脳科学者の茂木健一郎氏が、自身のYouTubeチャンネルで「親しかった方が亡くなるのは、精神的にキツイよね。そのつらさの向こうにある生きることと、時間の経過の真実について。」と題した動画を公開。親しい人の死を通して感じる悲しみの本質や時間の不可逆性に触れながら、「生きること」と「死」の真実について深く考察した。

動画の冒頭で茂木氏は、親しい人の死に直面した際の「寂しい」という感情について、「その方と一緒にいた時間っていうのが、もう二度と戻ってこない」ことへの悲しみだと語る。その上で、解剖学者の養老孟司氏の「人の死亡率は100%なんだよ」という言葉を引用し、死が誰にでも必ず訪れる普遍的な事実であることを改めて示した。

茂木氏は、人の死に触れると「普段われわれちょっと浮かれて、なんか人工知能がどうだとかグローバリズムがどうだとか言ってる中で、しゅんとするんだよな」と語る。日常の些細な事柄から離れ、人生の根源的な真実へと立ち返る瞬間であると指摘した。さらに、死の恐怖には「死ぬ過程で痛いとか苦しいとかそういう恐怖」と、「死んだら自分がもういなくなっちゃう恐怖」の2種類があるという考えを紹介。多くの人が前者を恐れる傾向にあるとしつつ、死への恐怖が多面的であることを示した。

最後に茂木氏は、能の思想に触れ、亡くなった故人の「一番輝いてた時を描く」ことが本当の供養になるのではないかと提言。「その人のことを忘れない限り生き続けてるっていうのは僕も本当だと思う」と述べながらも、現実にはもう会えないという寂しさもまた真実であると語った。そして、そうした死の現実を踏まえれば、「どうせみんな死んじゃうんだから」という言葉は日常の論争を乗り越える「パワーワード」になると締めくくり、限りある命を懸命に生きることの重要性を投げかけた。

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