迎撃能力低下のウクライナ、弾道ミサイル攻撃に打つ手なし…「パトリオット」ライセンス生産は外交成果に
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は8日、米国のトランプ大統領から米国製の地対空ミサイルシステム「パトリオット」のライセンス生産が認められ、大きな外交成果を得た。
ただ、ロシアの弾道ミサイルの脅威に直面する現状に変わりはなく、生産実現までの期間を乗り切ることが課題となる。
ウクライナは前線で一部領土を奪還するなど、戦況を好転させつつある。ただ、迎撃ミサイルが不足し、露軍の弾道ミサイル攻撃に打つ手がないことが「ロシアの唯一の強み」(ゼレンスキー氏)になっている。ニュースサイト「ウクライナ・プラウダ」によると、露軍がウクライナの首都キーウを中心に6日未明に行った大規模攻撃では、弾道ミサイルと極超音速ミサイルの計29発のうち1発も迎撃できなかった。
迎撃能力の低下は顕著で、ウクライナの軍事専門サイト「ディフェンス・エクスプレス」によると、最近の露軍の大規模攻撃における弾道ミサイルの迎撃率は、6月15日が44%だったのに対し、7月2日は17%にとどまった。一般市民の犠牲にも直結しており、7月に入ってからの攻撃での死者は50人を超えている。
ウクライナ国防省は、迎撃ミサイルの備蓄を有する約40か国に対して緊急の支援を要請している。ゼレンスキー氏は7日、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議の関連行事となる「防衛産業フォーラム」でも、「迎撃ミサイルの獲得が最優先事項となる」と演説し、支援強化を訴えた。

