YouTubeチャンネルで「一体どうなる米中首脳会談。短期決戦のトランプと長期戦略の習近平で米中貿易戦争再熱か」と題した動画を公開したのは、実業家・マイキー佐野氏である。2025年10月のトランプ氏のアジア訪問を起点に、中国の習近平 国家主席との会談が何をもたらすかを、佐野氏が挑発的な視点で読み解いている。

佐野氏は、レアアースを巡る本質は「採掘」ではなく「精錬と活用技術」にあると断言する。世界の供給網で中国が圧倒的優位を保つのは、まさにこの精錬・分離の工程であるという指摘だ。米国や同盟国が調達先の多角化を急いでも、精錬技術の非対称が残る限り、中国のカードは鈍らないという見立てである。

交渉アジェンダは明快だ。中国側は対中関税の引き上げ停止延長で時間を稼ぎたい。一方の米国側は、米産大豆の購入再開、フェンタニル取り締まりの強化、そしてレアアース輸出規制の緩和を迫る構図である。さらに中国は、台湾独立に反対する明確な姿勢を米国に求める可能性を示唆する。ここは米国の海洋戦略と同盟網に直結するため、容易に飲める要求ではないと佐野氏は見る。

スタイルの差も鮮明だ。トランプ氏は短期決戦型で、目先の戦果を積み上げていく。対して習近平氏は「何もしない戦略」を織り交ぜた長期戦で、内政の立て直しと対外の圧力点を静かに積む。レアアースとレアメタルをテコにした経済安全保障の武器化は、その典型である。過度な締め付けは代替供給網の育成を促すことができるという副作用も、動画では冷徹に押さえている。

交渉材料は資源だけではない。戦略的にアプローチが変更される可能性がある。例えば、TikTokをめぐる駆け引きは、トランプ氏の政治的関心とも結びつく。中国側が「精神的な麻薬」と表現するこのプラットフォームは、安価だが効果的なカードとして機能する。さらに、NVIDIAのジェンスン・ファンやAppleのティム・クックといった民間の大物が、両大国の間で事実上の連絡線として機能する現実にも触れている。国家と企業が絡み合うのが、現在の米中の戦場である。

歴史の射程も外さない。英独の海軍競争から米ソ・デタントの限界まで、佐野氏は大国間の「一時的緩和」と「再燃」のパターンを引き、米中も例外ではないと喝破する。中国は国内経済の不調を抱えつつも、対米抑止を優先する「開き直り戦略」を採用しているが、米国経済の足腰を読み違えれば逆噴射する可能性があるという警鐘も鋭い。会談の場で、どのカードをどこまで切るのか。その実像は、動画内で具体的な論点整理とともに語られている。

本編は、米中関係の行方を投資・政策の両面から見極めたい読者にとっても多くの示唆を与える。

チャンネル情報

マイキー佐野です経済・金融・投資・経営・最新の研究やニュースなど様々なテーマについて、ズバズバ切り込んで話していきます〜2021年より最新の学術理論、経営学、経済学、社会学を紹介するYouTube「マイキーの非道徳な社会学」を開始現在はアカデミズム関係者・経営者・投資家・学生が参加するビジネススクールも運営