ゴミ拾いと清掃行動は「日本の文化かなと思う」 森保監督の“熱弁”に海外メディアが寄せた称賛と疑問「家でも掃除するべきという意見も…」【W杯】

写真拡大 (全2枚)

森保監督が改めて、その貴重さを訴えた日本サポーターによるゴミ拾い活動(C)Getty Images

 目下、開催中の北中米ワールドカップ(W杯)でも、日本代表のサポーターたちのゴミ拾い活動は、各国でフォーカスされた。

 ある種の“文化”として世界で認知されつつある光景ではある。だが、その行動を称賛する多くの海外メディアの中では「なぜ日本人は自分たちに関係のないゴミまで拾うのか」という疑問も付きまとう。

【動画】中村敬斗の右足! 小川航基のヘディング!! オランダ相手に見舞った大会初戦のファインゴールの映像を見る

 ゆえに現地時間6月19日に開かれた記者会見において、日本を率いる森保一監督のコメントが小さくない話題を生んだ。

 日本時間21日にキックオフを迎えるチュニジア戦に向けた定例会見の場で、ブラジル人記者からサポーターがスタジアムでゴミ拾いを行うことや、チームがロッカールームを清掃して帰ることについて問われた指揮官は、「そこは本当に日本が世界に誇れる文化かなと思っている」と強調。そして、こう続けた。

「多くの国民の皆さんが『帰る時は来た時よりも美しく』という言葉を知っていると思うし、そういった意味で我々チームも最後にロッカーの掃除をして帰っている。サポーターの皆さんはスタジアムでゴミを拾って帰るところ、そこは日本の文化かなと思う」

「私自身は選手として、指導者として、ブラジル人の指導者や選手、世界のいろいろな国の人たちと接してきたが、『違うだろう』と言われたこともある。それは何かというと、ゴミ拾いをすると、ゴミを綺麗にすると、ゴミを拾う人たちの仕事をなくすことになるんじゃないのかということを聞かれたり、言われたりしたことがある。考え方の一つとして本当にそうだなとは思うが、日本人は基本的には美化の意識があり、ゴミをそこらへんに捨てたりとかということはやらない民族かなと思っている」

 民族という言葉を用いて、「みんなで協力しあっていくということを、日本人はやっていく」と世界に説いた森保監督。日本を代表している指揮官の言葉は、世界でも大きくクローズアップされた。

 森保監督の会見でのコメントを伝えたメキシコの日刊紙『El Universal』は、「たとえ自分たちの落としたものでなくてもゴミを拾うという行為は、世界中の多くのファンにとって驚きと称賛に値する行動だった。しかし、他でもない日本人にとってはごく自然な慣習だった」と指摘した。

 一方で“ゴミ拾い活動”には、あらためて疑問も呈されている。

 ドイツのテレビ局『RTL』は、「この日本へのイメージは今やワールドカップと切っても切り離せないものとなっている」と紹介。さらに「訪れたスタジアムをいつもきれいに片付けるサポーターたちの習慣は、国際的な称賛を集めてきた」とした上で、「だが、称賛を集める一方で、国際的な男女平等ランキングで116位の日本では、SNS上で男性ファンたちが『家でも掃除をするべき』という意見も上がっている。ゆえに国内では彼らの“偽善”が議論の的となりえる」と伝えた。

 良くも悪くも注目を集めている清掃活動。賛否両論も生まれているが、世界的な評価を考えれば、行動の価値はありそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]