仕事に活きる人脈がほしい」。そう思う一方で、どうやって広げればいいかわからない、広げすぎても"浅く"になってしまう気がするし…そんな悩みを抱いているR25世代も多いはず。

そこで、10月の特集「私の人脈論」では、ビジネス賢者たちに「人脈」をテーマに取材を敢行。それぞれの個性あふれる“人脈論”を通して、人との向き合い方について改めて見直すきっかけをお届けします。



最終回は、日々さまざまな有識者と対談し、酒を飲み、ビジネスを生み出し…底知れない(?)人脈を築いているであろう堀江さんから勉強させていただきます!

〈聞き手=渡辺将基(新R25編集長)/文=福田啄也(新R25編集部)〉

堀江さんってどんな人とつながりたいと思ってるんですか?


もうすっかり見慣れた光景

渡辺:
今回は「私の人脈論」っていう特集企画の取材なんですけど、まず大前提として、堀江さんってどういう人とつながりたいと思ってるんですか?

堀江さん:
頭がいい人

渡辺:
シンプルですね。

堀江さん:
知的な会話って楽しいじゃん。でも、バカなヤツってウザい質問してくるから、近くにいてほしくない。

渡辺:
…ウザい質問って、たとえばどんな質問ですか?

堀江さん:
ビットコインって最近どうなんですか?」とか。

そんなバカな質問してくるヤツと会話するよりは、ツイッターで粘着してくるヤツを撃破してた方がまだ楽しいね


もしかして、今も撃退中…?

堀江さん:
でもさ、たとえば秋元康さんと話すのは楽しいわけ。西山知義さん(「牛角」創業者)も話していて面白い。そういう人たちか、カワイイ女の子とだけ関わっていたいよね。

形式ばった会食とかも行かないし。

渡辺:
そうなんですか。

堀江さん:
うん。「契約が成立したんで今度ご飯に行きましょう」みたいな、意味のない会食は行きたくない。

最近間違えてそういう予定を入れちゃってたことがあって、「うわぁ〜いきたくねぇ〜」と思ったもん。


そういう会食の場ではずっとスマホ触ってそう…

『ONE PIECE』の世界観は、なれ合いみたいで受け入れられない

渡辺:
ただ堀江さん、好きな人とでもいわゆる「仲間」みたいな関係性になるのはイヤなんですよね?

以前『ONE PIECE』の世界観を批判して炎上してたじゃないですか。あんな国民的マンガを敵に回す人はじめて見ましたよ。

堀江さん:
『ONE PIECE』は20巻くらいまで読んだんだけど、ちょっと受け付けないなって思っちゃった。

努力をしないヤツを自己犠牲で助ける精神は、オレには合わない。



渡辺:
その自己犠牲の精神を「美しい」と捉える人も多いと思うんですが。

堀江さん:
一番歩みの遅いヤツに合わせる」みたいなのがしっくりこないんだよね。

自分は「オレはオレで突き詰めたいから、君らと一緒にゆっくり進むつもりはないよ」っていうスタンスだから。

『ONE PIECE』の世界観って、ある意味なれ合いじゃん。なれ合いは飽きるよ。

渡辺:
なるほど。じゃあ堀江さんって、“昔からの友だち”みたいな人はあまりいないんですか?

堀江さん:
ずっとつるんでるような友だちはいない。

渡辺:
実は僕もそのタイプなんですけど、たまに自己嫌悪に陥ることがあります。

堀江さん:
なんで?

渡辺:
自分は人間関係構築力がないのかなって。堀江さんは寂しくなったりはしないですか?

堀江さん:
一瞬は寂しいかもしれないけど、生きてる世界が変われば話が合わなくなるじゃん

そしたら自然とフェードアウトしていくもんでしょ。オレは別にそれで構わないけどね。

「是々非々」を貫きつづければ、いつかラクに生きられるようになる

渡辺:
ちょっと話が変わりますが、最近個人的に悩んでることがありまして。

というのも、無下に対応できないような人たちから断りづらい誘いが来ることが増えてるんですよね…。そういうとき、堀江さんはどうしてるんですか?

