世界最大規模の暗号資産であるビットコインは「サトシ・ナカモト」と名乗る人物によって発明されたことが知られています。このサトシ・ナカモトの正体については複数の推測が存在していますが、CIAのウィリアム・バーンズ長官の発言によって「CIAビットコインを開発した」というウワサが新たにネット上を飛び交っています。

The CIA Is Deep Into Cryptocurrency, Director Reveals

https://www.vice.com/en/article/dyp7vw/the-cia-is-deep-into-cryptocurrency-director-reveals

ビットコインの発明者に関しては論文に記されていた「サトシ・ナカモト」という名前だけが残っており、その正体について多くの推測がなされてきました。2014年にはアメリカ在住のドリアン・サトシ・ナカモト氏がサトシ・ナカモトの正体である可能性が浮上し、大きく報じられましたものの、ドリアン・サトシ・ナカモト氏は「自身はサトシ・ナカモトではない」とする声明を発表しています。

その後、2015年12月には多くの証拠と共にオーストラリア在住のクレイグ・スティーブン=ライト氏がサトシ・ナカモトの正体であると報じられ、2016年にはライト氏が自身をビットコインの発明者であると認めました。ライト氏がビットコインの開発初期段階に作成された暗号鍵を所持していることや、ライト氏が過去に記していたブログの内容や使用していたメールアドレスがサトシ・ナカモトとの関係を示していたことから、ライト氏がサトシ・ナカモトの正体である可能性は非常に濃厚とされました。しかし、「これらの証拠はライト氏がビットコインの発明者であることを決定的に裏付けるものではない」という指摘も存在しており、サトシ・ナカモトの本当の正体は依然として謎に包まれています。

謎に包まれたビットコイン生みの親「サトシ・ナカモト」の正体がついに判明か、オーストラリア人男性が自身をBitcoin発明者と認める - GIGAZINE

そんな中、バーンズ長官は2021年12月6日に開催されたCEO Council Summitの中で暗号資産について質問された際に「私の前任者が始めたことですが、暗号資産に焦点を当てた様々なプロジェクトを立ち上げ、二次的、三次的な結果も検討し、アメリカ政府の他の部門と協力して、我々が見ているものについて確かな情報を提供しようとしていました」「なぜなら、ランサムウェアの攻撃を防ぐ方法の1つは、多くの犯罪組織が利用している金融ネットワークを攻略することであり、それはまさに暗号資産のようなデジタル通貨の問題にもつながるからです」と返答しました。テクノロジー関連メディアのMotherboardはこの発言について、「ランサムウェアの問題が政府のあらゆる分野で注目を集めていることを踏まえれば、驚くべきものではありません」と指摘し、CIAがサイバー犯罪との親和性が高いデジタル通貨に高い関心を寄せていたとしても不思議はないとの見方を示しました。

バーンズ氏の発言を受けて金融系ブログメディアのZeroHedgeは「CIAは暗号分野に関するいくつかのプロジェクトを開始していました」とツイート。Motherboardによると、このツイートが「ビットコインCIAによって開発された」という臆測がネット上を飛び交うようになったきっかけとのことです。





ZeroHedgeのツイートには多くの返信が寄せられており、中には「ビットコインCIAによって開発されたことが証明されたとしても、私のビットコインに対する姿勢が崩れることはないでしょう。唯一変わるのは私のサトシ・ナカモトに対する見方だけです。しかし、重要なことにサトシ・ナカモトとビットコインの関係は何年も前に断ち切られています」というコメントも寄せられています。





また、Motherboardは「ビットコインCIAによって開発されたというジョークを、ほとんどの人はただ楽しんでいるだけです」と指摘しています。