【ライヴレポート】LUNA SEA、ツアー<UNENDING JOURNEY -FOREVER->が地元・秦野で開幕「正真正銘、故郷ですから!」

LUNA SEAが5月29日、全国ツアー<LUNA SEA TOUR 2026 UNENDING JOURNEY -FOREVER->の初日公演を彼らの地元・神奈川県秦野市のクアーズテック秦野カルチャーホールにて開催した。
神奈川県の数々のライヴハウスやホールでライヴを行ってきた彼らだが、故郷 (RYUICHI以外は秦野市出身)凱旋公演は初めてのことだ。なお、2026年2月に逝去した真矢は2023年以降、“はだのふるさと大使”として地元に貢献。2025年11月には小田急線“秦野駅”で「ROSIER」と「I for You」が駅メロに採用され、5月に同駅のまほろば大橋でメンバーの手形碑および記念プレートの除幕式が開催されたタイミングでのツアーの幕開けとなった。この初日公演はSLAVE会員限定で生配信され、アンコールのMCではメンバーが秦野での初ライヴを口々に「感無量」と表現した。少年期に地元でメンバーと出会った頃のエピソードも明かされた。

結成37周年の記念日である5月29日は5月にして30℃に迫る暑さとなったが、山々の緑と青い空が広がる自然豊かな会場は吹く風が心地いい。晴れ渡った空を見上げると太陽のような真矢の笑顔が浮かんでくる。
会場には開演前から歓声が飛び交っていた。立ち上がって、その時を待つSLAVEたち。やがてステージのスクリーンにLUNA SEAのロゴが映し出されると“うおおおお”という大声援。結成記念日にリリースとなった6年ぶりとなるシングル「FOREVER」の美しくも雄大なティザー映像が流れ、次に真矢のみの写真がクローズアップ、やがて5人が揃う最新のアーティスト写真に変わるという演出の中、ステージにメンバーが登場した。
本ツアーをLUNA SEAと共に廻るドラマーは3月の有明アリーナ公演に引き続き、真矢の愛弟子である淳士だ。淳士のドラムセットの隣には、真矢のYAMAHA製最新オリジナルドラムがセッティングされている。

1曲目に投下されたのはSLAVE限定公演にふさわしい「SLAVE」だ。赤い照明に染まったステージにインディーズ時代の攻撃的なナンバーがのっけから放たれる。続く「Déjàvu」ではシンガロング。SUGIZOとJが二手に分かれ、客席の横まで張り出したステージの上手下手でプレイし、RYUICHIとINORANがセンターで絡み、場内は早くも熱狂の渦と化した。
「2026年5月29日、SLAVE限定GIG、in 秦野。初秦野!」と口を開いたRYUICHIはメンバーのほうを見て笑顔でアイコンタクト。
「LUNA SEAにとっては2年ぶりのツアーなので、今日を皮切りに各地で暴れてこようかなと思っています。ここは本当に素晴らしい会場で、帰ってこられてよかったなと思ってます。もちろん、真矢の想いもここに連れてきています。我がSLAVEたち、飛ばしていくぞ!」──RYUICHI

真矢の魂と共に新曲を携えて廻るツアーについてRYUICHIは、「過去のアルバムを掲げて廻ってきた近年のツアー以上にいろいろな時代の曲を演奏する」と予告したが、そうなるとセットリストは自由度の高いものになるのかもしれない。
実際、初日は次にどの曲が演奏されるのか、全く想像がつかない構成だった。特に驚いたのは「The LUV」(アルバム『LUV』表題曲)と「Thoughts」(シングル / アルバム『A WILL』収録曲)が久しぶりに演奏されたことだ。両曲とも“REBOOT”後のナンバーであり、前者は真矢と親交の深い大黒摩季がコーラスで参加した楽曲。メロディアスで疾走感のある2曲でありながら、LUNA SEAらしい緻密な構成。SUGIZOとINORANの阿吽の呼吸によるギターワークとJの骨太なビートがせめぎ合う時に生まれるスリルは、生のバンドサウンドを突き詰め続けてきたLUNA SEAの凄さだ。ストレートなようで隠し味が効いている曲たちを真矢へのリスペクトを込めながら叩く淳士のドラミングは、有明アリーナ以上にLUNA SEAの一部になり、新しいエッセンスも加わっていたように思う。そして、RYUICHIの歌はエモーショナルかつ艶やか。ヴォーカリストとして、この日のライヴを牽引していくパワーに満ち溢れていた。

