「自分も悪になることがある」「気づいてないから許して、はない」10代といじめを考える
ラジオの中の学校、TOKYO FMの番組「SCHOOL OF LOCK!」（月曜〜木曜 22:00〜23:55／金曜 22:00〜22:55）。10月23日（月）は、『いじめでつらい、君の話を聞かせてほしい』をテーマに放送。パーソナリティのこもり校長（小森隼／GENERATIONS from EXILE TRIBE）とCOCO教頭（CRAZY COCO）が、いじめについて思うことを語った冒頭のやり取りを紹介します。
こもり校長：ニュースで目にした生徒（リスナー）もいると思うけど、小中高でいじめが約68万2千件認知されて、被害が深刻な「重大事態」は923件で、いずれも過去最高だった、という発表がありました。過去最多とか68万件という数字に、ショックを受けた部分もあり……。
COCO教頭：うん……。
こもり校長：でも、“過去最多”というのは、もしかしたら必ずしもマイナスなことではなくて。少しずつ前進した結果の“過去最多”かもしれないし、いままではわからなかったのかもしれないし……氷山の一角かもしれないし。
COCO教頭：この“68万2千件”は認知された数だから、まだ声をあげられていない人も絶対いると思う。隠れている所でいじめにあっている生徒がいるんだな、と思うと……もっと数は多くなるのかな、って。助けを求めている子は今もいるのかな、と思う。
こもり校長：いまはSNSのいじめもあるし、こういういじめのニュースを見かけるたびに悔しい気持ちになる。もちろんこの学校（番組）にも、いじめにあっている生徒（リスナー）が少なからずいると思う。だから、この問題には何度も向き合わないといけないと思っている。
COCO教頭：うん。
こもり校長：今いじめにあっていてつらい時間を過ごしている生徒がいるのであれば、その状況をどうにかして変えたい、と本気で思っている。周りに助けが誰もいないなら、俺たちに助けを求めてほしい。ただ、いますぐみんなの近くに行くことはできないし、いじめが起きたときに守ることができない。だからって、全部をあきらめたくはない。
COCO教頭：あきらめたくないし、私たちができることを精一杯やらないといけないな、と思っています。
こもり校長：誰にも相談できなくて、1人で苦しんでいる生徒もいると思うから、今日は直接その気持ちを聞かせてもらいたいと思う。それで少しでも気持ちが楽になったらいいなと思うし、でもそれだけじゃいけないものわかっている。遠くから何を言っているんだ、と思うかもしれないけど、いじめという現実に抗いたいし、少しでも君の力になりたい。俺たちでよければ、君の話を聞かせてほしい。
――リスナーのメッセージを紹介
【いじめって、あらためて考えてみるとどこからなのか。された側が嫌だと思ったらいじめだと言うけれど、実際つらい事があっても周りに言えてない人ってたくさんいる気がする。一応の定義があるけれど定義が大事なんじゃなくて、本人がつらいって言ったときの対処が大事だと思う。私は自分の事だけじゃなく、誰かが傷つく言葉が聞こえてくる事もきついなと感じていて。私も完璧じゃないから人を傷つけてないわけじゃないけれど、誰かが傷つく言葉を聞くことが少なくなる世界になってほしい】（18歳）
COCO教頭：本当に難しいよね……。本人が「つらい」と声をあげたときに、周りがちゃんと受け入れてくれるとか、きっと助けてくれるとか……保証があれば、言いやすさが増えると思うんだけど。自分が言うことによって、周りに負の空気が伝染してしまったらどうしよう……と思うと、伝える一歩が踏み出しづらいというのはあると思う。
こもり校長：それもあるし、相手が「つらい」と言えば、それはもういじめだと思う。その人がつらいのであれば、そのつらいことをしている人はする必要がない、というのが大前提だというのは、俺の気持ちのなかではあるんだけど……。
COCO教頭：うんうん。
こもり校長：俺個人としても、こもり校長としても ……この話をすると、何か棚に上げてしゃべっている感があるのね。
COCO教頭：なんで？
こもり校長：常日頃のSCHOOL OF LOCK! を聴いて、生徒のみんなは笑ってくれているけど、俺ってある角度から見ると絶対悪な人で、口も悪いし……。教頭に対してもケンカ調になったり、「教頭ってさー」って言うタイプだし。
COCO教頭：そうだね（笑）。
こもり校長：だから、自分を俯瞰して見たり角度を変えて見たときには、自分も悪になることがあるし。だからと言って、正当化したいわけじゃないんだよ。
COCO教頭：もちろん。
こもり校長：悪いことを言っているのが、「気づいてないから許してやってよ」ということではない。悪いことを言っているヤツは、どんなことだろうとダメ。俺だってそう。
COCO教頭：前提としてね。
