「オールスターは1試合で十分」エモやんが球宴に持論を展開…酷暑の夏の甲子園には「そんなにお体が大事ならもうやらなくていい」
球界の夏の大イベントといえばオールスター(マイナビオールスターゲーム)。今年も各球団を代表する選手が出場して球宴を盛り上げたが、「エモやんの月刊野球放談」ではそのあり方にモノ申す! グラウンド外で起こった議論もろもろ今月も江本氏にブッタ斬ってもらいました。〈前後編の後編〉
【画像】参議院議員としてスポーツ振興くじの法制化に尽力した江本氏
オールスターは1試合でいい
――7月28、29日とオールスターが開催。テレビ朝日で地上波放送されましたが、視聴率が第1戦が7.0%、第2戦が6.8%(ビデオリサーチ調べ、ともに関東地区)となりました。
交流戦やらWBCやらやってれば、オールスターの価値は下がるよ。セとパの選手の交流が珍しくなくなってファンも飽きるんだから。俺らの頃なんてオールスターに出場することがひとつの目標だったけど、今はもうそんな舞台じゃないでしょ。
――江本さんにとってオールスターは特別なものでしたか?
そりゃそうだよ。シーズン前の目標が「開幕投手」「オールスター出場」「日本シリーズ登板」なんだから。
俺は11年の現役生活で5回オールスターに選ばれた(うち1回は辞退)。俺はファン投票じゃ選ばれないから、監督推薦をもらうためになんとか前半戦のうちに活躍しないとって考えながら投げてたね。
だけど今は(打率)2割そこそこのよくわかんない選手が出てくる。ファン投票にノミネートするにも、最低限の成績をクリアしなきゃいけないみたいな基準をもうけなきゃいかん。
――2試合制なのも価値を下げている感はありますね。
アメリカのオールスターは1試合しかやらないけど、試合だけじゃなくて前日から家族みんなで現地入りしてイベントに参加したりと、その街をあげての大イベントになるじゃない。しかも、持ち回りだから同じ街にオールスターは約30年に1回しか来ない。そりゃ盛り上がるし、そこでたくさん経済効果がある。日本のオールスターもそういう構造にしないとダメ。
NPBは運営費とか稼がなくちゃいけないから複数試合しなきゃいけないのはわかるけど、28日は東京ドームで29日は富山(市民球場)なんて日程だったら、ファンとも誰とも接触しないで試合するだけでしょ。それじゃあ盛り上がりに欠けるよ。
――江本さんは1試合でいいとお考え?
1試合でいい。ただし、前日から地元と一緒に盛り上がれるイベントを考える。そういうお金の生み方をつくらないと。
昔はオールスターって数少ないNPBの収入源だった。その基金からOBへの年金とかを払ってたわけだけど、財源不足で廃止になった。今の選手は年金いらないのかね? 無駄に給料がいいから問題ないか。
「オーナー連中はサッカーくじについて勉強しとらん」
――球界の動きでいうと、野球くじ導入に向けて12球団オーナーと選手会が議論に入ったというニュースがありました。
バカげてるよ。論外。くだらなすぎる。
――ボロクソですね(笑)。
(2001年に本販売がスタートした)サッカーくじ(スポーツ振興くじ)のときは球界のやつらはあんだけ反対してたのに、今さら何言ってんだって。
――江本さんは当時参議院議員としてサッカーくじの法制化へ尽力されてますね。
俺が法制化のために各所に了解を取って回ってたら、球界の連中から「なんでサッカーのためにそんな働いてるんだ、裏切り者」とまで言われたからね。
そもそもオーナーたちは年間売上1200~1300億円規模になったサッカーくじの成功にならって導入したいんだろうけど、サッカーくじの本質をわかっちゃいないよ。
――そうなんですか?
サッカーくじの収益の3分の2はマイナー競技を含めたスポーツ振興の助成金として使われいる。サッカー協会や各クラブだけに金が入るわけじゃない。
じゃあ野球くじの収益は何に使うかと言ったら、中学野球の振興のためだとかぬかす。バカ言ってんじゃないよ。今、球界は儲かってるんだから各球団が10億ずつくらい出して支援すればいいのに、野球くじでお前らが金儲けしたいだけだろ。こういうときに子どもをだしに使って。オーナー連中が野球をバカにしてるよ。
もし高校野球で7回制を導入したら…
――学生野球といえば、8月5日から夏の甲子園が開幕します。しかし、近年の異常な暑さから、7回制導入などまた様々な議論が活発化してますね。
7回制だって球児とか現場の人間の7割が反対(加盟校アンケート)してるのに、野球もやったこともないやつらがワーワー騒いでさ。どっちの意見が大事よって話。
そんなに7回制にしたいならNPBは「私たちは7回しか戦ったことがない選手を育てる自信がありません。今後、ドラフトでは大学、社会人からしかとりません」と言ってやったらいい。そうしたら高野連も慌てて7回制みたいなくだらない議論をしなくなるよ(笑)。
――それは極端な……。
もうさ、そんなにお体が大事なら甲子園なんてやめちゃえばいい。そこまでしてやるもんでもないよ。
――関連の話ですと、宮城県の高野連が「補殺」「刺す」「犠牲打」といった物騒な野球用語を見直す動きがあるそうです。
くだらなすぎて何も言えない。そんなことよりどうやって野球人口を増やすかとか、もっと他に考えるべきことがあるでしょう。
――来月はその夏の甲子園のお話も聞けたらと思います!
取材・文/武松佑季
