本当はどこが一番繋がる?「人口カバー率」の新基準統一でキャリア勢力図が変わるかも

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スマホ通信で、どのキャリアが繋がるのか? これまで曖昧だったこの疑問がようやく解決するかもしれない。
例えば広告などで「人口カバー率○○%達成!つながる!」と書いてあって、「ほう、つながるのか、それはスゴイな」「つながるなら旅行や出張に良さそうだから契約しようかな」と思った人も少なくないハズだ。

2014年7月8日、電気通信サービス向上推進協議会は、通信サービスの広告表示などの新たな基準とガイドラインを発表した。その中で注目なのが、携帯・PHS各社の「人口カバー率」を新しい基準で統一するという点だ。
昨年は、いろいろと物議を呼んだことでも記憶に新しい「人口カバー率」。そもそも「人口カバー率」というのは何だろう。

●比較できなない?各社まちまちだった「人口カバー率」
携帯・PHSの人口カバー率というのは、普通の人がみれば「日本での人口におけるケータイが利用できる割合」となる。日本の人口は約1億2709万人(2014年6月1日現在)だ。例えばその99%が利用できると広告で表示した場合、約1億2582万人がケータイを利用できると誰しもが思うだろう。

ところが、これまでは、そうではなかったのだ。
実際に99%以上の人口カバー率と発表されていても、いざ旅行などで山奥に行ったりすると、「圏外」なんてザラに出くわしたりする。したがって日本全国の国土の99%で使えますよという意味でもないのだ。

それでは、ケータイ各社の広告などで表示されている「人口カバー率○○.○%!」というのはどういうことだろう。

NTTドコモau、ソフトバンクモバイルの「人口カバー率」の基準を見れば一目瞭然。
各社の「人口カバー率」の規定がまちまちだったことがわかるだろう。

NTTドコモ

各市区町村役場付近とその出張所付近がサービスエリア内であれば、その市区町村役場の人口カバーは100%(黄色の斜線)



KDDI

日本国土を500m四方のメッシュで区切り、その中のサービスが使える範囲によって人口カバー率が変動
(例:メッシュ内の6割でサービスが利用できれば、そのメッシュ内の人口カバー率60%)


・ソフトバンクモバイル

日本国土を500m四方のメッシュで区切り、その中のサービスが使える範囲がある程度あればそのエリアの人口カバー率は100%(黄色の斜線)
※割合は非公開


極端に言えば、NTTドコモは市役所さえエリアにしてしまえば、少し離れた場所が圏外であっても、その市は人口カバー率100%となってしまう可能性があった。これは、昔の自動車電話時代からの算出方法で、当然ながら現在では通用しないだろう。そのため、NTTドコモは従来の算出方法ではFOMA(3G)人口カバー率100%となっているが、あくまでも「市区町村役場と出張所カバー率」なのである。
また、堅実に見えるKDDIやソフトバンクモバイルも、メッシュの区切りや算出方法おいて差がある。

●新しい基準は100%か0%のどちらか ドコモのカバー率が大きくかわるかも?
そこで、新しい基準だが、こちらは、各社共通になり、公平な「人口カバー率」となる予定だ。

それは、「500m四方メッシュで全国を区切り、その中で半分以上利用できればそのメッシュは100%。半分未満であれば0%」というもの。
これにより、「全国の区切りかた」「カバー率の出し方」が統一されたことになる。とくにNTTドコモは他社と比べて大幅な計算しなおしになる。もしかしたら「人口カバー率」に若干の変動があるかもしれない。

●人口カバー率100%は実現不可能?不経済で意味のないモノ
現在の算出方法では、各社ともに人口カバー率99%以上になっている。しかし、新方式では、そう簡単にカバー率を獲得できないと言われている。

では、今後100%になることはあるのだろうか。
結論から言うと、それは「無い」。

新算出方法で通信が利用できないとされたエリアが、「常時人がいない」「滅多に人が行かない」場所だった場合、新たに費用をかけて通信できるようすることはコスト的にも資源的にも現実的ではないからだ。

人口カバー率100%などという神話のような話はなくなるが、新しい基準では、「どの会社のエリアが広い」か、やっと役に立つ「人口カバー率」となりそうだ。そして、ようやく出張などで役に立つケータイキャリアを選ぶことができるようになるかもしれない。


布施 繁樹