堀江さん:
そういうのは全部断る。

前に「お寺を貸し切ったアートイベントがあるんですけど…」っていう誘いがきたけど、「いや、全然興味ないんでごめんなさい」って断った。

渡辺:
それがなかなかできないんだよなぁ〜…

堀江さん:
気を遣ってもしょうがないじゃん。



渡辺:
堀江さんのその“是々非々”スタイル、尊敬します。

それでいうと、この前ZOZOの前澤さんが書いた「僕が考える世界を平和にする方法」っていうコラムの内容に異を唱えてたじゃないですか。いつもは前澤さんのこと絶賛してるのに。

ああいう発言で、人間関係が壊れちゃうなとか思わないんですか?

堀江さん:
壊れないんじゃない? だって、別にオレは人格を否定しているわけじゃないもん



渡辺:
堀江さんはそう言いますけど、相手はどう捉えているのかわかりませんよ。

堀江さん:
まぁ最悪壊れちゃっても、それはしょうがないんじゃない。

逆にそれで壊れるような関係だったら、これからもいろいろめんどくさいことが起こるでしょ。

渡辺:
まぁ…そうかもしれませんけど。

そうやって是々非々のスタンスを貫きつづけるって大変じゃないですか…?

堀江さん:
オレの場合は、もう向こうが合わせてくるから大丈夫。

「自分は是々非々だ」と言いつづけて、「堀江はそういうやつだからしょうがない」っていうポジションに持っていくしかないよね。

そうなればもう快適よ。快適生活。


今気づいたけど、Tシャツに「Saunner(サウナー)」って書いてある

人に期待してないから、裏切られても気にしない

渡辺:
なるほどなぁ…。話を聞いてると、堀江さんって人間関係に対していい意味でドライですよね。ドライというか、フラット。

以前「人に裏切られても気にしない」って発言していていたのも、堀江さんらしいなと。



堀江さん:
「(裏切られた)過去のことは忘れましょう」ってスタンスだね。

あと、そもそもオレは「人は絶対に裏切らない」って思ってないから。人は変わるものだし、人に期待してない

渡辺:
「人に期待しない」というのは、家入(一真)さんも言ってましたね。

堀江さん:
ワールドカップのときとか、みんな「本田圭佑に期待!」とか言うじゃん。でもオレは逆に、期待しない方がいいんじゃないかなって思ってたよ。

渡辺:
なぜですか?

堀江さん:
いいことが何ひとつないから。期待したら、ガッカリすることの方が多いでしょ? 本人にもプレッシャーかかるし。

だから、オレは過度に期待しない。そうすると結果がどうであれ、フラットにいられるから。

堀江さんは若いころ、どうやって人脈を広げてましたか?

渡辺:
せっかくなので、R25世代の読者へのアドバイスもいただきたいです。

堀江さんは、若いビジネスマンが意味のある人脈を広げていくにはどうしたらいいと思いますか?

堀江さん:
一番いいのは有名になることだよ。オレはそこからいろんな人に会えるようになった。

それ以外の方法は知らない。



渡辺:
なるほど。有名になって人に会えるようになったのは、具体的にいつぐらいからですか?

堀江さん:
プロ野球の球団を買収しようとしたときかな。あの一件で、もう日本で会えない人はほぼいなくなった。

渡辺:
ちょっと一般人にはマネできなさそうですね…

ちなみに、有名になる前はどうやって人に会ってました?