こもり校長：俺が言ったことで、「嫌な気持ちになりました」という子がいるんだとしたら、俺に言ってくれたほうがいい。全国各地にいる生徒に声を届けている側の人として、俺は考えなきゃいけないことだからね。
COCO教頭：うん。
こもり校長：だから、（メッセージにあった）「定義」というのは、世の中には存在してる。インターネットで調べたら、何をいじめとするか、という大人たちが決めた定義は存在しているんだけど……。それだけではなくて、その後何をするか、どう受け止めるか、どこまで受け止めるのか……そういうことを考えなきゃいけないな、ってすごく思う。
COCO教頭：うん。
こもり校長：だから、すごく怖いときもあるよ。自分が絶対悪にもなりうる立場の人だから。そんな俺が、急に日をあらためて真面目に話し出したら……（笑）。
COCO教頭：うん（笑）。
こもり校長：「（いじめは）よくないよ」って、相当綺麗事だとわかった上で言うのは、心の根底に「傷つけるのはよくない」と思うからで。だからこそ、思うことがあるんだったら、届けてほしいな、という気持ちがあるし……それができない（人が多い）から、この現状があるんだよ、というのもわかっている。
COCO教頭：うん……。
◇
この日の放送では……
・「部活の同級生の女子から、無視されたりハブられたりしています。ですが、部活がしたくて入った高校なので、最後まで頑張ります」という18歳
・「中1のときに部活でいじめられて、学校に行けなくなりました。中3になってからは行くようにしていたけど、友達から無視されてまた休みがちになっています」という14歳
と電話をつなぎました。
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10月23日放送分より（radiko.jpのタイムフリー）
http://www.tfm.co.jp/link.php?id=7113聴取期限 2023年10月31日（火）AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。
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＜番組概要＞
番組名：SCHOOL OF LOCK!
パーソナリティ：こもり校長（小森隼・GENERATIONS from EXILE TRIBE）、COCO教頭（CRAZY COCO）
放送日時：月曜〜木曜 22:00〜23:55／金曜 22:00〜22:55
番組Webサイト：https://www.tfm.co.jp/lock/
こもり校長：ニュースで目にした生徒（リスナー）もいると思うけど、小中高でいじめが約68万2千件認知されて、被害が深刻な「重大事態」は923件で、いずれも過去最高だった、という発表がありました。過去最多とか68万件という数字に、ショックを受けた部分もあり……。
COCO教頭：うん……。
こもり校長：でも、“過去最多”というのは、もしかしたら必ずしもマイナスなことではなくて。少しずつ前進した結果の“過去最多”かもしれないし、いままではわからなかったのかもしれないし……氷山の一角かもしれないし。
COCO教頭：この“68万2千件”は認知された数だから、まだ声をあげられていない人も絶対いると思う。隠れている所でいじめにあっている生徒がいるんだな、と思うと……もっと数は多くなるのかな、って。助けを求めている子は今もいるのかな、と思う。
こもり校長：いまはSNSのいじめもあるし、こういういじめのニュースを見かけるたびに悔しい気持ちになる。もちろんこの学校（番組）にも、いじめにあっている生徒（リスナー）が少なからずいると思う。だから、この問題には何度も向き合わないといけないと思っている。
COCO教頭：うん。
こもり校長：今いじめにあっていてつらい時間を過ごしている生徒がいるのであれば、その状況をどうにかして変えたい、と本気で思っている。周りに助けが誰もいないなら、俺たちに助けを求めてほしい。ただ、いますぐみんなの近くに行くことはできないし、いじめが起きたときに守ることができない。だからって、全部をあきらめたくはない。
COCO教頭：あきらめたくないし、私たちができることを精一杯やらないといけないな、と思っています。
こもり校長：誰にも相談できなくて、1人で苦しんでいる生徒もいると思うから、今日は直接その気持ちを聞かせてもらいたいと思う。それで少しでも気持ちが楽になったらいいなと思うし、でもそれだけじゃいけないものわかっている。遠くから何を言っているんだ、と思うかもしれないけど、いじめという現実に抗いたいし、少しでも君の力になりたい。俺たちでよければ、君の話を聞かせてほしい。
――リスナーのメッセージを紹介
