっている。

 リーグ側は会見終了後に声明を発表し、制度の見直し案について協議を進めているとした。だが各チームはすでに新体制を固めて始動しており、タイムリミットは刻一刻と迫っている。

 ≪リーグ側声明「和解協議進めています」≫ラファエレの会見終了から約2時間後、リーグワンは「選手登録における登録区分に関する現状について」と題した声明を発表し、「選手側と和解協議を進めています」と現状を説明した。今回の制度変更ではカテゴリーAの権利を獲得している選手にも新制度を遡及(そきゅう)することで大きな反発を呼んでおり、「カテゴリーA2に該当する想定だった一部選手をカテゴリーA1とする見直し案について協議を進めております」とした。

 ≪カテゴリーAを細分化≫▽26〜27年シーズンからの選手登録区分 これまで「日本代表資格あり」としていたカテゴリーAを、A1とA2に細分化。A1に日本での義務教育年数や出生条件を求める一方、A2を「他協会の代表歴がなく、日本協会への継続登録が48カ月以上である者」とした。例外としてA2で代表キャップ30以上の選手はA1に分類するが、リーチやディアンズ(ともにBL東京)ら一部選手に限られ、高校や大学から日本に留学した多くの外国出生選手はA2に区分される。新シーズンではA2選手は1試合平均で2人が出場機会を失うとの試算があり、通算28キャップのラファエレも影響を受ける。