12日午前の佐藤啓官房副長官の記者会見で、中東情勢の影響でカルビーがポテトチップスなどのパッケージを白黒に変更するとしたことについての質問が出た。

【映像】「ポテトチップス」カラーから白黒包装に(実際の様子)

 記者が「中東情勢の影響でナフサから作られるインク調達が不安定になったとして、カルビーがポテトチップスなどの商品のパッケージを白黒に変更するとした。インク不足による影響がほかの食品メーカーに拡大することも懸念されるが、日本のナショナルブランドの製品にこういった影響が出たことについて政府の受け止めは。また、高市総理はきのう国会で『国民に節約をお願いする段階にない』と答弁したが、この対応に変わりないのか」と質問した。

 これに対し佐藤副長官は「商品パッケージ等に用いられる印刷用インクについてその川上の材料であるナフサについては中東地域からの輸入が約4割を占める一方、中東以外の地域からの輸入が約2割、国内生産が約4割を占めています。足元では備蓄原油を用いた国内でのナフサ精製を継続していることに加えまして、中東以外からのナフサの輸入が中東情勢緊迫化の前の水準に比べると5月には3倍となっております。これら中東以外からの輸入ナフサはその一部がすでに日本に届いているとの報告も受けています」とナフサの供給に問題はないとの認識を示した。

 続けて「インクの材料としての合成樹脂や溶剤等の生産については、輸出量の削減や川中在庫の活用を通じて国内出荷量としては平時と同様に国内需要量に応じた必要量を供給することができていると承知しています」とし、「したがって印刷用インクあるいはナフサについて現時点では直ちに供給上の問題が生じるとの報告は受けておらず、日本全体として必要な量は確保されていると認識しています」と述べた。

 そのうえで「ご指摘の報道についても承知しているところでありますが、関係省庁が連携し実態を把握すべく関係企業との意思疎通に努めているものと聞いています。そうした中で本日ヒアリングを予定しているとの報告を受けています」と、カルビーから聞き取りを行うことを明らかにした。

 さらに「政府としては中東情勢に伴う重要物資の安定的な供給確保のためのタスクフォースにおいて関係省庁が連携し、分野横断で重要物資の供給状況を総点検するとともに、関係省庁に設置された情報提供窓口を通じてサプライチェーンの情報を集約し、供給の偏りや目詰まりをひとつひとつ確実に解消していくなどの取り組みを進めており、供給改善の好事例が生じつつある状況であると認識しています」と述べた。

 また、国民に節約をお願いする段階にない、としていることについては「現状においては我が国における石油需給において直ちに影響が生じるとの報告は受けておらず、日本全体として必要な量は確保されている中で、イラン情勢の長期化も見据えて現在行われている備蓄石油の放出や原油の代替調達等の取り組みを確実に進めることが必要だと認識しています。その上で今後の対応については現状の把握と対処方針の検討を経て個々のサプライチェーンごとに生じている事態に合わせどのように対処していくかを決定すべきものであり、中長期の見通しについて予断をもってコメントすることは差し控えますが、いずれにせよまずは現在の各種取り組みの効果を注視する段階であると認識しています」と述べた。

 続けて「なおエネルギー節約については、資源に乏しいわが国においては毎年夏と冬のエネルギー需要が増大する時期に行っているように、中東情勢にかかわらずその取り組みを中期的に継続することが重要と認識しています。同時に現時点では国民の皆様に対しさらに踏み込んだ節約をお願いする段階にはないと考えています。政府としては今後とも状況を注視しつつ引き続きあらゆる可能性を排除せずにわが国の原油・石油関連製品の安定供給の確保に万全を期して対応してまいります」と答えた。(ABEMA NEWS)