有明アリーナ公演と同じく、真矢がドラムを叩く映像が映し出される演出も各所に盛り込まれ、RYUICHIが「ここ秦野に、真矢くんのメロディを響かせてみたいと思います」と前置きした真矢作曲の「inside you」も淳士のドラムとJの太く歪んだベースラインがフィーチャリングされ、ギターが重なっていく音像にグイグイ引き込まれた。
この日、演奏されたのは全16曲。ライヴがあまりに濃厚ゆえ、通常公演より少ない曲数だったことなどまったく気にならなかった。ロングトーンやクリーントーン、ノイジーなトーンに乗せて実験的なフレーズをギターという楽器の枠に囚われずプレイし、独自のサウンドでLUNA SEAの楽曲に華を与えるSUGIZO。深みのある静寂のアルペジオで曲の景色を変えたかと思うと、絶妙のタイミングでアグレッシヴなストロークによるエッジをぶち込んでくるINORAN。そして「JESUS」や「ROSIER」では骨太なベースと男っぽいコーラス、パフォーマンスで会場を熱狂させる一方で、ミドルチューンやバラードではメロディアスなフレーズで曲に奥行きを与えるJ。ローボイスからファルセットまで操り、LUNA SEAの一筋縄ではいかない楽曲たちを生かす卓越した表現力を持つRYUICHI。

ライヴ中盤、イントロで驚きと喜びの歓声が場内を揺らしたのは、7分にもわたる中毒性のあるナンバー「FALL OUT」(シングル「TRUE BLUE」カップリング)だった。マニアックながらコアなファンから人気の高いこの曲を持ってくるのもLUNA SEAらしい。
約20分間のインターバルを挟んで、スクリーンにはREBOOTを発表した2010年の東京ドーム公演の真矢のドラムソロの模様が映し出され、場内は真矢コールの嵐。「TONIGHT」ではスマホ撮影OKの“#LUNAPIC”タイムが設けられて大シンガロング。メンバーがスクリーンに映る真矢のほうを時おり振り返りながら演奏していたのも印象的で、RYUICHIが「ドラム!真矢!&淳士!」と叫ぶと拍手と大歓声に会場が沸いた。


「今回激戦区でチケットの争奪戦っていうのがあったと思うんですが、いっぱい来てくれるなら、どんどんライヴやればいいからね。真矢くんの想いも重ねて、これからもいいライヴをやっていきたいと思います」──RYUICHI
そんなメッセージの後に届けられたのはLUNA SEA珠玉のバラードであり、オーケストレーションアレンジが美しすぎる「I for You」だった。RYUICHIの煽りに続いて、終盤戦は「STORM」「ROSIER」などLUNA SEAのライヴに欠かせない曲や盛り上がらないわけがない曲たちがさらに会場を熱くさせた。「秦野に集まってくれたSLAVEのみんなと最後にもう一度、昇りつめたいと思います」とRYUICHIが前置きして、本編最後に届けられたのは壮大なバラード「UP TO YOU」。夢に終わりはないと歌う始まりの曲でもあり、本ツアーのタイトル<UNENDING JOURNEY>にふさわしい締めくくりだった。

アンコールではファンによるLUNA SEA37回目の誕生日を祝う「Happy Birthday To You」の歌声が会場を埋め尽くし、和気藹々としたムードでメンバーがステージに。SLAVEたちのメッセージが書き込まれた横断幕をRYUICHIとSUGIZOが広げて見せ、JとINORANはタオルを客席に投げ入れた。
RYUICHIは「ずっと頑張っていて、すごくポジティヴな人だから生前はいつも、“少しでもみんなが楽しんでくれるものがあれば、活躍できたらいいな”と言ってました」と真矢について言及。また、本ライヴを開催するにあたって、多くの関係者が協力してくれたことを伝えた。
「たくさんの方が応援してくださっているんです。まず、秦野市の市役所の関係者の方々、小田急電鉄の関係者の方々、神奈中バスの関係者の方々、そして真ちゃんの仲間でもある駅メロ実行委員会の方々。それと、秦野でライヴをやるのは初めてだから、みんなにケガなく家に帰ってほしいということで、警察の方々もアドバイスをしてくださいました。ロックって反体制的な匂いがあって、若い頃は僕も無茶な歌詞を書いたりしていたので、“え? 役所の方々や警察が応援してくれてるの?”って(笑)。秦野でやれることを誇りに思います」──RYUICHI

