《称賛された「30分で全員避難」の舞台裏》イオンモール熊本「店員が道を作るような形で避難誘導」、被災した20代女性は「きちんと訓練されていることが伝わった」
7月28日夕方、熊本県熊本地方を最大震度7の地震が襲った後、益城郡嘉島町の大型商業施設「イオンモール熊本」で爆発事故が発生。これまでに3人が死亡し、1人が心肺停止の状態だと発表されている。
【写真を見る】爆発後のイオンモール熊本の駐車場・白くモヤがかかっていた 爆発により上った白煙
イオンの吉田昭夫社長らが翌日、熊本市内で開いた会見では、ガス漏れの可能性に言及しつつ、「消防から正式見解は出ていない」と断定は避けた。また、死傷者らは「すべて専門店の従業員」と明かされた。
時系列に沿って、地震発生から避難、爆発までの詳しい経緯も説明された。全国紙の社会部記者の解説。
「夏休みシーズンということで、7月28日には約3000名の来店があったといいます。16時27分頃に地震が発生。揺れが収まった後、避難誘導が逐次行われ、約30分後に全員が屋外に避難したそうです。そして17時50分頃、爆発が起きました」
ネット上では、大地震の直後、わずか30分ほどで避難を完了させた従業員らを〈素晴らしい対応〉〈心から敬意を表したい〉と称賛する声が相次いでいる。「イオンモール熊本」で被災した20代女性は、「『本当にありがとうございます』と伝えたいです」と従業員への感謝を述べる。
「イオンの2階にあるカフェで家族と休憩していたら、急に横揺れが来て、慌ててテーブルの下に潜りました。ガチャン!ガタン!ボン!と音がして、天井が崩れてきたり、棚のものが落ちたりしていました。
揺れが少し収まると、店員さんたちの『避難してください!』という声がして、急いで外に逃げました。店員さんたちが出口までのポイントごとに立って道を作るような形で誘導していました。
店員の皆さんは落ち着いていて、日頃きちんと訓練されていることが伝わりました。わかりやすく誘導してくださり、それに私は救われました」
建物から出た後、女性は渋滞を避けるため、その場をすぐ離れた。一方で、建物付近にとどまる人々も多かったという。
「建物の出口付近は日陰になっているため、そこで待つことにしたのかもしれません。外に出た後、『また中に入れるかも』や『車内にいるべきか、建物の中がいいのか』と話している人がいました。災害時は建物の中にいたほうが安全な場合もあると聞きますし、どうしたらいいのか混乱したんだと思います」
「イオンモール熊本」は2016年の熊本地震の際、天井の崩落や施設の液状化などが発生し、休業を余儀なくされた。再び深刻な被害が起きたことに、地元住民として不安を覚えているという。
「周辺のいろんな地域の人々が買い物にやってきて、土日は駐車場がいっぱいになるくらい人気のある商業施設です。原因を明らかにして、1日でも早く復旧してほしい。でも次に再開するときは、より地震に強い建物にしてほしいと心から願います」
スムーズに避難を完了させた従業員らの対応はもちろん素晴らしい。一方で、爆発事故そのものを防ぐ手立てはなかったのかなど、イオン側による徹底した原因究明が待たれる。