堀江さん:
それ以前は、人と会うより仕事してた方が楽しかったから、会社に籠ってた

渡辺:
人に会いたいとも思ってなかったんですね。

堀江さん:
そもそも、世の中に面白い人がいるなんて知らなかったんだよ。

福岡のど田舎から東京に出てきて、面白い人に出会ったことがなかったから。

渡辺:
有名になってから、「世の中にはこんなに面白い人がいたのか」って気づいたと。

堀江さん:
そう。だからセレブな人の家の子どもとか、超うらやましいなって思う。ああいう家庭に生まれたかった。

渡辺:
セレブな家庭に…ちょっと意外です(笑)。

堀江さん:
だってセレブの家って、面白い人たちがひっきりなしに遊びにくるじゃん。

たとえば秋元康さんの子どもだったら、小さいころからいろんな人に会えるわけでしょ。そりゃあ楽しいよね。


秋元先生の子どもがホリエモン…濃すぎてお腹いっぱいです

面白い話ってのは一方的に与えられるんじゃなくて、一緒に創り出すもの

渡辺:
予想通りではありますが、やっぱり堀江さんは若いころはガツガツ人に会いにいくことはしてなかったんですね。

堀江さん:
うん。だって、ガツガツして出会ったところで、みんな話がつまんないんだもん。

本当に面白い人に出会える確率はひと握りだと思う。確率論的にいうと、砂金すくいみたいなもん。

今はスマホでその人の発信とか見てりゃあ面白い人かわかるからラクだよね。

渡辺:
たしかに。でも会って対面で話したほうが生きた情報が手に入るとか、そういうのはありそうですよね。

堀江さん:
いや、そんなものはないよ

渡辺:
え? でも、ネット上にはない面白い話が聞けるとか…

堀江さん:
そんなのは幻想なの


いつものパターンきた

渡辺:
そうなんですか…

堀江さん:
面白い話っていうのは、一緒に創り出すものだから

オレ、こんなアイデアがあるんですけど」「いや、この方がいいんじゃない?」「なるほど、さらにこうしてもいいかも」って議論してはじめてすごいものができるってこと。

渡辺:
なるほど…対等に話せる関係じゃないと、人と会っても有益な場にはならないと。

堀江さん:
そう。会って化学反応が起きて、初めて面白い話が生まれるの

でも、それは新R25の読者じゃ無理だろうね。

渡辺:
また読者批判ですか…

堀江さん:
だって、自分らはきっと烏合の衆のように、ありがたい言葉を拝んで聞いているだけでしょ?


「こうやって、ありがたや〜ってさ(笑)」

堀江さん:
そんなスタンスじゃ、面白い人に出会ったところで何も生まれないよ。

渡辺:
でも現実問題、有名な人同士じゃないと対等に話せないじゃないですか。

そうなるとみんな烏合の衆にならざるを得ないというか、化学反応を起こすといっても難しいなと…

堀江さん:
別に有名じゃなくてもいいんだよ。

渡辺:
そうですかね?

堀江さん:
755でさ、「七色息子」っていうユーザーがいるのよ。そいつが秋元さんの755にいつもAKBグループに対する論考を書き込んでたの。長文で。

秋元さんってもともと放送作家で、さらにその前はハガキ職人だったから、そういう素人の投稿とか好きなんだよ。だから、彼の文章を読んで何か引っかかったんだろうね。

今じゃそいつ、SKEのライナーノーツ書いたりしてるよ

渡辺:
すごい…アイドルオタク界のシンデレラストーリーじゃないですか。

堀江さん:
彼はたぶん自分の中でずーっと、AKBグループに対して論考を重ねてたんじゃない? そうやって、自分の力で高みにのぼっていたんだよ

最近はHIU(堀江さん主宰のオンラインサロン)会員でもそういう人が出てきてる。

渡辺:
つまり、そうやってまずは高みにのぼる作業をこっちがしない限りは、会いたい人に会っても化学反応が起きないし、意味がないと。

堀江さん:
そう。今はスマホで簡単に情報も手に入るし、誰でもある分野に深く精通することは可能じゃん。まずはそれをやったほうがいいんじゃないかなって思うね。

それをせずに面白い人にまっさらな状態で会ったところで、何も与えられるものはないでしょ。

渡辺:
なるほど…!

今日は珍しくまともにインタビューに答えていただき、ありがとうございました(笑)。



今回の執筆も私福田が担当したのですが、その場では極論のように聞こえた堀江さんの主張も、書き起こしてみると「シンプルなド正論」に思えてきました。

ついにボクもホリエモン信者になってしまったのでしょうか?

とりあえず、まずは自分が面白いと思ってもらえる人間になるために、何ができるか考えないとな…。

〈取材・編集=渡辺将基(@mw19830720)/文=福田啄也(@fkd1111)/撮影=長谷英史〉

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