ひと言ひと言に盛大な拍手が起こり、話題は新曲のことへ。
「原曲はJが書いてくれて。何年も前からセッションしたり、デモ音源は作っていたんだけど、普遍的なメロディと普遍的なメッセージの大曲なので、“いつ届けようか”って大事に大事に温めてきた曲でね。ラストテイクっていうのは嫌だけど、真矢くんのドラムが入っている曲を、真矢くんの想いと共に届けられて本当によかったなと思っています。一番は今夜、この日、この場所で「FOREVER」をSLAVE限定ライヴで歌いたい、演奏したい、そして想いを届けたかった。音楽はやはり永遠なんです」──RYUICHI
そんなメッセージの後に初披露された「FOREVER」の壮大さ、美しさ、切なさは筆舌に尽くし難い。全てを包み込むような愛に溢れた旋律、力強く繊細なドラムプレイ。夜明けに向かって5羽の鷲たちが飛び立っていくアートワークはこの曲があってこそ生まれたのだと思うと、なおさら感慨深く響いてきた。

余韻が残る中でのメンバー紹介では、RYUICHIが一番最初に淳士の名を呼び、遠慮したのか言葉を発さなかった淳士にJが「佐久間(淳士)、喋らないの?」と話すように促した。
「秦野のみなさん、こんばんは。何を言っていいかわからないですが、座っている位置はみなさんと違いますけど、皆さんと同じ立ち位置でLUNA SEAを支えたいと思います。よろしくお願いします!」──淳士
JはLUNA SEAのサポートドラムを担う重責を含め、「本当に凄いよね」と淳士を称え、照れくさそうに秦野市とファンへの感謝に繋げた。
「本当に今日、ここでやれて感無量です。いろいろな想いがあってね、話すと長くなるので。何から話していいかわかんねーよ。だって、出来が良いか悪いかっていったらね(笑)。こんなヤツらを温かく迎えてくれて、ありがとうございます。それもこれも真矢師匠のおかげです。全国各地、真矢くん連れて盛り上げていこうと思ってるんで。みんな、どうもありがとう!」──J

INORANは「本当に感無量という言葉が的確だと思います」と同意し、真矢と少年時代に初めて会ったのが、この会場から200メートルぐらい先の運動公園だったというエピソードを明かし、“運動公園なのかカルチャーパークなのか”呼び方の違いをRYUICHIとやりとりして場内は笑いの渦。
「そういう場所に凱旋公演で来るって、LUNA SEAってすごいバンドだよな。ミラクルっていう言葉は昭和かもしれないですけど(笑)、これからもミラクルを起こしていきたいと思います!」──INORAN
SUGIZOも貴重なエピソードで場内を驚かせた。
「みんなが言ったように本当に感無量の公演で、真矢がいなければ今日はなかったと思うし、真矢がいなければ秦野の皆さんの協力も駅メロもなかったと思う。たぶん、真矢が今日を一番楽しみにしていた。(ドラムのほうを見て)そこで最高に笑ってると思います。ね、真矢。ちなみにこの会場に真矢は和太鼓とかドラムのイベントで何回も出ているんだよね。実は俺も小学校とか中学校のときにクラシックのアンサンブルで演奏していて、高校時代にもバンドのイベントで出ていて。やっと地元の会場に恩返しすることができました。真矢とSLAVEのみんなのおかげです。本当にありがとうございます」──SUGIZO
さらにSUGIZOは、「真矢と初めて会ったのが同じく運動公園だった」と明かし、真矢にまつわる地元トークで笑わせつつ、メンバー5人の手形碑と記念プレートを設置してくれた秦野市の方々に感謝。真矢が“はだのふるさと大使”から昇格したことに触れ、その呼び方についてSLAVEに「わかる人?」と問いかけ、返ってきた“特別大使“という答えを受けて「そう! 特別大使。これからも秦野の想いを全国に全世界に伝えていきたいと思います。何を隠そう、正真正銘、故郷ですから!」と第二の故郷ではないとあって、場内を大いに沸かせた。
INORANとSUGIZOに紹介されたのはRYUICHI。
「いろいろなところで語っていますが、真矢くんはみんなが喜んでいる姿が一番好きなんです。このツアーには、もちろん真矢くんへの追悼の想いもあって集まってくださっていると思うんですが、“ライヴ、めちゃくちゃ楽しかったよ“って笑顔で帰ってもらったらいいなと思います」──RYUICHI

最後にRYUICHIが「ドラムス!」と叫ぶと会場は力強い「真矢!」コール。続けて、本ツアーのチケットが全箇所ソールドアウトし、チケットが買えなかった人がいることに触れ、<LUNA SEA TOUR 2026 UNENDING JOURNEY -TO RISE->と銘打って、追加公演を兵庫・神戸ワールド記念ホール(12月12日および13日)と東京・有明アリーナ(12月19日および20日)で開催することを発表すると大歓声。タイトルについては1996年リリースのアルバム『STYLE』を携えて開催した<UN ENDING STYLE >のアンコールツアー<UN ENDING STYLE ENCORE TOUR 1996 〜TO RISE>から付けたことが伝えられた。
「この先も淳士という素晴らしい後輩と共に駆け抜けていきたいと思います! LUNA SEAが生まれた秦野でLUNA SEAの原点ともいえる曲を送りたいと思います」──RYUICHI
投下された「FATE」ではSLAVEたちの熱いコールと一体になり、ラストナンバーは銀テープが放たれた「WISH」。RYUICHIがステージセンターを離れて、舞台端まで移動して歌い、真矢のドラムセットの前でギターソロを奏でたSUGIZOに続いて、INORANも真矢のドラムセットのもとで寝転がりながらフレーズを奏で、SUGIZOに頭を撫でられる場面も。シンガロングが響きわたり、拍手喝采の中、SUGIZO、J、INORANは弦楽器のネックを頭上高く掲げた。

