【巨人】坂本勇人「一番、うれしい」今季2本目のサヨナラ本塁打 王貞治らに並ぶセ・リーグ最多8本目
◆JERAセ・リーグ 巨人4×―1中日(17日・東京ドーム)
巨人が坂本勇人内野手(37)のサヨナラ3ランで劇的に3連勝を飾った。同点の9回2死一、二塁で、左腕・斎藤から左越えに4号をたたき込んだ。今季2度目のサヨナラ弾は、通算8本目。セ・リーグでは王貞治、若松勉(ヤクルト)に並び最多となった。サヨナラ安打は14本目で、歴代5位の長嶋茂雄らに並んだ。先発したウィットリーは4勝目はお預けも、6回1失点で自己最多11奪三振の力投。投手陣が2試合連続被安打1に抑え、チームは貯金を今季最多タイの8とした。
プロ20年間を歩んできたバットと百戦錬磨の手のひらが、最高の結末を教えてくれた。振り抜いたバットを離した坂本は勝負師の顔を崩し、はじけるような笑顔で走り出した。「うれしいですね。一番、うれしいんじゃないですか」。通算8本目のサヨナラ弾。王貞治(巨人)、若松勉(ヤクルト)に並んでセ・リーグ最多となる劇弾で、激闘に終止符を打った。
1―1の9回から松本が左前打で出塁。犠打と申告敬遠で2死一、二塁となり、千両役者に出番が回ってきた。「思い切って振りに行こうってね、覚悟を決めてバットを振りました」とカウント2―0から低めに沈むスライダーを捉え、左翼席に放り込んだ。それまでの3打席は凡退し「スタメンで全然打ててなくて。最後ね、大歓声で打席に入らせてもらったのでなんとか打ちたかった」。今季4本塁打中、3本が3ラン。代打で3割7分5厘の勝負強さを、東京Dでは6月7日のロッテ戦以来の先発出場となった最終盤に発揮した。
試合前は5月13日の広島戦(福井)で放った通算300号を記念し、SSK社から「漆塗り記念バット」=2面=を贈呈。「縁起物としてこれからね、もっと打てるようになればいい」。達成地にちなんだ福井名産の漆が塗り重ねられた逸品を受け取った日が、新しいメモリアルデーになった。
1打席にかける執念が、20年目の勝負強さに磨きをかけている。7回2死満塁から走者一掃の二塁打を放った7日の阪神戦(東京D)。5回から出番に備えてベンチ裏に向かい、先発の高橋を含めたサウスポーに照準を絞ってバットを振った。「いい準備をして、チームに貢献できるようにやるだけなので」。同戦の二塁打、14日・ヤクルト戦(神宮)の3号3ラン、そしてこの日のサヨナラ弾はいずれも左腕をとらえたもの。体勢が崩れても体の前でボールを捉える専売特許で、ここ一番の劇打を生み出している。
チームは3連勝で首位・阪神との1ゲーム差をキープ。前半戦のヤマ場となる9連戦で白星を先行させている。「球場の雰囲気だったりっていうのは敏感に感じてますし、背中を押してくれている。もっともっとこういう場面で打てるように頑張ります」。7月は13打数3安打も、ヒットは全て長打で計9打点。G党、ナインの期待に必ず応えてくれる男が、巨人を明るく照らしている。(内田 拓希)
◆堀内恒夫Point ものの見事な坂本のサヨナラ弾。カウント2ボール、ゾーンの球を待っている中でスライダーが、甘いところへ来た。それを一発で仕留める集中力、さすがだね。6番に入るのは坂本本人は不本意かもしれないが、相手からすれば、すごく嫌。チームとして、とても大きな存在だよ。スタメンを外れることが多いけれど、こうしてどんどん使ってほしいね。それで、疲れが見えたら休ませたらいいんじゃないか。(スポーツ報知評論家・堀内 恒夫)

