キャプテンの離脱という衝撃を、チームの力に変える。日本代表は明日、北中米ワールドカップのグループリーグ初戦・オランダ戦に臨む。DF長友佑都(FC東京)は前日に行われた選手ミーティングの様子を明かし、「リバウンドメンタリティー」の精神でチームがより強固に結束したことを強調した。

 日本代表は前日、新キャプテンDF板倉滉を中心とした選手のみのミーティングを実施した。きっかけのひとつとなったのが、主将を務めていたMF遠藤航(リバプール)の負傷離脱。板倉は「初戦に向けてひとつの不安も取り除いていきたい」という意図のもと、選手たちの本音を引き出した。

 前キャプテンの離脱はチーム全体がショックを受けた。その事実を認める長友だが、大きな逆境となった出来事を乗り越えることでさらに大きな力が生まれることを訴えた。

「こういうショッキングな出来事でも、みんなで乗り越えると今まで以上のパワーが絶対に出る。リバウンドメンタリティーは本当に大事。いい時よりも悪い時にどう這い上がっていくか。昨日の選手ミーティングでも伝えたけど、絶対に乗り越えられる。それくらい強い意志がいまチームに芽生えている」

 5度目のW杯という唯一無二の経験値をチームに注いだ。「感じたことのないプレッシャーがW杯にはある。その重圧をネガティブに捉えるのか、ポジティブに捉えるのかというところで、やっぱり積極的にみんなにはプレーしてほしいし、自分自身もプレーしたいから。本当に強い気持ちで行くぞということは伝えた」。キャプテンの遠藤がW杯目前に離脱したように、どの選手も次のW杯があるかわからない。その危機感と常に向き合ってきた長友は、W杯への思いを口にする。

「みんなこれが最後(のW杯)になるかもしれないよということ。若いから次があるとか、そんなに甘くない。サッカー選手の4年はどうなるかわからない。だから、これを本当に最後だと思って戦わなきゃいけない。人生の中でこれだけ熱狂できて、これだけ熱くなるものはなかなかない。だからやっぱり噛みしめて、誇りを持って正面突破で突っ込んでいくだけ」

 長友は仲間たちの顔つきを思い出し、「ひとつになった」と目を細める。「航の件もあった。みんなショックを受けていた。ただ、それでも前を向こうとするエネルギーで一丸となれた」。未曾有の危機を乗り越えて、一致団結した選手たちとともに初戦に向かう。

(取材・文 石川祐介)