高市総理は血税180億円をかけて「副首都&定数削減」を強行するのか…?禁じ手の「60日間会期延長」で国会崩壊の危機

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総理の出席時間が3分の1から4分の1に

立法府が崩壊の危機となっている。

衆議院、参議院の両院で全ての野党会派が全ての法案審議を拒否し、少数与党である参議院では国会が動かない事態に陥っているのだ。政府与党が野党の求める予算委員会での集中審議に応じない中、与党が圧倒的多数を得ている衆議院で定数削減法案と副首都法案の審議入りを強行したためだ。

6月30日午後の衆議院本会議では国旗損壊処罰法の採決が行われたが、共同提出者でこれまで与党に協力的だった国民民主党や参政党を含む全ての野党会派が欠席することとなった。

それに先立つ中道改革連合の代議士会で、小川淳也代表はこう述べた。

「我々は99.99%、言論闘争をもってこの国会に健全に臨んでいます。しかし、正当な言論闘争が通じない相手の横暴やさまざまな怠慢に対しては正当な行為として欠席、退席という非言語的闘争(で臨む)。これは正当な抗議であり、彼らに自制を求めることこそが国益だ」

なぜ、ここまで野党が結束して怒りを露わにしているのか。これまで野党が求めてきた7月の予算委員会での集中審議と党首討論に与党側が応じていないことに端を発する。

「予算委員会について歴代総理と比較しても総理の出席時間が3分の1から4分の1にとどまっており、極めて異例だ」(中道改革連合・重徳和彦国対委員長)

参議院では6月30日に野党各党が共同で予算委員会の開催要求をするに至った。これは参議院規則38条「委員の三分の一以上から要求があったときは、委員長は、委員会を開かなければならない」に基づくものだ。

「国会を正常化させるには野党が求める『予算委員会の集中審議』に応じるほかないのだが、高市首相はそれだけは絶対にやりたくないという姿勢を変えない。代わりに参議院国対から『決算委員会を7時間やる』という代替案を提示し、木原官房長官や尾崎・佐藤両副長官からは了承を得たため野党と合意に達しつつあったのだが、土壇場で高市首相がそれも嫌だとごねたことで御破算になった。参議院で交渉に当たっていた磯粼国対委員長に対しては党内からも同情する声が上がっている」(自民党関係者)

質問と関係のない原稿を読み続ける異常事態

高市首相は6月26日の参議院災害特別委員会での質疑において「これまでも国会からの要請があれば出席しているし、これからもそうする」と答えているが、もし本当にそうしていたならば、こんな事態にはなっていない、というのが衆目の一致するところである。

また、今年まだ一度しか開かれていない党首討論も7月に開催することで与野党が合意しているものの、日程は決まっていない。昨年、石破首相は4〜6月に毎月1度ずつの開催に応じており、その差は顕著だ。

なぜ、高市首相はここまで国会答弁を避けるのか。最大の理由だと推察されるのが、誹謗中傷動画、サナエトークンへの事務所の関与について問われることを嫌がっているということだ。

「総理はスキャンダル追及の質問に対して感情的になりすぎている。ああいう姿を見ると心配になる」(自民党閣僚経験者)

その追及を行った立憲民主党の杉尾秀哉参院議員はこう語る。

「(衆参での集中審議が開催された)6月22日は大きな山だと思っていたが、午前中に中道の後藤祐一さんの質疑に対する答弁を聞いてびっくりしました。後藤さんは私以上に詳細に質問内容を通告していたんです。それなのに、原稿を作っていて、全く通告に関係ない話を長々と読んでいたのです。私のときも同じで、質問とは関係ない原稿を読み続けていました」

高市首相はその場で以下のように語り、異例の提案をして物議を醸した。

「近日中に奈良の秘書の陳述書と相手企業から送られてきた提案書を予算委員会の理事会に提出したい。それをもって本件に関する詳細な問いへの答弁とさせていただきたい。私が伝言係になっていて間違いが起きたら困りますので」

杉尾氏が振り返る。

「木下秘書は出てこようと思えば本人が出てこられる状況ですし、何より総理が発言したことに対して聞きたかったわけです。それがなぜ陳述書という話になるのか意味不明です」

