脳科学者の茂木健一郎氏が自身のYouTubeチャンネルで「生きがいで成功の確率は上がるが、一方成功すること自体が「オプション」となる。」を公開した。欧米でビジネスの成功法則として広まりつつある「生きがい(Ikigai)」の概念について、本来の意味と成功との真の関係性を語っている。

動画の冒頭で茂木氏は、海外において「生きがい」が成功哲学やセルフヘルプの文脈で語られている現状に触れ、「ビジネスの成功やキャリア教育とは直接関係がない」と指摘。仕事をしていない子どもや引退した高齢者にも生きがいは存在し、いかにうまく生きて成功するかという文脈だけで語るべきではないと、より広く本質的な概念であると説明した。

その上で、生きがいを持って仕事をすることで「成功する確率は上がる」と主張。脳のドーパミン系による「小さな喜び」の学習や、物事の「持続可能性」を要因に挙げた。さらに、最初から成績や業績を上げることを目的にしてしまう危険性について「グッドハートの法則」を引き合いに出し、目的と手段が入れ替わることへの懸念を示した。

具体例として、スタジオジブリの宮崎駿監督の作品や『スーパーマリオブラザーズ』の音楽、『ポケットモンスター』の誕生秘話に言及。「ビジネスとして大成功しているが、成功することを目的にしているわけではない」と語り、今ここにいることや自己解放など、小さな喜びの積み重ねが世界的な評価につながっていると解説した。

最後に茂木氏は、画家や職人のように究極のものを追求する生き方自体が「最高の喜び」であると語り、評価や売上を自分ではコントロールできないと指摘。ビジネスにおいても「今ここの生きがいにフォーカスすることが一番有効だ」と結論づけ、結果としての成功に囚われない生き方の重要性を説いている。

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