取材してほしいと依頼が殺到するという大江アナと、アナウンス力の高さを評価されている三田アナ

 多くの番組で活躍する各局の女子アナたち。司会進行から賑やかしまで、欠かせない存在である彼女たちを、起用する側はどのような基準で評価しているのだろうか。

 今回、大手広告代理店がNHKと民放5局で各10名の合計60名のプロデューサー(以下P)に「自局以外で使いたい女子アナは?」というアンケートを実施した。アナウンス力とルックス、仕切り能力、エンタテインメント性の4部門で、自局以外の各局女子アナを評価している。

 堂々の1位に輝いたのはNHKのエース、和久田麻由子アナ。3部門で1位と圧倒的な強さを見せた。他局のPたちから「フリーも含めた全アナウンサーのなかで間違いなくトップ」「フリーになったらものすごい争奪戦が起きるのは必至。社運を懸けた大型番組もまかせられる」と、絶賛の声ばかりだ。

「東京五輪でのMCぶりは見事でしたし、それもあって『紅白歌合戦』の司会に抜擢されました。一時は先輩の桑子アナと、どちらがエースかと取り沙汰されましたが、いまや民放のアナウンサーも含めて “無双状態” です」(広告代理店関係者)と、もはや女子アナ界の絶対女王なのだ。

 2位はテレビ東京のベテランキャスター、大江麻理子。すべての部門で200ポイント以上を獲得した安定感はさすが。「フリーになったら年収は軽く今の20倍になるはず」「大江さんの強みは、企業のトップから『彼女に取材してほしい』と依頼が殺到すること」というのが他局Pの評価。

「テレ東内でも絶大な信頼を置かれています。大江さんの強みはアンチが少ないこと。その一方で、報道番組のみならず、『モヤさま』のようなゆる〜い番組でもアジャストできるのはすごい」(前出・関係者)と、バラエティ対応能力も評価されているようだ。

 3位を獲得したのはフジテレビの三田友梨佳アナだ。前出の広告代理店関係者は「三田アナがこんなに高評価なのは驚きです。キャリアを経て得た “落ち着き” が好感を持たれているようです。フジの女子アナは “30歳定年” などといわれることもありますが、アラサーでその魅力が再認識されたのでしょう」と分析する。

「20代のころのチャラい感じがなくなり、本格派になった」「水卜アナや弘中アナのようなキャラクターで支持されるタイプと違い、アナウンサーとしての実力で支持を得ている」と、アナウンス力の高さも評価されているようだ。

 4位の日本テレビ・水卜麻美アナは、アナウンス力で1位を獲得。「大食いキャラなどで “押し売り” されていた感もありますが、ナレーションなどの面でも日テレの屋台骨を支えている」と、アナウンスの技術を評価する声が多数。

「テレビマンは女子アナの見た目には辛辣です。水卜アナはルックス面でのポイントが低かったのが、4位に甘んじた原因です。一時騒がれた “フリーへの期待感” も、最近は薄れている印象です」(同前)

 5位の日本テレビ期待のホープ、岩田絵里奈アナは大物芸能人からの “かわいがられ力” が秀でているという。

女子アナ本来のアナウンス力はまだまだですが、そのほかはトップクラスですね。ビートたけしや所ジョージなど、大物を向こうに回しての仕切り能力は高評価。もともとタレントでしたから、ものまねなどもお手の物ですし、とにかくかわいがられるのが彼女の強みですね」(同前)

 他局のPからも「なんといっても独身で若いのは “買い”」「同性のアンチが少ないのも好材料」など、若手アナではトップの評価だ。6位は「人柄のよさが画面越しから伝わる」というNHKの桑子真帆アナ。7位はテレビ朝日の弘中綾香アナが入った。

「お堅いNHKのアナでありながら、“言い間違い” が話題になってしまうエンタテインメント性は、今回のアンケートでも同率1位と、Pの間でも高評価です。再婚したことで『フリーになるのでは?』と期待値も高い。一方の弘中アナは、アナウンス力がトップ10の中では最低評価で、アナウンサーというよりは “タレント” として視聴者にウケていますね」(同前)

