田代まさしが明かした“職質炎上”騒動の真相「あれはただの職質じゃなかった」刑事に見つめられながら尿検査、2時間の“拘束”…

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覚醒剤取締法違反で5度の逮捕、計8年の服役を経験してきた元タレントの田代まさしさん(69歳)。先日、都内で職務質問され尿検査を“強要”されたことを自身のInstagramで訴えたことが話題となっている。田代さんは“強要”と言うが、世間からは「前科があるんだから仕方ないだろ」「それだけのことをした」と厳しい意見が多い。その意見を田代さんはどう受け止めたのか。本人に話を聞いた。

【画像】「水のペットボトルを見ると覚醒剤を思い出すことがある」過去の取材で自身の似顔絵が書かれた“おくすり手帳”を提示する田代まさしさん

妻と一緒にいる時に突然の職質…「そこから約2時間も出られなくなるとは思いもしませんでした」

田代さんが薬物事犯で3度目の服役を終えたのは2022年10月27日のことだった。自身のInstagramでは出所したばかりの福島刑務所の門前で「豆腐の四角を食べるともう2度と刑務所に戻らないと聞いたのでチャレンジします」と、ぶるぶると震える手で持った絹豆腐を食べ、「もう刑務所に絹(きぬ=来ぬ)」ことを誓っていた。

そんな田代さんが職務質問を受けたのは6月17日午後の高円寺駅前だった。田代さんは「大前提として職質は忙しかったりしたら断ってもいいものだけど、疑いをかけられてもおかしくない身だし、やましいことはないから素直に真摯に応じた」と言う。だが、その職質はよくある制服警官によるものではなかった。

「私と妻で高円寺駅前の喫茶店にいて、外に出た瞬間に私服刑事3人が『警視庁から来ている者です。そこの交番でお話聞かせてくれませんか』と、その場で質問に答えて終わる雰囲気ではなかった。

僕はその前日にアパリというダルクの関連施設で、職員立会いのもと、唾液での薬物検査をして頂き、陰性をもらったばかりでした。その旨を伝えたけど譲らない。

その場にいた妻は高円寺駅前交番には入りたがらなかったので、外で待たせて僕だけ中に入りました。そこから約2時間も出られなくなるとは思いもしませんでした」

田代さんは荷物検査に応じ、腕や足などの注射の痕なども細かく見せた。さらに「ズボンを下ろしてブリーフの前後も見せた」そうだ。

「この時点で職質の域を超えてると思いました。これは僕に内偵して売人と接触してる事実があったとか、怪しい行動をしていたとか、その上でする捜査のようなものじゃないかなと。でも刑事さんたちは『未然に防ぐためです』と言う。

さらに『おしっこ出してもらってもいいですか』って。そこまでするの?って思ったけど『わかりました』と。

でも刑事さんが『ここに検査キットがないから杉並署まで車で来て下さい』と言う。さすがにこれはもう捜査でしょうと思って『それはちょっと…』と言ったのです」

「刑事さんたちは『疑って申し訳なかったです』と謝ってくださいました」

杉並署に行く行かないで何回かのやり取りがあり、その結果、若い刑事が尿検査キットを杉並署に取りに行くことに。そこで15分ほど待たされ、現れたのは杉並署の組織犯罪対策課など10名の刑事らだった。

「その10名に取り囲まれて『こんなに大袈裟にやるの?』と思いました。しかも、若い刑事が肝心の尿検査キットのコップだけを持ってきて、キットそのものを忘れてきたんです。

若い刑事が目の前で先輩刑事にものすごく怒られてたので『いいですよ、待ちますから取って来てください』と再度待つことに。ここからさらに15分ほど待たされました」

ようやく尿検査開始かというと、そうではない。尿検査を行う前は様々な誓約書に署名と指での捺印をさせられるのだ。

「薬物の不使用を誓約する書面とか再出頭の約束をする書面とか4枚くらいの書面にサインして指印を捺しました。ようやく尿検査をする段階になると、蓋を開ける様子をカメラを持った刑事さんが撮影したりして。尿を採取する際も刑事が見て行なうんです。

『僕は小さいので、内緒にしてて下さいね』なんて冗談言いましたけど。これはもう完全にただの職質ではないって思いました」

尿検査の結果が出るまでは10分ほど。田代さんは「もしここまで協力して陰性結果が出たら、僕に疑いをかけたことを謝ってもらっていいか?」と刑事たちに言ったという。10分後に出た結果は「陰性」だった。

「刑事さんたちは『ご協力ありがとうございました。疑って申し訳なかったです』と約束通り謝って下さり、さらにはその場にいた刑事さんみんなと握手を交わしました」

最近では高校生相手に講演「とにかく薬物の最初の一歩を踏みとどまらせたい」

しかし、田代さんが“職質”を“強要”されことへの不満をInstagramに打ち明けたのに対し「前科があるから仕方がない」と厳しい意見が寄せられていることについてはどう考えているのか。

「もちろんそう思われて当然ですし、僕は何度も信じてくださった方を裏切ってきた。だから厳しい意見も重く受け止めます。

でもその一方で、『覚醒剤をやめ続ける長期マラソンに参加している』状況で、それを着々とこなしているなか、今回のように疑われると、やっぱりグッとこたえるものがあるのもわかってほしいんです。自分のInstagramでくらい、その思いを打ち明けさせてほしいと…」

2時間に及んだ職質の後、田代さんと奥さんは楽しみにしていた食事にも言いようのない思いを抱くことになった。

「妻と一緒に後で食べようとカレーを買ったんです。職質は一瞬で終わると思ってたけど、2時間もかかってしまったから、そのカレーもすっかり冷めてしまった。妻にも申し訳ないことをした」

以前に集英社オンラインが田代さんを取材した時は、覚醒剤使用時に薬物を溶かす水として特定のミネラルウォーターを使っていたことから、そのペットボトルを見ると覚醒剤を思い出すことがあると言っていた。だから見ないようにもしていると。そのあたりの感覚は今もあるのか。

「もちろんありますよ。だから見ないように避けています。こればかりはもう生涯そうだと思います。でも今日1日をやめ続ける生涯マラソンだと思っていますので。

僕は最近、高校生の子供たちにも薬物の恐ろしさを伝える講演会をしています。高校生たちにも『一度でもやると生涯その依存に付きまとわれることになる。やめたとしても生涯疑われ続ける。それでもいいか』と伝えています。とにかく薬物の最初の一歩を踏みとどまらせたい。その一心です」

田代さんは来月にも講演会の予定があるという。薬物の最初の一歩を踏みとどまらせたい。これは田代さんだからこそ言える重い言葉だ。

取材・文/河合桃子 集英社オンライン編集部ニュース班