美しい海と生態を守る、北港村のグリーン発展記 中国海南省

【新華社海口6月5日】中国海南省海口市美蘭区演豊鎮の北港村は四方を海に囲まれており、村民は代々海産物の養殖と漁をなりわいとしてきた。
2021年に同市と文昌市を結ぶ海文大橋の北港島インターチェンジが開通すると、大勢の市民や観光客が訪れるようになり、潮干狩りがたちまち村の「名物」となった。にぎわいは発展のチャンスをもたらしたが、無秩序な踏み荒らしや過度の掘り返しといった問題も生じ、地元の生態環境には一時的に大きな負荷がかかった。
村民の陳奕虎(ちん・えきこ)さんは「みんなすぐに、生態資源を守ってこそ『緑水青山』(美しく豊かな自然)を『金飯碗』(安定的な高収入が得られる仕事)に変えられるという共通認識に至った」と振り返った。

村では多くの関係者が参加する漁村生態保護活動が始まり、地元の生態環境関連部門による支援の下、公益団体や海南大学、アモイ大学などと協力し、干潟の生物や鳥類、マングローブなどの体系的な調査・観測を行った。
24年には村で「生態ボランティア巡視隊」が結成され、定期的な見回りを開始。観光客にマナーを守った潮干狩りを呼びかけるとともに、渡り鳥の生息地の修復にも取り組んでいる。

干潟は現在、生態保護ゾーンと体験ゾーンに区分けされ、観光客は村のガイドの案内に従って秩序よく潮干狩りを楽しんでいる。過度に荒らされて縮小した藻場(もば)については、研究者や公益団体、村民が共同で苗を採取して移植し、囲って保護した。数カ月後には、まばらだった海草の塊が一面の「緑のじゅうたん」になり、水質が改善して魚やカニが戻ってきた。
モニタリングデータによると、北港村では昨年12月時点で陸生植物216種、マングローブ植物18種、海草4種、底生貝類90種、鳥類110種などが確認された。24年と比べ、海草と鳥類の種数はいずれも3割超増加した。

生態保護の恩恵は住民の暮らしにも還元されている。村の若者が24年に観光会社を立ち上げ、生態探究学習や漁業文化体験などのプログラムを開発した。村民の林明(りん・めい)さんも夫の陳奕潮(ちん・えきちょう)さんと共に村に戻って起業した。林さんがドリンクスタンドを営み、陳さんは生態ガイドとなって、つかまえた小魚や小エビを海に返すよう観光客に案内するなど、生態環境の保護を呼びかけている。
今の北港村では民泊や飲食などの業態が次々と立ち上がり、休日には観光客でにぎわう。身近な生態資源を守りながら、小さな漁村のグリーン(環境配慮型)な発展の物語は続いていく。(記者/陳子薇)
