記者会見後に握手する(左から)佐賀山隆・伊予銀行頭取、三好・いよぎんHD社長、西川・愛媛銀行頭取(松山市内で)

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 愛媛県が地盤の伊予銀行を傘下に持ついよぎんホールディングス(HD、松山市)と、愛媛銀行(同)は24日、2027年4月をめどに経営統合することで基本合意したと正式発表した。

 同一商圏内の統合により、地域経済の下支えや経営基盤の強化につなげる。(杉山正樹、松山支局 宇仁菅玲香)

 持ち株会社いよぎんHDが、名称を変更し、伊予銀と愛媛銀を完全子会社として傘下に置く。統合で連結総資産は約12兆6000億円(26年3月末時点)となり、ひろぎんHD(広島市)や京都フィナンシャルグループ(FG)を上回り、全国の地銀・地銀グループで13位に入る。

 事務・システムの統合や業務の共通化などでコスト削減や効率化を図るほか、相談業務や人材育成を強化する。いよぎんHDは国内に121拠点(うち愛媛県は89拠点)、愛媛銀は81拠点(同66拠点)を構えるが、原則、店舗の統廃合はしない。

 瀬戸内は造船が盛んで、両行は船主向けの船舶融資を得意とする。統合によりノウハウの共有や融資の拡大を目指す。松山市内で記者会見した、いよぎんHDの三好賢治社長は「瀬戸内圏域を中心に存在感を発揮する金融グループへ飛躍していく」と強調。愛媛銀の西川義教頭取は「地域産業を支えていくことが新しい金融グループの最大の役割だ」と述べた。

 四国地方では、10年に徳島銀行と香川銀行が経営統合し、トモニHDが発足して以降、目立った再編の動きはなかった。しかし、人口減少や異業種の金融サービスへの参入で競争が激化。AI(人工知能)の普及やサイバー攻撃への対応も求められ、統合や合併による規模拡大で「強い地銀」になることの要請が強まっている。

 他地域では、第四北越FG(新潟市)と群馬銀行が27年4月をめどに経営統合を予定しており、しずおかFGと名古屋銀行は今年3月に、28年4月をめどに経営統合すると発表した。

海事産業、一緒にサポート

 記者会見での主な発言は次の通り。

 ――統合の背景は。

 三好氏「愛媛県は2060年に人口が(124万人から)65万5000人に減ると予想されている。その中で地域の経済・産業を盛り上げるには互いが知恵を絞り、一緒にやらないといけないと判断し、私から声をかけた」

 西川氏「この1年で環境が随分変わった。ネット金融機関、通信大手、電力会社、鉄道会社が全国の個人金融資産を一気に囲い始めた。新しい競争局面の今こそ両行が手を取り合い、新たなサービスを提供していこうと判断した」

 ――船舶融資への影響は。

 西川氏「愛媛県域の瀬戸内では、両行がほぼ全ての船主と取引している。海事産業が大きな転機を迎える中、一緒にサポートすることは歓迎されるだろう。伊予銀行はシンガポールに支店があり、ノウハウもある。愛媛銀行も小型から大型船まで取引があり、プラスになることが多い」

 ――将来的な合併は。

 三好氏「愛媛銀行は111年、我々は148年の歴史があり、それぞれの文化、営業、顧客がある。将来の変化はあるかもしれないが、現状は全く考えていない」