Jは「みんな、今夜もありがとう! 最高のツアー初日になったぜ! 秦野、愛してます! また明日、騒ぎましょう!」とマイクに向かって叫び、SUGIZOは両手を広げ、深々と挨拶。そして真矢のドラムセットのシンバルを何度も叩き、真矢コールが会場に響き渡った。永遠を刻んだ新曲「FOREVER」と真矢の魂を連れた長い旅は始まったばかりだ。
取材・文◎山本弘子
撮影◎田辺佳子
■<LUNA SEA TOUR 2026 UNENDING JOURNEY -FOREVER->5月29日(金)@神奈川・クアーズテック秦野カルチャーホール SETLIST
01.SLAVE
02.Déjàvu
03.MILLENNIUM
04.The LUV
05.Thoughts
06.inside you
07.JESUS
08.FALLOUT
-Intermission-
DRUM SOLO (VTR)
09.TONIGHT
10.I for You
11.STORM
12.ROSIER
13.UP TO YOU
-encore-
14.FOREVER
15.FATE
16.WISH
■<LUNA SEA TOUR 2026 UNENDING JOURNEY -FOREVER->
05月29日(金) 神奈川・クアーズテック秦野カルチャーホール
05月30日(土) 神奈川・クアーズテック秦野カルチャーホール
06月05日(金) 大阪・大阪国際会議場メインホール
06月06日(土) 大阪・大阪国際会議場メインホール
06月12日(金) 高知・新来島高知重工ホール オレンジホール
06月13日(土) 香川・レクザムホール
06月19日(金) 栃木・宇都宮市文化会館 大ホール
06月21日(日) 群馬・高崎芸術劇場 大劇場
06月25日(木) 埼玉・大宮ソニックシティ 大ホール
06月26日(金) 埼玉・大宮ソニックシティ 大ホール
07月04日(土) 愛知・愛知県芸術劇場 大ホール
07月05日(日) 愛知・愛知県芸術劇場 大ホール
07月11日(土) 茨城・ザ・ヒロサワ・シティ会館 大ホール
07月12日(日) 神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホール
07月20日(月) 北海道・札幌文化芸術劇場hitaru
07月25日(土) 千葉・森のホール21 大ホール
07月26日(日) 千葉・森のホール21 大ホール
07月30日(木) 大阪・オリックス劇場
07月31日(金) 大阪・オリックス劇場
08月08日(土) 新潟・新潟県民会館
08月15日(土) 山形・やまぎん県民ホール
08月16日(日) 岩手・盛岡市民文化ホール 大ホール
08月28日(金) 広島・上野学園ホール
08月29日(土) 広島・上野学園ホール
09月20日(日) 熊本・熊本城ホール
09月22日(火) 福岡・福岡サンパレス ホテル&ホール
09月23日(水) 福岡・福岡サンパレス ホテル&ホール
10月03日(土) 宮城・仙台サンプラザホール
10月04日(日) 宮城・仙台サンプラザホール
10月10日(土) 鳥取・米子コンベンションセンター
10月11日(日) 岡山・倉敷市民会館
10月17日(土) 愛知・Niterra日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
10月18日(日) 愛知・Niterra日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
詳細:https://www.lunasea.jp/live/2026tour

■<LUNA SEA TOUR 2026 UNENDING JOURNEY -TO RISE->
12月12日(土) 兵庫・神戸ワールド記念ホール
12月13日(日) 兵庫・神戸ワールド記念ホール
12月19日(土) 東京・有明アリーナ
12月20日(日) 東京・有明アリーナ
詳細:https://www.lunasea.jp/live/2026tour_to_rise

■ニューシングル「FOREVER」
2026年5月29日(金)発売
AVCD-61715 ¥1,100(税込)
予約リンク:https://avex.lnk.to/Jf1dkl
※全国ツアー<LUNA SEA TOUR 2026 UNENDING JOURNEY -FOREVER->のSLAVEシート特典(SLAVEシート限定グッズ)は、各会場限定の「FOREVER」SPECIAL CDとなります。
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