カラスは“森の建築士”!? 果実を運ぶエコヒーローの生態とは【眠れなくなるほど面白い 図解 カラスの話】
お宅の木の実、おいしそうですね
ビワに柿ですか。いいですねー。
というのがカラスの感覚。カラスは果実食性でもあるので、果物が大好きです。人間が食べる果物以外にも、サクラ、エノキ、ムクノキ、クスノキなどの果実をよく食べています。まして品種改良された甘い果物は大好物です。
面白いことに、全く甘くない果実も食べます。ツタ、ウルシ、ナンキンハゼなど乾果と呼ばれるタイプの果実は、甘く柔らかい果肉がありません。代わりに、種子の殻の表面にワックス状の油脂層があります。カラスは果実を丸呑みすることで、油脂を栄養として取り込んでいます。これはカラスに限ったことではなく、ハトなどもよく食べています。
さて、植物が甘い実をつけるのは、鳥に食べてもらい、代わりに種子を運んで落としてもらうためです。種子を遠くまで飛ばす方法としては風、水などもありますが、よくあるのは鳥に運ばせる鳥散布です。鳥散布種子には、一度鳥に食べられて消化管を通らないと発芽しないものもあります。
カラスは体が大きいので大型の果実や種子も食べられますし、くわえて運んで行った先で食べて種子を落としてくれるだけで散布になります。また、ときには1日に数十キロも移動することもあるので、遠距離まで散布してくれるという意味でも重要です。カラスは森を作っているとも言えますね。
カラスが森を作っている
カラスが木の実を食べる。未消化の種子を糞と一緒に出す。結果、種子を遠くまで運ぶことに。
カラスは果実が熟すまで待つ
果実が甘いのは、鳥などに対して「食べてもいいよ、その代わり種を運んでね」という意味です。歯がなく、種を丸呑みしてくれる鳥類は種子の運び手としてうってつけです。
カラスQ&A
カラスから実を守るには?
カラス除けは完熟直前にセットして
カカシやカラス除けは早ければ数日で効果が薄れますが、果物が完熟する直前にセットし、慣れるまでに収穫してしまうという手はあります。1m以下の間隔で作物の上に糸を張っておくのも有効です。広げた翼より狭い所には入りたがりません。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 カラスの話』著:松原 始

