「体によい油」の、予想以上に高いカロリー。予防医学に精通した医師が提案する「正しい油の摂り方」
エゴマ油、グレープシードオイル、オリーブ油……。
これらの油は、コレステロールの合成を高めない不飽和脂肪酸が多く含まれるために、「体によい油」とされることがあります。
「しかしながら、不飽和脂肪酸が多い油も要注意です」
このように書かれているのは、3月に刊行され、発売即重版となるなど大きな話題をよんでいる『最新 欧米人とはこんなに違った日本人の「体質」』です。
見落とされがちだった「体の人種差」の視点から、日本人にとって本当に有効な健康法と、病気の予防法を徹底解説する本書。そんな本書から、とくに注目の話題をご紹介していく連載企画第3回のテーマは「体によい油」。前編では「体によい」とされている油と、そうでない油について成分を明記して解説しました。ただ、「体によい油」も注意点があるそうです。「要注意」の理由とは。
*本記事は、『最新 欧米人とはこんなに違った 日本人の「体質」』(ブルーバックス)を再構成・再編集したものです。
不飽和脂肪酸でも、脂質は脂質
不飽和脂肪酸が多い油が要注意なのは、なぜかわかりますか?
それは、油が脂肪そのものだからです。「体によい油」も例外ではなく、油はすべて大さじ1杯で約120kcalあります。大さじはカレースプーンくらいの大きさと考えてください。脂質を1g燃やすには9kcal消費する必要があり、これは4kcalの消費ですむ糖質を燃やすより2倍以上大変です。
そして、脂質を摂取すると、日本人は欧米人と異なり、やっかいな内臓脂肪が増えます。また、脂質を消化するときに分泌される胆汁は大腸がんの発生にかかわると考えられています。体によいとされる油も例外ではありません。
健康効果が誇張されている面もあります。オリーブ油を摂取しなくてもオレイン酸は肝臓で合成できます。そして、エゴマ油と亜麻仁油に豊富なα-リノレン酸にしても、その効果はα-リノレン酸が体内でEPAとDHAに変化することで初めて発揮されます。
ところが、α-リノレン酸からEPAやDHAへの変換率はせいぜい10〜20%。ちょっと効率が悪すぎますね。これならEPAとDHAを魚から直接摂取するほうが確実でしょう。
意外に高い「ナッツ」のカロリー
n-3系脂肪酸と食物繊維が多いとして人気のナッツも同様です。
ナッツのn-3系脂肪酸はα-リノレン酸が中心ですし、これまた食べすぎれば太ります。ナッツは脂質が多く、カロリーが高いからです。雑誌やインターネットの記事でよく見かける、「手のひらに軽く1杯のナッツ」は約25gですから、これだけの量で、マカダミアナッツやクルミなら大きめのおにぎり1個くらいのカロリーがあります。
「体によい」油も摂取すればするほど健康になるわけではありません。これまで使っていた油を「体によい油」に置き換えて、必要な量だけ使うくらいに考えるのがよいでしょう。
【前編はこちら】「オリーブオイルなら、体によいから大丈夫」という幻想。じつは「健康効果が誇張されている」、スーパーでもよく見る「体によい油」の面々
