ヤフーとLINE経営統合か、止まらない孫さんの“爆速経営″

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 ヤフーを運営するZホールディングス(HD)とLINEが経営統合に向け交渉していることが明らかになった。ソフトバンクは6月にヤフーの株式の保有割合を44%に引き上げ連結子会社化。ZOZOの買収にも深く関与したソフトバンクグループの孫正義会長兼社長。

今年の株主総会での発言
 「電車の乗客の9割はスマートフォンを見てうつむいている。孫さん、何とかしてくれないか」―。ソフトバンクの株主総会で高齢の株主から出された要望に対し、孫正義会長は「スマホの向こう側にいる友人とつながっている。スマホ画面の向こうに世界が広がっている」と諭した。

 21世紀はスマホを使って便利になってきた時代。スマホを開けば利用者が興味を持ちそうなニュースのタイトルが並び、友人のツイートも読める。タクシーの配車もコンビニエンスストアでの支払いもできる。孫会長は「想像するだけでさまざまなことができるテレパシーの時代が来る」と予測する。

 だが、便利すぎる故の欠点もある。サッカーの南米チャンピオンを決めるコパアメリカの日本対エクアドルの試合結果を知りたくもないのにスマホで知ってしまったからだ。

 この試合は午前8時開始。帰宅後にゆっくり観戦しようとスマホでニュースサイトを一切開かなかった。だが、帰宅の通勤電車を待つ列の前に並んだ若者のスマホ画面が偶然視界に入り、結果を知ってしまった。

 来年には東京五輪が始まる。マラソンの開始は早朝だ。孫さん、特定の試合結果を設定時刻まで知らないで済むシステム作りませんか?
日刊工業新聞2019年7月11日

体力勝負に挑む?LINE・出沢社長インタビュー
 ―スマートフォン決済サービス市場の競争が激化しています。
「現在はスマホ決済の普及期に入りつつある。各社が決済手数料を無料にしたりポイント還元したりキャンペーンを実施して、市場を盛り上げていくフェーズだ。また政府は10月の消費増税時にキャッシュレス決済へのポイント還元を予定するほか、電子マネーを使った給与支払いを解禁する予定だ。(キャッシュレス化へと)世の中の流れがガラッと変わるタイミングに来ている。2019年は、スマホ決済が一気に広まる『ティッピングポイント』となるだろう」

―「LINEペイ」の普及に向けた課題は。
「現在はコンビニエンスストアなど大手顧客を中心に普及しているが、中小規模のスーパーへの導入がまだ進んでいない。レジ作業の効率化や混雑緩和などをアピールして、地場のスーパーを中心に導入を進めていきたい」

―みずほフィナンシャルグループと連携し、20年に新銀行を開業する予定です。
「LINEペイのユーザーが増加する中で、こうした銀行サービスのニーズが出た。みずほ銀行のメガバンクとしての信用力や銀行業を始めるにあたってのノウハウを活用して展開する」

―生体情報などを使った認証方法を推進する業界団体「FIDO(ファイド)アライアンス」に加盟しました。
「重要な研究テーマの一つだ。LINEペイに生体認証を取り入れると、ユーザーがもっと楽にアプリケーション(応用ソフト)を利用できるかもしれない。ユーザーにとって有意義なことは開発を進めていく」

―対話型の人工知能(AI)「クローバ」は異業種との連携を進めています。
「あらゆる企業と連携し、音声認識精度を向上してAIを賢くしていくことが重要だ。例えばトヨタ自動車との連携では、ドライブしながら音声による目的地検索やカーナビゲーション機能を提供する。今後あらゆる車メーカーとの連携を検討していく。またクローバとの対話が認知症の改善につながるとして、介護施設や老人ホームからの需要が高まっている。大学などと連携して研究していく考えだ」

【記者の目/顧客獲得へ正念場】
対話アプリ「ライン」を核に多様なサービスを展開するLINEが力を注ぐのが、スマホ決済だ。今後は「体力勝負になってくるだろう」とし、顧客獲得に向けたキャンペーンを矢継ぎ早に実施する方針だ。いまだ勝者不在のスマホ決済市場で正念場を迎えている。(大城蕗子)
日刊工業新聞2019年2月1日