【バイタルエリアの仕事人】vol.57 デニス・ヒュメット|サッカーはひとつの“言語”。日本への慣れと兄の存在が結果に繋がっている
今年2025年3月にスウェーデンのユールゴーデンからG大阪に完全移籍。来日1年目ながらゴールに直結するプレーでチームに不可欠な存在となりつつある。特に、敵陣の重要な地帯、いわゆる「バイタルエリア」での動きは秀逸である。
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ゴールに直結するバイタルエリアは、私にとっても最も得点が生まれやすい場所だと認識しています。攻撃的な選手としては、そこで自分のスキルや能力を最大限に表現するべきですし、リスクを冒してでも得点を狙っていく場所だと思っています。
(ダニエル・)ポヤトス監督から個人的に「こうしてほしい」という特別な指示はあまりありません。ただ毎試合、対戦相手を分析したうえで、どうやって崩していくか、どのようなコンビネーションを使うかといった指示は受けます。そのなかで、自分がどうすれば能力を最大限に表現できるかが重要になります。
誰もが知る通り、サッカーは団体スポーツで、ひとりではプレーできません。ガンバの攻撃陣との連係を深めるために、日々の練習を大切にしています。ロンドやポゼッションといったトレーニングを通じて、お互いの癖を知り、そこに戦術を落とし込んでいく。そうやって磨き上げたものを、試合という場で試すのです。
今季、ここまでリーグ戦で7得点(35節終了時点)を記録するなど、異国・日本での挑戦1年目でさっそく本領を発揮している。
Jリーグのスタイルを身体で理解し、チームメイトとの連係も深まったことでプレーが結果に直結し始めた。相手にとって常に“嫌な存在”でいることを意識し、G大阪の攻撃に新たな風を吹き込んでいるストライカーの活躍には、陰で支える兄の存在があった。
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最近、コンディションが上がってきて結果に繋がっている理由は、やはり日本でのプレーに慣れてきたことが大きいと思います。違う大陸でのサッカーは初めての挑戦で、最初の数か月はJリーグのサッカーを知るための期間でした。
夏頃から、チームメイトが私の動き方やプレースタイルを理解してくれるようになり、私もチームメイトのプレーが分かってきました。その相互理解が深まったことで、ようやく自分のプレーを形にできるようになり、パフォーマンスに繋がっていると感じています。
Jリーグには守備ブロックを固めてくる相手も多いですが、そういう相手を崩すために心がけているのは、とにかく動き続けて「相手にとって嫌な存在」であり続けること。これは以前にも話したことがありますが、常に意識しています。
たとえ裏への走り出しにボールが出てこなくても、冷静さを保ち、その動きによって味方のためのスペースを作る。そういうマインドセットでプレーしています。
相手選手の分析については、実はスウェーデンにいる兄がとても詳しいんです。彼が相手チームの試合を分析してくれて、「この選手はこう動く」といった情報を共有してくれます。柏レイソル、鹿島アントラーズ、京都サンガF.C.など、対戦相手に応じて、自分がどうプレーすべきか話し合っています。
兄はキャリアを通じての良き相談相手で、彼の助言がなければ、今の僕はなかったかもしれない。それくらい大きな存在です。時には厳しい意見も言ってくれますが、公平な立場で僕をサポートしてくれています。
