プーチン氏と金正恩氏(朝鮮中央通信)

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韓国の独立系メディア「サンドタイムズ(ST)」は昨年12月、北朝鮮がロシアに派兵した見返りとして期待していた経済的支援が、ほとんど得られていない可能性を指摘していた。そして昨日(29日)、こうした報道の信頼性を補強する興味深い報告書が発表された。

STの当時の報道によると、衛星画像を含む専門家の分析では、ロシアから北朝鮮への食糧支援や目立った経済的リターンは確認されず、大量の小麦粉などが提供されれば動きが活発化するはずの鉄道輸送や港湾活動に大きな変化は見られなかったという。

また当時、平壌や新義州など主要都市でコメの市場価格がわずか2週間で5割以上も上昇する異常事態が起きたとして、「単なる物価上昇ではなく、市場機能の麻痺を示す危険信号」とする専門家の分析も伝えた。

さらに、住民の間では「ロシアが助けてくれる」「派兵すれば生活が楽になる」といった期待が支えになっていた。しかし、現実には物資は届かず、生活苦は一段と深刻化しているとの実態も伝えていた。

そして今月29日、韓国開発研究院(KDI)が公表した「北朝鮮経済レビュー」7月号に、興味深い分析結果が示された。同報告書によれば、ロシアとの軍事協力が本格化した2023年以降、北朝鮮の銃砲弾などの軍需生産は明らかに活発化する一方、住民生活に直結する食品や軽工業などでは、生産活動はむしろ低下傾向を示しているという。

(参考記事:【写真】敵よりロシア軍を「火の海」にする北朝鮮のトンデモ兵器

またKDIは、ロシアからの対価としてエネルギーや食料などの供給を受けた可能性は否定しない一方、その恩恵が住民に及んだことを示す市場データは乏しいと指摘した。コメなど主要食料価格や市場為替の動向を見る限り、軍需部門の活況が民生部門全体の改善につながったとは評価できないという。

もっとも、北朝鮮は公式統計をほとんど発表していないため、上記の分析は、衛星画像などを用いた報告書執筆者たちの独自の推計に基づく。しかし、北朝鮮内部の情報を伝える報道とこうした報告書の内容に一致が見られる点は、大いに示唆的と言えるだろう。