「AI」の答えに頼る人は絶対に気づかない…次世代トップランナー30名が明かす「自分の頭で考える」意味
最近、自分の頭で考えてますか?
「人間は考える葦である」とパスカルが説いたのは遠い昔。AIの進化によって、人間を人間たらしめてきた「思考」という存在意義が揺らいでいます。
けれどもタイパ(タイムパフォーマンス)至上主義のいま。キーボードを叩けばAIが瞬時に「正解(らしきもの)」を教えてくれるのに、わざわざ自分の頭で考える意味ってあるのだろうか。そう思うことはありませんか。
新刊『自分の頭で考える 世界をもっとおもしろくする方法』は、こうした問いにぶつかりながらも、日々考えることをあきらめない次世代の表現者30名が、それぞれの「思考」を綴ったアンソロジー書籍です。アニメ作家やアイドル、哲学者からゲーム実況者まで、第一線で活躍する彼らは、悩み抜いた先にこそ、本当のおもしろさがあると知っています。
「面白いものは狂気を感じるほどの非効率から生まれる」(理論物理学者・武田紘樹)、「考えるとは、すでに自分の中にあったものに気づく行為でもある」(櫻坂46・的野美青)――世界が開けるような言葉を読み進めるうちに、あなたもふと自分の頭で考え始めているかもしれません。
予想外のおもしろさに出会うために
スマートフォンの画面を無限にスクロールして、次から次へとおすすめされるショート動画をただ眺めている。気が付けば何時間も経過していて、一番最初に見た動画のことはもう何も思い出せない。
あるいは、誰かに文章を送る時。「失礼はないか」「誤解されないか」と不安に駆られ、AIに添削を委ねる。そうして出力された減点ゼロのあたりさわりない文案を眺めて、ようやく送信ボタンを押せる。
そんな経験はありませんか。
最適化されたアルゴリズムやAIには、抗いがたい「引力」のようなものがあります。自分で一から言葉を探したり、見るものを吟味したりするよりも、あらかじめ用意されたものを享受するほうがずっと楽だから。
けれど、そうやって消費した動画や、整いすぎた文章を前に、ふと立ち止まってしまいます。
「これが本当に見たかったものなのか」
「これが自分の伝えたかったことなのか」
時に相手から、その人らしさを感じるような生きた言葉が届くたび、自分の輪郭がぼやけていくような、まぶしさと焦りが入り混じった感情に襲われる。それは、自分が選んだはずのものが、自分自身の思考と地続きでないからかもしれません。
でも見方を変えれば、だからこそ、自ら悩み抜いて見つけた「何か」は最高におもしろい。予想を上回る発想やアイデアに辿り着いたとき、複雑な感情がしっくりくる言葉にはまったとき、私たちは自分を取り戻したような興奮を覚えます。効率と引き換えにその喜びを最初から手放してしまうのは、なんだかもったいない気がするのです。
SNSを開けば無数の「意見」が溢れ、アルゴリズムが「最適化された正解」を提示してくれる今、私たちはいつでも「答え(らしきもの)」を入手できるようになりました。だからこそ、「自分の頭で考える」ことへの憧れや渇望がかつてないほど高まっています。
「AIの回答」や「みんなが言うこと」を鵜呑みにするのではなく、自分はどう思うか。本書は、自らの思考を大切にし、日々研ぎ澄ませている次世代の表現者30名が、「自分の頭で考える」というテーマで自由に執筆しました。
AIがそれらしい答えをくれる時代に、わざわざ自分の言葉で考える意味は何か。ぜひ一緒に考えてみてください。
【執筆者一覧・50音順】
蒼井ブルー(文筆家・写真家)、浅見めい(くれいじーまぐねっと)、一力遼(囲碁棋士)、岩尾俊兵(経営学者)、鬱先生(まじめにヤバシティ)、梅原裕一郎(声優)、榎本紀子(デザイナー)、大瀬戸陸(漫画家)、カンザキイオリ(ボカロP)、篠原かをり(文化昆虫学者)、柴田聡子(シンガーソングライター)、shu3(ゲーム実況者)、スマイル(ゲーム実況者)、背筋(作家)、武田紘樹(理論物理学者)、谷川嘉浩(哲学者)、Chilla's Art(ゲームクリエイター)、角田夏実(柔道家)、ところにょり(ゲームクリエイター)、浪岡真太郎(Penthouse)、難波優輝(美学者)、長谷川あかり(料理家)、林田洋平(ザ・マミィ)、密か(ライター)、的野美青(櫻坂46)、むつー(TRPG配信者)、邑田(漫画家)、安田現象(アニメーション作家)、山野弘樹(哲学者)、ロウアイキュー(動画クリエイター)

