【A4studio】インスタは中高年が増えてオワコン化か、若者がBeRealやSetlogなど「閉じられたSNS」へ向かう理由

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“若者のSNS”として浸透してきた「Instagram(インスタグラム)」だが、いまZ世代などデジタルネイティブ世代の間では“インスタ疲れ”が進行しているようだ。

そんななか、いまZ世代の若者を中心に人気となりつつあるSNSが「BeReal(ビーリアル)」や「Setlog(セットログ)」といったものだ。こうしたBeRealやSetlogといった新興SNSは、Instagramなどのオープンに繋がるSNSと違って、より親しい友人同士のみで繋がる傾向があるという。

若者たちはSNSにどう向き合い、なぜ“身内SNS”を選ぶのか。SNSなどコミュニケーションテクノロジーの動向を研究する天野彬氏に話を聞いた。(以下、「」内は天野氏のコメント)

記事前編は【Z世代に「インスタ疲れ」で異変が…「あまり投稿しないのがカッコいい」生まれはじめた「新たな価値観」】から。

BeRealやSetlogがZ世代にウケるワケ

若者たちがInstagramに対して消極的になりつつある一方で、新たに人気を集めているBeRealやSetlogといった新興SNS。これらは親しい友人同士で日常を共有し合うクローズドなSNSとして知られているが、若者たちから人気となっている理由について天野氏に聞いた。

「InstagramをはじめSNSというのは基本的に、積極的にいろんな人と繋がり、多くの情報をシェアし合い、それを広めていくというオープンなメディアとして設計され、発達してきました。しかし、投稿することへのハードルの高さや、他者の目を気にして疲れてしまうなど、現在その設計の一部が崩れつつあるのです。さらに先述したように、晒し行為などのリスクもあり、プライバシー面での懸念もあります。

BeRealなどのクローズドなSNSが人気を集めている理由としては、Instagramなどのオープンな空間のSNSを利用することのデメリット性が目立ってきているということが、まず挙げられるでしょう。クローズドなSNSにはそういったデメリットがなく、気軽に使うことができるというのが魅力の一つと言えるのではないでしょうか」

中高年が使いはじめると若者は離れる

そしてSNSの特性として、こんな事情もあるという。

「Facebookは当初、大学生同士の交流のために作られたSNSでしたが、今では中高年層の利用するSNSという印象が強く、現在の若者たちにはあまり普及していません。このようにSNSというのは、最初は若者たちを中心に火が付き、その後幅広い世代に普及し始めると若者が離れていき、新たなSNSに若者が流れ始めるということが繰り返されています。

Instagramに関しても、“若者のアプリなんだから中高年層は入ってこないで”といった内容のネット投稿が一時期論争を巻き起こしたことがありました。若者たちの間には無意識的に、同世代同士だけの空間を求めて新たなメディアへ流れる傾向があるのです」

「強制的に投稿」でハードルが下がる

また天野氏は、BeRealが若者たちを惹きつける魅力についてこう説明する。

「BeRealは通知が来てから2分以内に写真を撮影して投稿するというシステムですが、この“ゲーム性”が若者たちの心理をくすぐる仕組みのひとつと言えるでしょう。さらに自分が投稿しなければ、他人の投稿を見ることができないというシステムも、投稿への心理的負担を軽減する要素になっています。投稿する際の「言い訳」になっているというわけですね。

Instagramでは投稿するにあたっての理由付けやハードルの高さがありますが、BeRealの場合は強制的に投稿させるシステムなので、ユーザーがより気軽に使えるような仕組みになっているのです」

Instagramはオワコンになる?

ユーザー数は世界で14億人以上と、主要SNSとしての地位を確立しているInstagram。しかし現在人気を集めているBeRealなどのクローズドなSNSが台頭し、その地位が逆転することもあり得るのだろうか。天野氏はこう予想する。

「Instagramは現在では単なるSNSの一つではなく、人と人が繋がるためのユニバーサルな社会的プラットフォームとして成り立っています。Instagramほど世界的な利用者が多いSNSの場合、その規模を超えるSNSが今後登場する可能性は低いと言えるでしょう。なぜならSNSには、使う人が増えれば増えるほど、そのサービス自体の価値が向上し、より新規ユーザーを引きつけやすくする、ネットワーク効果という仕組みがあるからです。

Instagramにはすでに大規模な人同士の繋がり、すなわちネットワークが構築されており、このネットワークを丸々新たなSNSに移植するということはできないのです。そのためInstagramは、現在の成熟したSNS市場において盤石な地位を確立しているので、今後もユーザー数が大幅に減少するといったことはないでしょう」

Instagramは主要SNSとして存在し続けるとのことだが、“インスタ疲れ”といった問題も出ていることから、「今後はその不満を突いた新たなSNSが続々と登場する可能性があるのではないか」と天野氏は言う。

――近年“デジタルデトックス”といったワードを聞く機会も増え、SNSとの向き合い方を改める傾向が強くなっている。若者たちも“インスタ疲れ”に悩みながら、純粋に楽しむことができる“心地よいSNS”との出会いを密かに求めているのかもしれない。

(取材・文=瑠璃光丸凪/A4studio)

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