鬼ごっこで捕まった記憶ない…ソフトバンク・周東佑京が語る野球人生「まずは通算300盗塁を狙う」

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育成から盗塁王へ

昨年までにプロ通算230盗塁を達成し、13試合連続盗塁の世界記録を保持--。

球界一のスピードスター、福岡ソフトバンクホークスの周東佑京(30)には幼少期から逸話がある。鬼ごっこでは捕まった記憶がなく、生まれ育った群馬県の近所の山では野ウサギを捕獲していたというのだ。周東が笑いながら話す。

「話が盛られていますね。でも、まったくのウソではありません」

自慢の快足で順当にキャリアを重ねているように見える周東だが、これまでにさまざまな葛藤と逆境があったという。育成から這い上がった周東の野球人生を紹介する。

小学2年生で野球を始めた周東は、地元・群馬県の東農大二高へ進学。プロは意識していなかったが、東農大北海道オホーツクに入学して考えが変わった。

「風張蓮さん(元ヤクルト)や井口和朋さん(現オイシックス)など、プロから指名される先輩が身近にいたんです。『自分も』という意識になりました」

周東は50m5秒7の俊足を買われ、育成ドラフト2位の指名を受けソフトバンクへ入団する。2年目の’19年3月に支配下登録されると、一軍で打率.196ながらチームトップの25盗塁。3年目には50盗塁を記録し、育成出身選手として初の盗塁王となった。

「簡単に盗塁を決めているように見えるかもしれませんが、毎回強いプレッシャーを感じていました。『周東なら成功して当たり前』と思われるのが重圧だったんです。当時かけられた、本多雄一(内野守備走塁兼作戦)コーチの言葉には救われましたね。『大丈夫。普通にスタートすれば成功するから』と。以後は『いいスタートを切らなければ』と、変に意識しなくなりました」

「脚だけではダメだ」

周東の脚は世界も驚かせる。’23年3月のWBCで日本代表に選出。準決勝のメキシコ戦で9回裏に代走として登場すると、村上宗隆のヒットで一塁から迷わず一気に本塁へ生還しサヨナラ勝ちに貢献したのだ。だが、強い危機感も覚えたという。

「ホークスで完全にスタメンでない僕が、代表になることに違和感があったんです。自他ともに認める日本代表になるためには脚だけではダメだ、スタメンになるため打撃力も向上させないといけないと、強く意識するようになりました」

周東の打撃力は、二人の恩師の存在により大きく向上した。長谷川勇也・打撃兼スキルコーチとチーフベースボールオフィサーの城島健司氏だ。

「長谷川コーチからは、ノーステップ打法を教わりました。僕は非力なので、脚を上げて反動で打球を飛ばそうとしていたんです。しかし身体の動きが大きくなる分、ボールをとらえる確率が低い。すり足にすると、確率がグンと上がりました。城島さんには’24年春のキャンプで付きっ切りで指導を受けました。コースによって流したり引っ張ったり打ち分けないといけないと思っていましたが、城島さんは『基本センター返しでいいんだ』と。考えがシンプルになり、余裕を持って打席に入れるようになりました」

打撃力向上で、今季は打率2割台後半を維持している。

「もちろん盗塁へのこだわりを捨てた訳ではありません。まずは通算300盗塁を狙います。これからも走り続けますよ」

天性の脚力に高い打撃力を加えた周東が侍ジャパンの切り込み隊長であることに、もはや誰も異議はないだろう。

7月24日発売の『FRIDAY8月7・14日号』と有料版『FRIDAY GOLD』では、周東が語った打率にこだわらない訳の他、独自写真も多数掲載している。

『FRIDAY』2026年8月7・14日合併号より