【グローバル日立#02】社長肝いりのM&A、この先に見据えるビジネス
社会イノベーション事業拡大のためのIoTプラットフォーム(基盤)「ルマーダ」をどう売り込むか。青木優和日立副社長は「顧客の経営トップレベルへのアプローチに加え、工場など現場レベルでのアプローチも欠かせない」と指摘する。サルエアーは北米で販売店約200社を展開し、約4000社を顧客に持つ。中国にも販売網を有する。
日立グループの空気圧縮機販売の販路拡大というメリットはもちろんだが、ルマーダの展開加速という側面でも「サルエアーの販売網を取り込めるのは大きなメリット」(青木副社長)と強調する。
17年8月。米インディアナ州ミシガンシティに青木副社長ら日立幹部の姿があった。サルエアーの工場で買収の狙いや、今後の経営方針などを伝える「タウンホールミーティング」を開いた。イベントにはサルエアーの従業員約1200人とその家族も参加。着ぐるみで相撲レスラーに扮した幹部が、“土俵入り”するなど和気あいあいとした雰囲気で進んだ。
サルエアーは「ファンドに経営を握られ不安定だった」(日立幹部)こともあり、日立による買収を好意的に受け止めた。理想的な形でPMI(買収後統合プロセス)に乗り出し、17年11月にはサルエアーに日立スタッフが着任。管理層だけでなく、現場レベルでも「ゴリゴリとPMIを進めている」(同)という。サルエアーの販路を活用し、ルマーダを多様な工場に提案する取り組みを早期に軌道に乗せたい考えだ。
東原敏昭社長兼最高経営責任者(CEO)は、ルマーダ拡販のためのM&A(合併・買収)は積極的に進める考え。サルエアーという先兵が成果を出せば、工場での販路獲得を目的にメーカーを対象とした新たなM&Aを繰り出す可能性が出てくる。