「総理は自分で勝手に発言して墓穴を掘っている」

総裁選で高市首相を応援していた議員の一人はこう語る。

「総理は他人に任せるということができない。本来であれば官房長官や秘書官に任せることを任せられないからこういうことになる。『陳述書を出す』なんてことを役人が書くわけがない。自分で勝手に発言して墓穴を掘ってしまっている」

高市首相は経済安保担当大臣だった2023年3月に、総務大臣時代の政治的公平性をめぐるやりとりが記載されていた行政文書について追及された際に、「捏造だ」と発言したこともあった。杉尾氏はその時と非常に似ていると語る。

「あれは小西洋之議員が入手して、それが公文書であることの裏付けはとっていたんです。それをいきなり『捏造だ』と言ったわけですが、そのやり方は今回も同じです。『嘘も100回言えば真実になる』というゲッペルズの言葉がありますが、まさにあれです。そのうちうやむやにできるって思っているのでしょう。あの時は質問した私に対して、『私を信用しないのなら質問しないでください』と言い放ちました。

我々がこの問題を取り上げているのは、虚偽答弁であるという点についてはまさに総理の資質が問われているからです。スキャンダルではなく本質的な問題です」

高市首相は審議に応じないどころかさらにアクセルをふかした。野党の反対が必至な定数削減法案と副首都法案を議院運営委員長の職権で審議入りさせたのだ。

特に定数削減法案の審議を強行したことへの反発は強い。

「選挙制度のあり方については、衆議院議長のもとに協議会が設置され、この秋には昨年の国勢調査の確定値が出るので、そこまでに定数も含めた選挙制度の議論をしている。その結論が出ないことを前提に、比例だけを45議席削減すると決めるのは、協議会の存在そのものを否定するようなことだ。だから、こんな法案を与党だけで強行採決するというのは認められない」(国民民主党・古川元久国対委員長)

しかし、現状の国会状況では法案の成立は困難な状況だ。

「衆議院のほうは与党だけで通せるが、参議院は少数与党だ。そういう中でどうやって法案を成立させていくのか。国会全体のことを考える責任が政権与党にはあるが、そういうことを考えていないのではないか」(古川氏)

「60日間会期延長」案に与党からも困惑の声

参議院で否決された場合には3分の2を有する衆議院で再議決をして成立させることが可能となる。ところが、採決まで至らなければ成立はできない。定数削減法案や副首都法案のみならず、まだ内閣提出法案も17本残っており、これらの成立もままならない状況なのだ。ついには自民党の参議院幹事長である石井準一氏までもが集中審議に応じるべきだという認識を表明するまでに至っている。

それでも高市首相は国会の正常化を図るよりも強行突破を試みようとしている。高市首相が検討しているのが会期の60日間延長だ。憲法59条4項にはこうある。

「参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取った後、国会休会中の期間を除いて六十日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる」

つまり、60日間会期を延長した場合、本来の会期までに衆議院で法案を全て通過させてしまえば、参議院で「採決まで至らなかった場合」にも自然成立する、ということになるのだ。もちろん参議院で否決された場合にも衆議院で再議決すれば成立する。

これは事実上、参議院は不要だと言っているに等しい。二院制を無力化する禁じ手を打とうとしているのだ。

国対委員長経験者の森山裕前幹事長に見解を尋ねると、「国会は1日に3億円かかりますからね。それを60日で180億円かけてまでやるのは……」と困惑の表情。もっとも、党内からは「(60日間の延長は)ブラフだろう。参議院への圧力だ」(自民党4役経験者)との声も上がる。

国会運営の要である衆議院運営委員会の与党筆頭理事を務める村井英樹議員に60日間の延長があり得るのか尋ねた。

「(政治家が)『わからない』と言うときは、『知っていても言えない』という場合と『本当にわからない』場合があるが、これは『本当にわからない』」

政府は皇室典範の改正案を閣議決定した。「党派対立を超えて静謐な環境で議論する」としていたが、「静謐」とは程遠い大荒れの状況で、皇室典範改正までも強行するのか。何をするのかわからない高市首相に振り回される国会は、近年稀にみる異常事態となっている。

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