 他局のPからも、「最近はクイズ番組にゲストとして呼ばれて、完全にタレント扱い」「本を出版するなど、本業より “課外活動” に重点を置いている」との意見がある。

 8位は人柄のよさで知られるTBSの江藤愛アナ。9位は地方局から唯一ランクインした朝日放送のヒロド歩美アナ。10位にはテレビ朝日の重鎮・大下容子アナが入った。

 江藤アナの献身的な仕事ぶりは、他局のPにも伝わっているようで、「際立った才能とはいえないが安定感は抜群」と評価される一方で、「しっかりしてそうで、じつはそうでもないと聞いてます。廊下で転んで持っている資料をばら撒いたり」というお茶目な面も人気の要因だという。

“地方局女子アナ” であるヒロドアナは、「ぐいぐい来る感じは、フリーになっても成功しそう」「背が高くてスタイルがいい。グラビアでも売れる」と、将来に期待の声が。

 大下アナは「年月を経てキャリアを重ねた女子アナの理想形」と讃えられている。しかし、私生活ではずっと独身であるなど謎が多く、それもまた魅力のようだ。「いまさら引き抜きようがないほど完成されている」「テレ朝内から悪評を聞かない」と、アラフィフ唯一のランクインだ。

田村アナの父親・田村憲久前厚労相が、先日の衆院選で9回めの当選。視聴者からツイッターで、「お父様当選おめでとう」の祝福コメントが

 11位にはTBSのお嬢様アナ、田村真子アナが入った。

「彼女の番組に出たゲストが、彼女の礼儀正しい人柄を絶賛していた」と、さすが政治家の娘だけのことはある?

 12位に入ったTBSの日比麻音子アナは、江藤アナの後継者になれる逸材との声が。

「飛び抜けて美形ではないが性格が抜群にいいらしい」「じつはすごいお嬢様らしい」など、他局のPも興味津々。

 同じように関心が高かったのが、16位に入ったテレビ朝日の三谷紬アナだ。

「『テレ朝では冷や飯を食わされている』と、他局のPは見ている。その魅力は、バストだけではないはずだが……」(同前)

 18位はフジテレビの中堅・永島優美アナが入った。しかし、結婚して落ち着いたせいか、他局のPの反応はやや静か。

「3年前にフリーになっていたら天下を取っていたと思う」と、ポテンシャルを評価されているが、ここから一念発起のフリー転身はあるのか。

 また、21位はTBSの野村彩也子アナ。“野村萬斎の娘” というサラブレッドぶりを期待されているが、アナウンス力の評価の低さが目立つ。

「一生懸命さは伝わるが、あまりに噛む頻度が多く、見ていて痛々しい」「父親も役者だし、ルックスはピカイチなのだから女優のほうが向いていたかも」など、他局のPからの女子アナとしての評価は低空飛行。

 今回のアンケート結果を、大手広告代理店のテレビ局担当者が部門別に分析する。

「アナウンス力部門のベスト20を見てみるとNHKが7名、次いでTBSが5名ランクインしています。NHKは『しゃべりのプロ』として徹底して基礎を叩き込んだ賜物でしょう。TBSは『民放のNHK』を自負するところもあり、民放キー局では唯一のラジオ・テレビ兼営局なのが大きいと思われます。

 ルックス部門ではベスト20にフジから5人が入りました。もともと女子アナブームを牽引してきた局だけに、ルックス重視の文化が色濃く残っているのでしょう。仕切り能力部門では、ベスト20にNHKから7名も入っています。コロナの影響で、派手な演出よりも堅実さを求められている表われかもしれません。

 一方、エンタテインメント性部門でも、ベスト20にNHKアナが7名もランクインしているのには驚きです。民放のPはNHKの女子アナに、エンタメ性も感じているんですね。

 総合的に見ると、和久田アナの一人勝ちぶりは突出していますね。さらにここ最近、岩田アナの人気が急上昇していることも特筆です。大物芸能人から気に入られているため、必然的に人気番組を担当することが多くなっていることも追い風になっています。また、田村アナ、日比アナ、山本里菜アナなど、TBSの20代に勢いが感じられますね。

 一方で、以前は『女子アナ=フジテレビ』とまでいわれていた同局が評価を落としているのは興味深いですね。女子アナたちの “ステマ疑惑” の影響もあると思われますが、番組作りでの迷走も冷ややかに見られている表われではないでしょうか」

 凋落のフジと躍進のTBS、そして横綱相撲のNHK。彼女たちも “人気商売”。他局からほしがられてこそ、真の人気女子アナということか――。