【いじめって、あらためて考えてみるとどこからなのか。された側が嫌だと思ったらいじめだと言うけれど、実際つらい事があっても周りに言えてない人ってたくさんいる気がする。一応の定義があるけれど定義が大事なんじゃなくて、本人がつらいって言ったときの対処が大事だと思う。私は自分の事だけじゃなく、誰かが傷つく言葉が聞こえてくる事もきついなと感じていて。私も完璧じゃないから人を傷つけてないわけじゃないけれど、誰かが傷つく言葉を聞くことが少なくなる世界になってほしい】（18歳）
COCO教頭：本当に難しいよね……。本人が「つらい」と声をあげたときに、周りがちゃんと受け入れてくれるとか、きっと助けてくれるとか……保証があれば、言いやすさが増えると思うんだけど。自分が言うことによって、周りに負の空気が伝染してしまったらどうしよう……と思うと、伝える一歩が踏み出しづらいというのはあると思う。
こもり校長：それもあるし、相手が「つらい」と言えば、それはもういじめだと思う。その人がつらいのであれば、そのつらいことをしている人はする必要がない、というのが大前提だというのは、俺の気持ちのなかではあるんだけど……。
COCO教頭：うんうん。
こもり校長：俺個人としても、こもり校長としても ……この話をすると、何か棚に上げてしゃべっている感があるのね。
COCO教頭：なんで？
こもり校長：常日頃のSCHOOL OF LOCK! を聴いて、生徒のみんなは笑ってくれているけど、俺ってある角度から見ると絶対悪な人で、口も悪いし……。教頭に対してもケンカ調になったり、「教頭ってさー」って言うタイプだし。
COCO教頭：そうだね（笑）。
こもり校長：だから、自分を俯瞰して見たり角度を変えて見たときには、自分も悪になることがあるし。だからと言って、正当化したいわけじゃないんだよ。
COCO教頭：もちろん。
こもり校長：悪いことを言っているのが、「気づいてないから許してやってよ」ということではない。悪いことを言っているヤツは、どんなことだろうとダメ。俺だってそう。
COCO教頭：前提としてね。
こもり校長：俺が言ったことで、「嫌な気持ちになりました」という子がいるんだとしたら、俺に言ってくれたほうがいい。全国各地にいる生徒に声を届けている側の人として、俺は考えなきゃいけないことだからね。
COCO教頭：うん。
こもり校長：だから、（メッセージにあった）「定義」というのは、世の中には存在してる。インターネットで調べたら、何をいじめとするか、という大人たちが決めた定義は存在しているんだけど……。それだけではなくて、その後何をするか、どう受け止めるか、どこまで受け止めるのか……そういうことを考えなきゃいけないな、ってすごく思う。
COCO教頭：うん。
こもり校長：だから、すごく怖いときもあるよ。自分が絶対悪にもなりうる立場の人だから。そんな俺が、急に日をあらためて真面目に話し出したら……（笑）。
COCO教頭：うん（笑）。
こもり校長：「（いじめは）よくないよ」って、相当綺麗事だとわかった上で言うのは、心の根底に「傷つけるのはよくない」と思うからで。だからこそ、思うことがあるんだったら、届けてほしいな、という気持ちがあるし……それができない（人が多い）から、この現状があるんだよ、というのもわかっている。
COCO教頭：うん……。
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この日の放送では……
・「部活の同級生の女子から、無視されたりハブられたりしています。ですが、部活がしたくて入った高校なので、最後まで頑張ります」という18歳
・「中1のときに部活でいじめられて、学校に行けなくなりました。中3になってからは行くようにしていたけど、友達から無視されてまた休みがちになっています」という14歳
と電話をつなぎました。
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10月23日放送分より（radiko.jpのタイムフリー）
http://www.tfm.co.jp/link.php?id=7113聴取期限 2023年10月31日（火）AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。
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＜番組概要＞
番組名：SCHOOL OF LOCK!
パーソナリティ：こもり校長（小森隼・GENERATIONS from EXILE TRIBE）、COCO教頭（CRAZY COCO）
放送日時：月曜〜木曜 22:00〜23:55／金曜 22:00〜22:55
番組Webサイト：https://www.tfm.co.jp/lock/
