5年半ぶりに映画に出演する上戸彩(撮影:井上ユミコ)

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「久しぶりに映画に出演できてうれしかったです。阿部サダヲさんは大好きな役者さんだったので、今回初めてご一緒できて、やった! って感じでした」

そう話すのは、2月17日公開の映画『シャイロックの子供たち』で銀行員・北川愛理を演じた上戸彩(37)。映画の現場は実に5年半ぶりだが、池井戸潤原作の作品は『半沢直樹』で経験している。

「半沢の妻は、夫の背中をたたいたり、オーバーなアクションでインパクトを残すお芝居だったと思います。でも、今回の愛理は、個性や味を加えないことを意識し、ナチュラルに銀行員を演じられたらいいなあ、と。阿部さんのサポート役に徹しました」

プライベートでは2児の母。子育てと女優の仕事を両立させ続ける環境が整ってきたと実感している。

「私自身、育児の大変さも実感しましたし、周囲もそれをわかってくれて。最近は、人に甘えることへの罪悪感が少し軽減されたのかなあと思います。仕事で約束の時間までに帰れなくても、『お願いします』って甘えられるようになって」

子どもが成長しても子育ての大変さは変わらないが、ストレスをためないように心がけているそう。

「子どもって、家ではどうしてもテレビやゲーム三ざん昧まいで、私もイライラしてくるので、とにかく習い事を入れちゃうんです。送り迎えは大変だけど、自転車で外出すると気分転換にもなりますし、子どももいろいろなことに関心を持つ年ごろなのでいいのかなあって。最近、上の子の口が達者で、口げんかになると負けちゃうんですよ。『それ以上やったら、ママだって怖いんだぞ!』という圧力をかけたらまだ勝つんですけど(笑)」

近年、母親役も増え、その自然体の演技が好評だ。

「お母さん役はやはり等身大なので、いちばんやりやすいですね。お仕事はご縁とタイミング、そして運。いい作品、いい人たちとの出会いを大切に、これからも仕事と家庭のバランスを取りながらやっていけたらいいなあと思っています」