「なぜ検察は第三者委を作れないのか」森雅子元法相、北川元検事正事件めぐり現法相に設置迫るも…ゼロ回答
大阪地検トップだった北川健太郎元検事正が部下に対する準強制性交等罪で起訴された事件をめぐり、元法務大臣の森雅子参院議員(自民党)が6月15日、法務大臣に対して「このまま放置すれば、新たな犠牲者が出ます」と述べ、検察から独立した第三者による調査の実施を求めた。(弁護士ドットコムニュース・一宮俊介)
●「司法権の独立、侵すものではない」
この日の参院決算委員会で、森氏は「法務省および検察に第三者委員会を設置すべきとする観点から、法務大臣に質問します」と切り出した。
北川氏は裁判で無罪を主張している。
一方、平口洋法務大臣は6月5日、検察庁の全職員を対象としたハラスメント調査を実施する方針を明らかにしていたが、第三者委員会の設置については「事件が公判中で、司法権の独立の観点から問題が生じる」などとして、慎重な姿勢を示している。
これに対して、森氏は、元自衛官の女性が同僚らからの性被害を告発した問題などを例に挙げて、刑事・民事事件とは別に自治体や組織が第三者委員会を立ち上げて調査をおこなったケースがあると説明。そのうえで次のように指摘した。
「裁判中の事件といえども、行政監督の目的から、国会議員が国政調査権を行使することは、司法権の独立や準司法機能を持つ検察の独立を侵すものではありません」
●「企業や自治体ができるのに、なぜ検察はできないのか?」
さらに森氏は、袴田事件をはじめとする多くの冤罪事件で、違法な取り調べや証拠隠しが明らかになってきたことに触れ、「組織のガバナンスの低下、駄目なことを駄目と言えない風土が招いている」と批判。こううったえた。
「第三者委員会の設置は、国民の命と安全を守り、司法の信頼を取り戻すために不可欠です。企業でも防衛省でも自治体でも、第三者委員会が設置できるのに、なぜ法務省、検察はできないのでしょうか。検事や元検事はメンバーに入れず、検察から独立した第三者がメンバーになることが強く求められます」
●平口法相「検察の取り組みを見守りたい」
そのうえで森氏は、平口法相に次のように迫った。
「大臣は、本当は第三者委員会を設置すべきとお考えなのではないですか。私たち、設置を求める会で大臣に提言を持っていくので、受け取っていただけますか。第三者委員会を設置しなくても、違法な取り調べの犠牲者、冤罪、パワハラ・セクハラの被害者は今後出ないと断言できますか」
これに対して平口法務大臣は、今年度中に実施予定のハラスメント調査について、「特定の事象を契機として実施することとしたものではない」と説明。そのうえで、手元の文書を読み上げて、従来の見解を繰り返した。
「検察の職場環境の改善等に関しては、本年度実施するハラスメント調査に加え、客観的な視点を加味する方策がないかも含めて検討している旨、報告を受けている。法務大臣としては、まずは検察当局におけるそのような取り組みを注意深く見守っていきたい」
