金融機関の過度なリスクテイクに警笛!
ただ、貸出先企業の財務状況に見合わない低い金利を設定することで、「低収益企業の資金需要を掘り起こしている」(同)のが現状だ。低採算先への融資が中小企業向け貸し出し全体に占める割合は、2010年度の17%から16年には25%に上昇した。足元は金融危機後の不良債権処理問題に直面した00年代と同水準という。
リポートは「ここ数年で低採算先の借入金が大幅に拡大している」と説明。金利水準が優良企業並みに抑制されているものの、利払い能力は低水準にあるとみる。収益水準は支払利息を若干上回る程度にとどまり、景気悪化や金利上昇などが発生した場合、多くの低採算先で債務不履行(デフォルト)の確率が高まるとしている。
このため「金融機関はリスクに応じた適正な金利設定を行うとともに、(融資先の破綻に備え積む)貸倒引当金の適切性を検証すべきだ」(同)と提言する。貸倒引当金の引当率が08年のリーマン・ショック並みに上昇すれば、一部地銀では正常先の債権の追加引き当てだけでも、コア業務純益の50%相当の信用リスクが発生する可能性を示唆する。
